古書 Ⅱ | ATELIER FAIRE ~ French traditional handicrafts ~

ATELIER FAIRE ~ French traditional handicrafts ~

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「世界を変えた書物」展 での話の続きです。
驚くほど私好みで、入口だけで取り乱してしまいましただ~いすき・・・



実はこの会場は初めてだったので、迷って時間ギリギリの到着になってしまったのです。
でも、よかった~。解説に間に合いました。走ったのもあってか、ドキドキが加速します



会場内はわかりやすく13に分類され、活版印刷が発明された15世紀からアインシュタインに繋がる
約130冊の希少な初版本が展示されていました本



その中で特に興味を持ったのは、古代から中世に伝えられた科学知識による書物です。
それに、古い物ほど挿絵も素敵なんですよね。
内容の説明は難しいかもしれないので、絵に注目していきますおんぷ



 イシドール(約560-636年)   「語源学」
   古代の科学技術知識を中世に伝えた百科事典のようなもの。
   イシドールは当時のもっとも学のある人物で、自分の知識 (数学・天文学・解剖学・地学・鉱物学・
   工学・建築学・農学・気象学など) をこの本に詰め込みました。一体どれだけかしこいのぉ?すごい

 


 ユークリッド(紀元前300年頃)   「原論(幾何学原本)」
   三角形の内角の和や平行線は交わらないなど、図形の基礎について書かれた本。
   現在も学校で教わる数学理論です。
   模様がきれいで、そこばっかり見てしまう・・・見る




 レギオモンタヌス(1436-1476年)    「アルマゲスト(偉大なるプトレマイオス)」
   プトレマイオスさんが大好きで、天動説を確立した彼の著書をラテン語に抄訳して出版しました。
   プトレマイオス理論をわかりやすく解説。
   それにしても、何もないところからこの画像が考え浮かぶなんてすごい才能だと思いませんか?

 


古代ギリシャには他にも現在の科学理論に必要な発見がたくさんされました。
アルキメデスのように今なお使われている計算法 (微積分、円周率) や

  アルキメデス(紀元前約287‐212年)   「四辺形、円の求積法」

 


論理的な考えによる研究をすすめたアリストテレスの自然科学論が、皮肉なことに教会の庇護の下、誤った考えのまま長年信じられてきたこと (天球論=天動説のモデル) 等、
どれも重要な事柄です。

  アリストテレス(紀元前384‐322年)   「ギリシャ語による著作集」

 


やがて大きな転機が訪れます。コペルニクスによる地動説の発表ですお~



 ニコラス・コペルニクス(1473‐1543年)   「天球の回転について」
   1000年以上信じられてきたプトレマイオスの天動説に異論を唱えた本。
   天動説派である教会を敵にまわすのを恐れ、研究の成果を発表した本書は死の数週間前に
   やっと出版されたのだとかふう~
   コペルニクス的転回で、読んだ人々には衝撃的だったでしょうね。コペルニクスの勇気を称えます。




太陽中心説に注目して地動説を唱えたコペルニクスでしたが、天体軌道についてはそれまでの伝統に沿った完全な円軌道であると考えていました。それが上の図ですマル
 


しかし地動説発表後、ケプラーが楕円軌道を、

  ヨハネス・ケプラー(1571‐1630年)   「新天文学」

 


ニュートンが万有引力の法則を発見したことにより
その矛盾点は修正され、地動説の正しさが証明されました。

  アイザック・ニュートン(1642‐1727年)   「自然哲学の数学的原理(プリンキピア)」

 


そして、ガリレオも地動説確立に一役買いました



 ガリレオ・ガリレイ(1564-1642年)   「星界の報告」
   望遠鏡の発明に刺激を受けて自ら製作した望遠鏡で天体観測し、コペルニクス説を実証しました。
   この絵は自身の月面観察スケッチを銅版画にしたもの☪
   クレーターの様子などが細かく書き記してあります。

 


 ガリレオ・ガリレイ(1564-1642年)   「世界二大体系についての対話」
   ガリレオさん、頑張ってますね。この本を出版する時、地動説を擁護しないように教会より警告を
   受けていたそうです。でも我慢できずに出版した結果、宗教裁判にかけられ危うく火あぶりに炎
   結局、地動説を撤回させられたうえに軟禁状態で晩年を過ごしました。
   信念を通すにも厳しい時代だったのですね。
   本の中でコペルニクスとプトレマイオスが論争している絵が出てきます。
   「それでも地球は動いている・・・。」  ガリレオはきっと大声で叫びたかったことでしょう叫び




 
ふぅ~、まるでおとぎ話を聞いているかのようですね。古代からここまで宇宙の研究が多かったのは
占星術が盛んだったからです☆



占いで政治を行うなどは科学的ではありませんが、そのおかげで星の動きを計算するための難しい
計算式が考案されたり、現代にも通じる素晴らしい考えが多く残されています。
そのどれもが先人の声に耳を傾け、考えた結果導きだされた答えなのですね。頭が下がります。



真実を知るための長い旅はまだまだ続きますが、ここで一休み。
次回に続きますCiao