一昨日は、列車でグラナダに戻るため、朝一でヘレス・デ・ラ・フロンテーラの駅へ向かった。
(それにしても、寒いし、雨だし、2度も列車を乗り換えるなんて!)
駅に着いてから窓口に駆け込んだ。そして、「いくら調整のためとはいえ、ドス・エルマナスで次の電車に乗り替える意味が分からない。寒いホームで私はなぜ1時間も待たなければいけないの? 乗り替えずに、その列車でセビージャ・サンタ・フスタまで行く方が普通じゃない?」と苦情を言った。
窓口の女性は私の3枚のチケットの不思議さを感じたらしく、上司に相談した。
「このお客様のチケットなんですけど、なぜか3枚に分かれていてグラナダまでに2度乗り替えるんです。」
「いったい、誰がこんなチケット売ったの? 馬鹿げているわ。変更してあげて!」
(売ったのはRENFEの人なんですけど…)(笑)
こうして、ドス・エルマナスで1時間、セビージャ・サンタ・フスタで1時間の待ち時間だったチケットが、セビージャ・サンタ・フスタで2時間待つだけとなった。
(2時間あれば、少しだけセビージャ市内を散策できる!)
私は駅へ戻るタクシーのことも考え、タクシープールのあるプラサ・ドゥケ・デ・ラ・ビクトリアの「エル・コルテ・イングレス」へ向かった。10時過ぎていたので、すでにデパートは開いていて、フラメンコ衣装・小物の売り場に直行した。
今年のフェリア用衣装は、黒白水玉や赤白水玉の衣装が並んでいて壮観だった。でも、飾りの花の値段を見て愕然とする。大きなお花一つのものが25.5ユーロ、小さなカーネーションなどがまとまった花が26.5ユーロ!
(とても買える値段じゃないわ。今まで持っている花を大切に使おう!)
タクシーにのり、駅に戻る。カフェで早めのランチを食べることにして、テーブル席に座った。選んだのはビールとチキンバーガー。これがけっこうおいしかった。

私が勢いよく食べていると、アジア系の女性から英語で話しかけられた。「このテーブルにごいっしょしてもいいですか?」私が「もちろんですよ」と答えると、西欧人の男性と3人で、同じテーブルを囲んで食事することになった。ちなみに、他のテーブルではどんなにスペースがあっても、相席をしているところはなかった。
食べながら、女性が「日本人ですか?」と私に聞いてきた。「はい」と答えると、その女性は嬉しそうにいろいろな話をしてくださった。自分たちは東京にずっと住んでいたが、彼の故郷のアイルランドに今は住んでいること。毎年旅行でスペインに来ること。日本語を話す機会がないため、ほとんど忘れていること…など。旅先でこうして知らない方と話すのも旅の醍醐味だ。
食後、お互いの旅の無事を祈りながら、彼女たちはカディスへ、私はグラナダへ向かった。
グラナダ駅でタクシーに乗り、プラサ・ヌエバのホテルに向かう。グラナダのピソのWi-Fiが全く使えない状態のため、公演1週間前から事務所代わりにホテルの部屋を予約することにしたのだ。毎年泊っているホテルなので、レセプションの人が大歓迎してくれた。
(ここならネットも問題なくつながるので、仕事が進む!)
すっかり安心したので、夜はすでにグラナダ入りして毎日リハーサルをしていた伊藤笑苗さんと、いっしょにタブラオに行くことにした。今回のグラナダ公演の出演者の一人で、私の旧友アントニオ・エレディア“エル・チョニーコ”さんがショーの監修をしているサクロモンテのタブラオ「Venta el Gallo」だ。
アントニオ君(笑)に「今日行くわよ」と電話をかけると、「マジ?」と大喜び。「今日は僕も出演するんだ!」
プラサ・ヌエバで笑苗さんと待ち合わせ、34番のバスに乗ってサクロモンテに向かう。昔だったら、夜普通のバスでサクロモンテに行くなんて危なくてとてもできなかったが、今はサクロモンテもアルバイシンもテーマパークと化していて、「悪い人」の数より観光客の数の方が圧倒的に多い。(笑)
中に入ると、アントニオ君はバルで私たちを待っていてくれた。公演ポスター、チラシ、お土産のチョコレートに大感激のようだった。見ると、衣装のシャツの上には、彼のお気に入りの黒字に白い水玉のスカーフをしていた。
(ずいぶん使い古してるな~。またプレゼントしなきゃ!)(笑)
注:私とアントニオ君の35年越しのスカーフ問題は、拙著『アンダルシア夢うつつ――南に着くと、そこにはフラメンコがあった』(2022、白水社)の第2章「ロマの人々 ~あの人は今~」に書いた。そして2024年1月、ようやく渡すことができたのだ。気になる方はぜひブログをご参照ください!
https://ameblo.jp/atelier-elsur/entry-12838610759.html
ショーが始まる。構成はこんな感じ。残念ながら出演者の名前はアントニオ君以外わからない。
●ギター・ソロ
●プレセンタシオン「ファンダンゴ・デ・アルバイシン」
●「タラント~タンゴ」
●「シギリージャ」
●「アレグリアス」
●ルンベーラ「ブレリア」~フィン・デ・フィエスタ「ブレリア」




たっぷり1時間のショーだった。130席超満員だったのはすごい。
アントニオ君の演奏に感激したのはもちろんのこと、わずか7~8歳の女の子が踊った「タラント~タンゴ」には舌を巻いた。足は強いし、体は柔らかいし、腰はよく動くし、表情もいっぱしだ。将来、きっとすごいバイラオーラになるに違いない。
他には「アレグリアス」を踊ったバイラオールがよかった。最後にルンベーラだったのは少し疑問だったが、途中で謎が解けた。「タラント」を踊った女の子が、普段着で「ブレリア」を踊るための「前説」に近いものだったようだ。圧倒的な「ブレリア」に、観客も大盛り上がりになった。
ショーの中心は明らかにこの女の子。彼女の踊りを出演者全員が温かく見守っているのが印象的だった。
終演後、アントニオ君は帰りを急いでいたので、笑苗さんと2人でタクシーを呼び街まで下りた。夕食に向かったのは寿司バル「ポテムキン」だ。相変わらず混んでいたが、カマレロが中に――外は雨も降って、寒すぎ!――何とか席を作ってくれた。
飲物とお寿司。餃子2種、肉と野菜。ハーフサイズにして、ミックス餃子にしてくれたようだ。焼きそば。どれも本当においしかった! そしてここにくればみゆきさんや山本海さんにも会えるのが嬉しい。




グラナダに戻ったばかりのこの日は、相当盛りだくさんな一日だった。少し疲れたかな?(笑)