クルシージョ初日と『新人公演』2日目雑感と新代田「玄鮨」 | 野村眞里子のブログ <オラ・デル・テ>

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昨日は、私の怪我で開始が1週間延期になっていたバタ・デ・コーラのクルシージョの初日だった。

 

朝起きると、骨折箇所より古傷の膝の方が痛むではないか。たぶん、足首をかばって膝に負担がかかってしまったのだろう。あわてて薬を塗り、10年以上やっている膝のリハビリメニューを2つこなしてからスタジオに向かった。

 

クルシージョは2クラス。1クラス目がバタ・デ・コーラのテクニカ、そして2クラス目がバタ・デ・コーラで踊る初心者向きの「アレグリアス」の振付だ。どちらのクラスも3人ずつだったので、私と4人でスタジオをのびのび踊れるはずだった。でもやはりお互いに「尻尾」を踏んだ。(笑)

 

テクニカは跳躍系の動きだけパスをして――すみません! 私の足のせいで――、あとはさまざまなテクニカをやった。あまった時間には、「アレグリアス」の引っ込みなどに使える少々ダイナミックな回転にも挑戦。バタ・デ・コーラがまったく初めてという方にもやっていただいた。

 

振付のクラスは、「アレグリアス」のパルマと、一人ずつ「サリーダ」を歌ってもらうことから始めた。「えーっ、振付よりこっちの方が難しい」という方もいらした。(笑)そしていよいよ振付。サリーダで登場しファルセータ振りを踊り、ジャマーダで歌を呼びこむところまでが昨日の予定だったが、参加者の吸収が早く、もっと進んでもよいとのことだったので、歌振りをひとつ終えてしまった!

 

クルシージョ終了後は下北沢でランチを食べてから、家に荷物を置き、タクシーで中野ゼロホールへ。『新人公演』2日目を拝見するためだ。入口にあった看板には、特製Tシャツが貼られていた。

 

 

 

 

 

前日同様、私は前から4列目のほぼ中央の席だった。昨日はバイレソロの部の日で、以下昨日の25名の出場者。

 

1.小西千絵「シギリージャ」

2.大津絵里香「タラント」

3.下山明子「アレグリアス」

4.大橋新「シギリージャ」

5.多田つむぎ「アレグリアス」

6.和泉冴英香「ソレア」

7.福田紘夢「タラント」

8.竹村あゆみ「ソレア・ポル・ブレリア」

9.黒瀬ゆり子「カーニャ」

10.鈴木弘子「ソレア・ポル・ブレリア」

11.伊藤千紘「シギリージャ」

12.小宮山洋子「バンベーラ」

 

(休憩20分)

 

13.佐藤雅美「ソレア・ポル・ブレリア」

14.斉藤玲子「ソレア・ポル・ブレリア」

15.都竹佐衣子「シギリージャ」

16.高野浩美「ティエント」

17.近藤朔「カミナンド・エン・ソリタリオ」

18.本多清見「シギリージャ」

19.鈴木旗江「シギリージャ」

20.高嶋裕美「タラント」

21.Maria「シギリージャ」

22.細川由香「ソレア」

23.持田賀津子「アレグリアス」

24.青木千鶴子「シギリージャ」

25.飯島由香「ソレア」

 

見ごたえたっぷりの2時間半の公演だった。今回初めて踊りを拝見した方も多かったが、中にはさまざまなライブや発表会やコンクールや『新人公演』で観続けている方も――。お名前は敢えて記さないが、そうした方々の成長ぶりや「新人公演対策」――「工夫」と言った方がいいかしら?――などを目の当たりにするのは、本当に嬉しい。

 

有観客の今年の『新人公演』は、それぞれの出場者にとって、「目標」であったり、「挑戦」であったり、「重要な通過点」であったり、「表現の場」であったり……。それらの気持ちをしっかり受け止めさせていただきながら、「宝物」のように大切に拝見した。

 

選考委員ではないので、テクニカの素晴らしさや細かな問題点などは脇に置くとして、昨日特に印象に残った方についてだけ書かせていただく。

 

6番の和泉冴英香さんの「ソレア」。上手より歩いて登場し、抑え気味の表現で歌振りを踊られた。2つ目の歌振りでは舞台を広く使い、次第に盛り上げていく。このあたりが「うまい」と感じた。エスコビージャも高速スビーダも心地よい。振付けられたものを上手にこなすというよりは、ご自分のスタイルをしっかり持っていらっしゃる方とお見受けした。

 

17番の近藤朔さんの「カミナンド・エン・ソリタリオ」は、詩人萩原朔太郎の「利根川のほとり」(詩集『純情小曲集』所収)をテーマに「シギリージャ」のリズムで踊られた。昨年の無観客の『新人公演』も同じタイトルだったが、構成は違った。近藤さんの人生、フラメンコへの愛、一つの芸術作品を創りたいという熱い思いが伝わった。時間制限、ミュージシャンの人数制限、美術の制限もある『新人公演』でこうしたパフォーマンスをするのはたいへんなことだと思うが、しっかりとまとめていらした。秀逸。

 

24番の青木千鶴子さんの「シギリージャ」。ユニークなフラメンカである青木さんのパフォーマンスはすでに何度も拝見しているが、昨日のものはまた一味違っていた。とにかく、マントンを回す、回す! 「マントンの名手」はスペインにも、日本にも大勢いると思うが、青木さんの表現はある種の「狂気」すら感じられて、思わず見入ってしまった。バイオリンとギターのファルセータによるエスコビージャも美しく、聞き惚れた。後半、ホリゾント幕が金色っぽく染まり、青木さんの「狂気」に華を添えていた。照明の井上正美さんにもolé!!

 

終了後、知り合いの人たちにご挨拶をしてから、タクシーで帰宅。まだ20時ちょっとだったので、夫と新代田「玄鮨」に夕飯にうかがうことにした。店内は若い常連さんを中心に超満員だった。

 

まずは生ビールで乾杯。突き出しのぬた。

 

 

 

 

 

 

ひらめのお刺身。夫は日本酒「醸し人九平次」、私は白ワイン「リースリング」を追加。

 

 

 

 

 

アサリの酒蒸し、九条ネギ添え。

 

 

 

 

 

江戸前五貫盛り。写真を撮る前に煮あさりを食べてしまった! 夫は漬けマグロ二貫を追加。

 

 

 

 

 

 

すべておいしくいただいた。ごちそうさまでした!

 

そして今日はいよいよ『新人公演』最終日。どんなフラメンコに出会えるか、ワクワクが止まらない。