公開講座第4回目と池袋「ライオン」での久々の打ち上げ | 野村眞里子のブログ <オラ・デル・テ>

野村眞里子のブログ <オラ・デル・テ>

ブログの説明を入力します。


昨日は淑徳大学公開講座第2期4回目の講義の日だった。

とにかく最近のバタバタ状態はハンパないので、講義の準備が間に合うかずいぶん気をもんだが――特に段ボールに詰めてしまったフラメンコ関係の資料が見つかるかヒヤヒヤでした――、なんとか間に合った。

ところが、数日前に判明した工事ミス――動力の線を切断してしまったため、前からあったエアコン3台が動かない!――の直しを、夫も私も仕事に出かける夕方から行うという連絡が来て、パニックに。

(もう人が住んでいる留守中の家の中に、工事の人が入るなんてありえないと思う。「都合が悪い」と工務店に伝えたが、結局電気屋さんが5人ぐらいで来てしまった。)(涙)

仕方なく、工事の方たちを全面的に信用して出発することになってしまった。

昨日の講座は「フラメンコの踊り(バイレ)」がテーマだった。以下は昨日のだいたいの流れ。

1. フラメンコの踊りの起源

スペイン舞踊は、「フラメンコ」「エスクエラ・ボレーラ」「古典舞踊」「民族舞踊」の4つからなる。つまり、「スペイン舞踊=フラメンコ」ではなく、「フラメンコ」はスペイン舞踊の1要素なのである。

フラメンコ舞踊が現在の姿に近いものになったのは、「カフェ・カンタンテ」の時代だと言われている。それまで歌を中心に発展してきたフラメンコは、「カフェ・カンタンテ」という場所ができたことにより、ギターも踊りも「見せるもの」として目覚ましい発展を遂げた。

2. 3拍子系と2拍子系

フラメンコについて語る場合、「曲名」「曲調」「調性」「曲種」「リズム」などで区別することができる。

●曲名
「アルモライマ」「オロブロイ」「ベルデ」など、作詞家やミュージシャンがつけたオリジナルのもの。

●曲調
大きく分けて「明るく楽しげなもの」と「暗くドラマ性のあるもの」に分けられる。

●調性
長調、短調、ミの旋法がこれにあたる。

●曲種
「アレグリアス」「ソレアレス」「シギリージャ」「ブレリアス」「タンゴス」……など、フラメンコの場合この曲種(パロ)で呼ばれることが一般的。

●リズム
リズムは大きく分けると、3拍子系と2拍子系の2つがある。3拍子系は、「ソレアレス」「アレグリアス」「セビジャーナス」「ブレリアス」「シギリージャス」など。(「ブレリアス」は12拍子、「シギリージャス」は5拍子と言われたりもする。)2拍子系は、「タンゴス」「ティエントス」「タラントス」など。(「ティエントス」や「タラントス」は4拍子と言われる。)

3. コンパスの話

フラメンコ独自のリズムパターンを「コンパス」と言う。フラメンコにとってきわめて大切なものであり、ギター、歌、踊りのそれぞれのアーティストをつなぐ共通の「言語」のようなものである。

3拍子系の曲は、一般的に12拍で1コンパスとなり、2拍子系の曲は8拍で1コンパスとなる。このコンパスがいくつもつながって、フラメンコの曲となる。

「ブレリアス」「アレグリアス」「セビジャーナス」「タンゴス」などの基本リズムを図で説明。また、「シギリージャス」の「5拍子」の数え方も実践した。

4. 踊りの技法

フラメンコ舞踊独特の技法には、「姿勢」「腕と手首の動き」「足の動き」「手拍子」「指鳴らし」「回転」などがある。それらの注意点をまとめた資料を読み、サパテアードのわかりづらいものについては実際にやってみた。(ラティゴ、チャフラン、カレティージャなど。)

また、パルマ(手拍子)とピト(指鳴らし)は全員にやっていただいた。パルマは、「ソルダ(こもった音)」も「セコ(乾いた音)」もよくできていらしたが、ピトは苦しんでいらっしゃる方が多いようだった。

フラメンコには独特の回転法(ブエルタ)がある。上半身を前傾させる「ケブラダ」と呼ばれるもの。そのほか、「片足(ピルエータ)」「両足のプランタ使い」「かかと回転」の「アン・ドゥダン(反対の足が軸足にからむもの)」と「アン・ドゥオール(反対の足が軸足にからまないもの)」の「左回転」と「右回転」、さらには「両足」の「左回転」「右回転」など。これに「ケブラダ」の「左回転」「右回転」を足すと、ざっと数えても16種類ある。

他にも、バレエ的な回転やスカート回転、サパテアードを打ちながらの回転……など、とにかくたくさんある。

この中から、昨日は「ケブラダ」と「ピルエータ」の技法を、エル・トレオ監修の教則DVD『シンプルフラメンコ』で観た。

5. 踊りの構成

個人的なバリエーションはさまざまあるものの、ほとんどの踊りは基本的な構成に共通性がある。

出だし→歌振り(一般的には1~2)→エスコビージャ(足のステップの連続部分)→3拍子系だと「ブレリアス」、2拍子系だと「タンゴス」→引っ込み

このほか、ファルセータ振り、シレンシオ(アレグリアスの場合)、カスティジャーノ(アレグリアスの場合)、ソロ・デ・ピエ(足のソロ)など。

フィン・デ・フィエスタの「ブレリアス」「タンゴス」「ルンバス」の場合は、もっと短く踊られる。また「セビジャーナス」はパターンがあるので、他の踊りと構成は大きく違っている。

6. 歴史に名を残したバイラオール/ラ

大勢の名バイラオール/ラの中から、下記の4人をとりあげ説明した。

カルメン・アマヤ(1913~1963)
グラン・アントニオ(1921~1996)
アントニオ・ガデス(1936~2004)
マリオ・マヤ(1936~2008)

7. フラメンコの踊り手にとって必要不可欠なもの

スペイン国立バレエ団の芸術監督アントニオ・ナハーロ氏によれば、フラメンコの踊り手にとって必要不可欠なものは「リズム、動きの美しさ、そして魂」だという。

この「直球」の言葉に、受講生のみなさんも私も感激。

8. You Tube、DVD、CD鑑賞

下記を鑑賞した。
『バルセロナ物語』より、カルメン・アマヤが「ブレリア」を踊るシーン(You Tube)
『アントニオ・ガデス ~その人生と舞踊の倫理~』より、冒頭の10分ほど(DVD)
『Kikudake Flamenco』の「ソレア」より(CD)
『Solo Compás』の「アレグリアス」より(CD)

カルメン・アマヤの「ブレリア」はとにかく何度見てもすごい! よろしければ、こちらをぜひご覧ください。







『アントニオ・ガデス ~その人生と舞踊の倫理~』には、舞踊を志す人にとって貴重な言葉がみちている。

「私にとって舞踊とは『労働』である。」

「舞踊の倫理とは観客から拍手をもらう為に踊るのではなく
舞踊の本質を自分自身がもっと深く理解する為に踊ること
内から外にではなく
自身の内面に向かって踊ること
舞踊の倫理とは
欲を出し過ぎず
正当な報酬を得ること
学ぶ価値のある人間に教えること
努力は他人との競争の為にするものではなく
自分自身を
より高めるためのものだ
私は一生徒として死んでいく
人は皆 死ぬまで
学び続けるべきだと思う。」

講座終了後は、久々「学食」と受講生が呼んでいる「ライオン」へ。2人の受講生、IさんとSさんと私の3人。

まずは生ビールで乾杯。







お1人がお肉が苦手とおっしゃったので、新メニューも開拓することにした。

サラダ。かなり具だくさんで嬉しい。







鶏のから揚げ。やはり頼んだいつものメニュー。(笑)







おつまみピッツア。






〆は海鮮ビーフン。







会話はすべてフラメンコ。特に先週行われた『新人公演』の話では盛り上がった。

次回は、いよいよ第2期の5回目で最終回。私も気合を入れて頑張ります!

「学食」のビールとつまみ(笑)、おいしかったです。ごちそうさまでした!