吉野と天川洞川を繋ぐ霊峰大峰山は、1300年余前に葛城族の王子である修験道開祖: 役行者(神変大菩薩)が山岳修行の根本道場として開いた神山であり、古来より男性の行場として受け継がれている。



男子15歳元服の節目には、大峰山登拝をして、生死の行である『西ノ覗』絶壁から命綱で吊される荒行を行い、生まれ変わり、世の為・人の為・国の為に尽くす誓いを立てる事が日本男子のしきたりとなっている





女性においても、修行を志す者は、隣接する大日岳を目指す稲村ケ岳登拝があり、女人行場として大日如来(真言密教の根本神)を奉る神山に登拝して、太陽(大日) の力を頂いて、生命を育み養う大母性心を覚り、活性化させる為の行場として制定されている。





おおよそ修験道とは修じて験ずる道を意味していて、自分自身が修行の道のりを歩み、数多の体験を積む事により、内在する英知を呼び起こして、天命(生まれて来た意味)を呼び起こすものである。






男女の修行場は、差別により別けられるのではなく、特性の区別により定められるものである。昨今、男性と女性の仕事や役目に区別が無くなりつつあるが、根本的に生命の持つ本質は性質特性として異なる。男性は子は宿せず性質が子供であり、また女性は子を宿せる宮をもち性質は母である。世の中がいかに変転しようとも変わらぬ摂理がある。





自分の特性と分に合わせて行じる事が出来る様に、修験道開祖である役行者は、それらの修行場を後の行者達に示されて、歴代の先達諸氏がしきたりから成る行法を受け継いで後進に伝え、現在に至る。





心と人間性の荒廃が如実に叫ばれる今、正に人間それぞれが自分の本質を磨きだし、確立して生きる事こそが全く身近な世直しであり、国創りの実践である。




彌榮 ‼︎