昨日は、マシュー・ボーンの『ロミオ+ジュリエット』の初日を拝見するため、渋谷の東急シアターオーブにうかがった。めずらしく夫も来るというので、18時過ぎにいっしょに家を出た。
シアターオーブはこれまで3回ほどしか来たことがない、私にとっては少々なじみの薄い劇場だ。ちなみに、夫は初めての訪問。
まだロビー開場のみの時間に到着したので、プログラムやTシャツ――私は記念Tシャツマニア(笑い)——を買い、夫はビール、私はスパークリングワインを飲みながら過ごした。
開演時間近くなったので、一階席へ。広い会場がほぼ埋め尽くされていた。舞踊評論家の石井達朗先生のお姿もあったが、少し席が離れていてお声をかけそびれてしまった。
まだ公演は始まったばかり。ネタばれになるといけないので、書ける範囲で以下に概要を書かせていただく。
タイトル:マシュー・ボーンのロミオ+ジュリエット
会場:東急シアターオーブ
公演日程:4月10日~21日
出演(4月10日のキャスト):
ロミオ パリス・フィッツパトリック
ジュリエット モニーク・ジョナス
ティボルト アダム・ガルブレイス
マキューシオ ロリー・マクラウド
パルサザー ジャクソン・フィッシュ
ベンヴォーリオ ユアン・ガレット
ロレンス牧師、モンタギュー夫人、看護師 デイジー・メイ・ケンプ
モンタギュー上院議員、看守、看護師 アラン・ヴィンセント
他
ストーリー:
近未来、反抗的な若者を矯正する教育施設“ヴェローナ・インスティテユート”。そこでは厳しい監視下で自由を奪われた若者たちが男女の接触を禁じられて暮らしていた。暴力的な看守ティボルトのハラスメントにおびえるジュリエット、有力政治家の両親から見放されて施設に入れられたロミオ。施設で出会った2人は瞬く間に恋に落ち、看守の目を盗んで逢瀬を重ね、仲間たちに祝福されながら愛を誓いあうのだった。しかし幸せもつかの間、突如酒に酔ったティボルトが銃を振りかざして現れ、乱闘のあげく仲間の一人マキューシオが命を落としてしまう。怒りに燃えるロミオとジュリエットたちはティボルトに立ち向かうも、さらなる悲劇が彼らを待ち受けていた。(公式HPより)
私は、大学院ではフランス文学専攻だったが、大学時代はエリザベス朝後期の演劇に関心を持っていた。その関係でシェイクスピアもよく読んでいたが、マシュー・ボーンの手にかかると『ロミオとジュリエット』もかなり衝撃的な変貌を遂げるに違いないと、期待しつつ会場に向かった。
時代は近未来、場所は反抗的な若者たちを収容する矯正施設「ヴェローナ・インスティテュート」だ。モンタギュー家とキャピュレット家の対立という図式はないが、モンタギュー上院議員の家でやっかいもの扱いされたロミオが、施設に入れられ、そこのダンスパーティーでジュリエットに一目ぼれするという設定は、原作を踏襲している。
ジュリエットの従兄のティボルトが施設の看守という悪役だったり、ロレンス神父が女性だったり――しかも、モンタギュー夫人と看護師の一人三役——、ロミオの親友マキューシオがゲイだったり、といくつものずらしがあるのはマシュー・ボーンならではだ。
とりわけ昨日の配役では、ジュリエット役のダンサーがアフリカ系の女性だったことも目を見張った。
音楽はクラシックバレエ版と同様プロコフィエフが用いられているため、とりわけ群舞の振付にギャップが目立って興味深かった。
また、ロミオとジュリエットのデュオはかなりセクシー、かつ美しかった。
終演後、渋谷から東京メトロ銀座線に乗り、三つ目の青山一丁目にあるイタリアン「ドン・チッチョ」にうかがった。21時半の予約。めったに来ないのに――1年ぶり——、お店のみなさんが大歓迎してくださって嬉しい。
スプマンテで乾杯。昨日選んだものは下記。
真ダコとモロッコインゲン、メキャベツのサラダオレガノ風味。
シチリア風牛トリッパと茄子、アーモンドのトマト煮込み。写真は取り分けていただいたもの。
シチリア名物イワシとウイキョウのカサレッチェ。
西豪黒牛カイノミのグリル。写真は取り分けていただいたもの。
そして、お店の方との会話の中で、夫が「実は、日にちは少しずれたんですが、今日は結婚記念日の会食なんです」と言ったのを覚えてくださったらしく、サプライズで――夫も私も特別注文をしていませんでした――デザートプレートをサービスしてくださったのだ!
記念に写真も撮ってくださった。
素敵な公演と、おいしい料理、温かいサービス、どれも最高でした! ごちそうさまでした。