数々の作品が映画化、ドラマ化されてる
中山七里の
『特殊清掃人』(2022)
ほぼ連ドラを見ている感覚で
おもしろくて一気に読めました。
事故物件やごみ屋敷の話が大好きで
実際には怖過ぎて絶対ムリなんですが
そうなってしまった背景と
悲惨な状態をキレイにしていく
プロフェッショナルな仕事ぶりに
ものすごく惹かれます。
事故物件などの特殊清掃を請け負う
《エンドクリーナー》代表の
五百旗頭(いおきべ)は元警視庁の刑事。
従業員の香澄は
勤めていた事務機メーカーが倒産し
面接にこぎつけた6社目の
《エンドクリーナー》の高給と
五百旗頭の人柄の良さで
入社を決めたのだった。
もう一人の従業員・白井は
すでに一人で現場を任されているが
最初に勤めたイベント会社が
コロナ禍で倒産し
どの業界も新規採用を渋っていた中
基本給の高い求人で見つけたのが
《エンドクリーナー》だった。
汚部屋やごみ屋敷の掃除くらいだと
思っていたが、実際従事してみると
『腐乱死体が放置されていた部屋、
血液をはじめとした体液が床一面に浸潤し…
…防護服と防毒マスクを
装着したままの作業は体力を削り、
現場は体液と排泄物の溜まり場で…
絶えず感染症に罹患するリスクが伴う』
いくら高給でいい上司だったとしても
とても耐えられる仕事ではない。
結局、香澄も白井も
この仕事が性に合っていたのだ。
この3人がそれぞれに
人が亡くなった現場を清掃しながら
一体何があったのかを考察し
真相を突き止めていくというストーリー。
本には4つの現場が描かれている。
ぜひとも連ドラにしてほしい。
中でもこの亡くなり方だけは
イヤだと思ったのが
お風呂の追い炊き機能によって
42℃の熱湯に浸かり続けて
シチュー状態になってしまった男性!!!
浴槽の表面はゼリー状で真っ黒。
それを捕虫網ですくい出し
いっぱいになったバケツを何度も運び出す。
すべての描写が事実に基づいてると思うと
何があっても死んだら
すぐに発見してもらいたいと
誰もがそう思うこと間違いなし!
常々いろんな人に生存確認を
頼んでおかなければ!
ドラマ化するとしたら
(勝手にキャスティング)
元刑事の鋭さと人の死に向き合う繊細さを
持ち合わせた五百旗頭は鈴木亮平かな。
どんな現場にもおじけづかず入っていく
鈍感さをもった香澄は伊藤沙莉。
かつてのバンド仲間の死亡現場から
その無念の思いを明らかにしていく
白井は木戸大聖がいいなあ。