我が家にはヒキガエルが三匹いる。
それぞれ個性的なヒキガエルであるが、今回は先日の記事で「踏み台キング」の称号を与えたミヤコヒキガエルのマグマに焦点を当てよう。
まず、踏み台キングとは何か?
それは他のカエル達に「踏まれる回数の多い奴」へ贈る称号のようなものだ。
どう言う訳だか、マグマが踏まれるシーンを目撃することが多いのだが、それは読者の皆様も既にご存知であろう。
今回は、その様子の画像を見ながら、原因を考えてみよう。
【10/27】
茶色いカエルがマグマで、それを肘置きにしている気合の入ったカエルが二ホンヒキガエルの冬将軍である。
奥にいる色の濃いカエルは、ヤマヒキガエルの蘇芳(スオウ)であり、彼女は個人プレーが目立つ。
見るからに、どんくさそうな顔を見て欲しい。
マグマは、鈍く臆病で要領が悪いが、気は良い奴だ。
昔からクラスに一人はいるであろう、残念な奴なのだ。
【11/3】
風呂は二つ設置しているのに、何故か二匹で浸かっている。
下にいるのがマグマ、上にいるのが蘇芳である。
一番、若輩者である蘇芳に踏まれ、彼は何を思うのであろうか。
アップにしてみたが、無表情な顔からは何も読み取れない。
マグマの"M"はドMの"M"なのか。
うーん、達観したお坊さんのように見えなくもない。
【11/5】
ごちゃごちゃしていて、何が何だか分からないが、壺から蘇芳が飛び降りた瞬間を写したものだろう。
よく見ると、マグマが冬将軍に踏まれている!
蘇芳もそれに便乗しようと言うのか。
カエルは無表情だと思われているが、流石にマグマに表情のようなものが表れていないか。
お前は何を思っているのだろう。
カメラを近づけると、マグマがチラッと視線をこちらへ向けた。
「・・・」、「・・・」、気まずい沈黙が流れる。
改めて問いかけたい。
蘇芳は去ったが、何故か冬将軍はそこに留まった。
大分、強い力で挟まれていると思うが、痛くは無いのだろうか。
いつものごとく、冬将軍が私を睨んでいる!
私を威嚇し、体を膨らませている・・、そう、マグマの上で。
「膨らむのは良いが、退いてやれ」と私は心中で思うのではなく、実際に声を掛けた。
次の瞬間、私の思いは届いたようだが、状況は悪化した。
「しゃぁないな」とでも言っているのか、冬将軍が動いたことで、マグマに余計な重圧がかかった!
マグマが自嘲気味に笑っているように見える。
何かを超えたのか、悟りを啓いたのか。
改めて問い掛けたい。
何故お前だけ踏まれるのだろう。
【11/6】
だから風呂は二つあるのに、何故一緒に入るのか。
・・ん?
タッパーが透けて、何やらカエルの輪郭が見える。
これは、まさか・・。
またしても踏み台にされていた!!
お前こそ、「踏み台キング」である。
理由などない。
お前はそう言う星のもとに生まれ落ちたのだ。
光の加減で、マグマに後光が差しているように見える。
カメラには稀に第六感的な何かが写ることがある。
どうやら、彼は何かを超越したらいい。
カエルにはカエルの世界があり、思想があり、宗教があるのかもしれない。
この瞬間、彼はようやく本当の意味で「踏み台キング」になったのだろう。
今日も明日も明後日も、お前は踏まれて生きていくのだ!