沢田研二の『キネマの神様』と『カサブランカダンディ』はアウト⁉ | 黒柴恭ちゃんと映画とアトリエ製作の日々

黒柴恭ちゃんと映画とアトリエ製作の日々

2017年11月東京から徳島に電撃移住♫
元気過ぎる黒柴♪右恭(うきょう)の甘えん坊&暴れん坊ぶりを
主に綴っています。
時々、愛する映画のレビューと
自宅アトリエでのバッグ製作にも触れています。
Webショップ《iichi もんてきいだ》にて販売中〜。

先週の

『不適切にもほどがある』

笑いの連発泣き笑いだった。

 

沢田研二

〝カサブランカ ダンディ♪〟

DVの歌って…

 

♪聞き分けのない女のほほを

一つ二つはり倒して

アウトーぉ!!!おーっ!

確かにこれはヒドい!

当時はだれも何も思わなかった…ガーン

 

ちなみに続きは…

♪背中を向けて煙草を吸えば

それで何も言うことはない~

はあー?ムキーッ

この後も腹の立つ歌詞が続くむかっ

 

沢田研二と言えば

ちょうどその前に

『キネマの神様』(2021)

を観たところだった。

結末が山田洋二監督っぽくないと

思ったら、

原作が原田マハの小説だった。

 

コロナ禍の撮影で

主演の沢田は志村けんの代役。

主役にはだんぜん沢田研二の方が

よいと思った。

 

ギャンブル漬けで借金まみれの

ゴウ(沢田研二)

妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)は

依存症家族のセミナーで

金を出すなとアドバイスされていた。

食事すら作らない。

行き場のないゴウは名画座に行き

ベンチに寝転んで

売店の酒をくすねていた。

館主のテラシンこと

寺山新太郎(小林稔侍)はかつて

映画の撮影所で働く仲間だった。

リバイバル上映するという映画の

主演女優・園子(北川景子)の瞳に

助監督だった自分が映っている!と

50年前に思いをはせる。

助監督のゴウ(菅田将暉)

これから観る予定の人には

注意注意最後までネタバレします!

 

 

キラキラキラキラの青春物語だったりする

この映画

スター★園子にドライブに誘われたゴウは

撮影所近くの食堂の看板娘・淑子と

映写技師のテラシン(野田洋次郎)を誘う。

テラシンは淑子(永野芽郁)が好きで

ゴウは仲を取り持とうとしたが…

淑子はゴウがきだったハートブレイク

なぜかモテモテのゴウ

 

ゴウは当時としては奇想天外な物語を

脚本に書いていて

テラシンもその才能に驚いていた。

 

とうとうゴウは監督として

初めて撮影する日を迎えたが

あまりの緊張からお腹を下した上

現場で大けがを負ってしまい

そのまま撮影所を去ることに。

淑子は「私がゴウちゃんを幸せにする」と

周りの反対を振り切って

故郷に帰るゴウを追いかける。

 

それから50年

家では厄介者のゴウだったが

孫の勇太(前田旺志郎)が

ゴウの幻の脚本

『キネマの神様』を読んで

「おじいちゃんすごい!」と称える。

ボクが時代に合うように直すから

賞金100万円の脚本賞に

応募しようと提案する。

この孫を演じる前田旺志郎が

いい働きをしてて

この映画の〝良心〟って感じニコニコ

もう一人、名画座の従業員役で

志尊淳が何シーンか出てて

それもチラッ、チラッと一瞬

映るだけでも存在感あり~。

 

 

名画座に駆け込んだゴウに

テラシンは映画雑誌を差し出し

「取った、城戸賞!」

大賞の受賞を知らせる。

 

テラシンが名画座の観客に

「大賞を取った友人です」と

ゴウを紹介すると

館内はおいムードに沸く。

 

呼び出された淑子も受賞を知らされ

「どうしよう、賞金が現金だったら

あの人一気に使ってしまうわ」と

心配する母に

「大丈夫よ母さん、振り込みだって」と歩。

 

歩は息子の勇太に

おじいちゃんを信じてくれてありがとう

と感謝する。

 

授賞式が近づく中

ゴウはギャンブル仲間と飲み歩き

ついには倒れて救急車で搬送される。

一命をとりとめたが式には出られない。

相変わらず本番かった泣き笑い

 

見舞いに来たテラシンに

淑子はお前と結婚した方がよかった

と言うゴウに

テラシンは1枚の写真を渡す。

大切に持ってたんだなぁ悲しい

えっ、テラシンずっと独身

 

 

受賞式では歩が

ゴウからのメッセージを読み上げた。

それは淑子への愛情と感謝に

あふれたラブレターだった。

 

世の中はコロナ禍になり

名画座も経営が苦しくなる。

淑子は、ゴウの願いだと

賞金の一部をテラシンに届ける。

 

体が弱るばかりのゴウだったが

どうしても映画館で映画が観たいと

家族で訪れる。

すると『キネマの神様』で描いたように

スクリーンの中の園子が

こちらを向き、ゴウと目が合う。

スクリーンから抜け出してきて

「淑子ちゃんとは一緒なの?

焼けちゃうわね」と言い

「さあ撮影の時間よ、行きましょう」と

ゴウの手を取る。

スクリーンに戻る園子のそばには

若き日のゴウの姿が。

 

客席にはゴウが静かに横たわっていた。

 

 

一見ハッピーエンドのようで…

全く積極的でなかった若き日のゴウに

グイグイ迫って

しまいには押しかけ女房となった

淑子が本当に幸せだったのかどうか。

78歳までグダグダ生きてきて

最後の最後にもらった

おまけのような脚本賞で

ゴウが本当に幸せだったと言えるのか。