昨日は、エルスール財団の決算~夏のクルシージョと秋の公演の準備~100枚の原稿の締め切りと続いていた「戦いの日々」が、一区切りとなる日だった。すなわち、「スペインとフラメンコを知る」の第4回目「男振りといえばファルーカ!」開催の日だ。
淑徳大学公開講座として3期15回にわたって行って来た講座も、昨日で通算19回目。そして淑徳大学の時は諸事情で実現しなかったゲスト付き講座も、初めて実現した。
朝から4人のスタッフが猛烈な勢いで講座の準備を始めた。なにしろ、ゲストの模範演技があるので、コンパネを敷かなければならないし、椅子もコンサート形式にセッティングしなければならないし……、さらに講座用のプロジェクターの準備も必要だ。
私はマニアックさ丸出しの配布資料も作った。(笑)
17時。バイラオール永田健さん到着。来年の彼の壮大なプロジェクトの説明をうかがう。そうこうするうち、ギタリストの杉本良一さんも到着されたので、1時間ほどのリハーサルを行った。
少し押して、19時5分開始。ゲスト付き講座という贅沢な日だったが、仕事などの都合で4人の方が欠席だった。(お気の毒!)
まずは、配布資料を配って約30分のファルーカの講義。なんと、永田さんも受講生の一人として講義を聞いてくださった!
●前回のアレグリアスの復習
●ファルーカの名前の由来と歴史
●音楽と歌の形式
●ファルーカの衣装
そして講義後、以下の3本のビデオ――古いものばかりなので、DVDではなくビデオ!――をみんなで観た。
●『アドリアン・ガリアの教則ビデオ ~ファルーカ~』より、歌の部分・歴史・衣装
●『バルセロナ物語』より、夜中に道でアントニオ・ガデスが「ファルーカ」を踊るシーン
●『カルメン』より、アントニオ・ガデスがカルメン役のバイラオーラにせがまれて「ファルーカ」を踊るシーン
ビデオ鑑賞の後は、永田さんを迎えての30分のトークを行った。トーク全体の流れと私からの質問は下記。(永田さんのチェック後、答えを全文掲載の予定あり。)
●永田健さんのプロフィール紹介
●どこでどのようにしてフラメンコと出会ったのか
●初心者の頃と初めての発表会の思い出
●スペインのアモール・デ・ディオスの話
●永田さんとファルーカ
●バストンのこと
●永田さんの日常生活
●今後の予定
トークは永田さんのキャラクターもあって大いに盛り上がった。そしていよいよ振付。受講生の一部は靴を履き替え、永田さんは衣装に着替えて再登場。
昨日の受講生のフラメンコ歴は4、5年~30年以上とまちまちだったが、ほとんどの方がファルーカは初体験だったので、「これぞファルーカ!」というようなジャマーダを一つ教えていただいた。
そして講座の最後は永田さんの模範演技のファルーカ。エル・ファイ―コ(注:ファルーカの創始者)の流れをくむ正統派のファルーカに、受講生も私も圧倒された。
終了後は全員で記念撮影。永田さんの提案でポーズを決めた写真も。
(私だけやってない……)(笑)
その後、ビールやワインを飲みながら少しカフェで歓談した後、まだ時間の大丈夫な人は、下北沢「王さんの菜館」に夕食&打ち上げに出かけた。総勢7名。まずは乾杯。
上海風豆苗炒め、きゅうりと干し豆腐の和え物、水餃子、焼き餃子、腸詰、牛肉の鉄板焼き、ラムのスペアリブ焼き、川海老の唐揚げ、牡蠣と長ネギの炒め、餅の炒め、ニンニク炒飯。みんなでビールをガンガン飲んだ後、紹興酒2本開けた。
また、講座で私が並べたファルーカのキーワードをみんなで検討した。すなわち、「男らしさ」「冷静さ」「シリアスさ」「余計な飾りのないシンプルさ」「エレガントさ」「哀愁」「直線的な形」「キレ味」「徹頭徹尾伊達男」など。
そして、「私たち女性が踊るのは、かなり大変な曲ですね」と言う人には、永田さんが「ファルーカが大好きだったら大丈夫ですよ」と励ましてくださった。
こうして、終電がなくなる直前まで、豪快に飲んでしゃべった。
みなさま、お疲れ様でした! 永田さん、杉本さん、本当にありがとうございました!