アタローの読書 -22ページ目

アタローの読書

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一月があっという間に過ぎてしまいましたあんぐりうさぎ


先月読んだ本の中で「蜜蜂と遠雷」恩田陸さんがダントツに素晴らしい作品でしたとびだすうさぎ2


先月読んだ本のまとめです本


2017年2月の読書メーター


新任巡査新任巡査感想
ターミナル駅の東と西の交番にライトと成績優秀なアキラは配属される。新人巡査のライトの仕事振りがひたすらリアルに描かれライトを鍛えるベテラン係長、課長そして拾得物を着服する腐敗した同僚の存在までもがとにかくリアル。前半ライトの新人としての奮闘や交番勤務の内容がとても良く分かり後半からアキラの話に変わり新たな展開となる。2人はとんでもない目的の為に利用されていた事が明らかになり…。そしてアキラに隠されていた壮絶な過去。新人巡査の成長をしていく姿。
読了日:2月1日 著者:古野まほろ
勁草 (文芸書)勁草 (文芸書)感想
オレオレ詐欺の不気味なほど緻密な描写株をやっている老人特養ホームの順番待ちをしている家庭とターゲットも騙しのトークもころころ変え次々と餌を食べていく名簿屋掛け子受け子道具屋など詐欺グループの役割分担落ちるとこまで落ちた人間をさらに突き落としていく貧困ビジネス一度悪に足を突っ込んでしまったらもう悪でしか生きられなくなるそして負の連鎖は猛スピードで人を追い詰めていき逃げられないそんな底なし沼にはまった彼の逃亡劇にはゾッとし弱い者からお金を奪いさえすれば良いという短絡的な行動がつのる日本社会に愕然とさせられた
読了日:2月2日 著者:黒川博行
こちらあみ子 (ちくま文庫)こちらあみ子 (ちくま文庫)感想
発達障害を持っていると思われるあみ子の周囲から隔離したような不思議な視点で語られる綺麗で残酷そして繊細な物語。あみ子の言動は純粋に善意から生じたものであっても周囲の人々には奇異に移り理解されない。それどころか人を傷つけてしまったりする。周りに理解されず嘲笑されたり苛められたり無視されたりするあみ子をどこか可哀想だと感じた。社会的には酷く非力に思えるがあみ子は野生動物のように自由で力強くとても静かに繊細に描かれているのに強烈なパンチをくらったような衝撃を感じた。
読了日:2月3日 著者:今村夏子
堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
人を喰う蟹女、大蛇などが登場ミステリーと言うよりホラーに近い印象。老人の奇妙な密室での殺人の仕業や連続殺人の被害者の名前を組み替えると悪魔の名前になる、この破茶滅茶な展開で終わるのかと思えばしっかり理論だった驚きの結末も用意されている。摩訶不思議に描かれていた過去の殺人。中学生の少年を語り手に閉鎖的な田舎町とそこに暮らす人々が克明に描かれ懐かしき日本の風景を突き抜けて異界・魔界のレベルにまでいってしまう。一際妖しいヒロインと少年の純愛が次第に形になり壮絶なドタバタの末には胸締め付けられる不思議なラスト。
読了日:2月6日 著者:飛鳥部勝則
悪いものが、来ませんように (角川文庫)悪いものが、来ませんように (角川文庫)感想
子育てに奮闘する奈津子と子供に恵まれない紗英の2人をメインに展開する。奈津子は子育てに悩みボランティア仲間ともうまく打ち解けられないと様々な悩みを抱えている。紗英は子供が欲しいが恵まれず夫の浮気や態度と頭を悩ませている。そんな2人は仲良しだが奈津子は紗英の夫を殺害してしまい何故奈津子は紗英の夫を殺害したのか?そして奈津子と紗英の関係とは?世間を騒がせた水戸市婿殺し遺棄事件の全貌が奈津子の供述や関係者のコメントを交えて明らかになる。現代的な事件である本書そして改めて人間の業というものを考えさせられた。
読了日:2月7日 著者:芦沢央
【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)感想
日本がんセンターに勤務する夏目と羽島は末期がんで余命半年と診断したシングルマザーが完全寛解したという。夏目が書いた診断書により保険給付金を受け取った末期がんの患者の内完全寛解したケースはこのシングルマザーを含め4人いると告げられ、そんなことはありえないと思い謎を解いていく。そして友人である保険会社員の森川も加わりふたつの大きな謎を追うことになる。ひとつは貧しく不幸な境遇の人が保険に入ってすぐに末期がんと診断されリビングニーズ保険金を受け取った後がんが完治しているケースが続いていること。
読了日:2月7日 著者:岩木一麻
殺し屋、やってます。殺し屋、やってます。感想
コンサルティング会社を営む富澤充、彼には裏の仕事があった。650万円の料金で人殺しを請け負う殺し屋。依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断、引き受けた場合原則2週間以内に実行する。ビジネスライクに仕事をこなす富澤。だが標的の奇妙な行動が気になる。何故深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか?独身のはずの男性が何故紙おむつを買って帰るのか?任務遂行に支障はないが、その謎を放っておけない殺し屋が解く日常の謎。設定からして面白い。
読了日:2月8日 著者:石持浅海
総司の夢総司の夢感想
沖田総司の主観に基づいて描かれた小説。総司は天才ゆえか何処か欠落したようなところがある。仲間をからかう事もあるが素直で思いやりのある青年。最大の関心事は剣において強さを極める事。政治にも出世にも全く興味がなく総司の事を無欲と評するが本人は剣にかけては強欲な自分と自覚している。そんな総司も様々な出来事に遭遇し多くの出会いと別れを繰り返すうちに否応なく考える事が多くなる。終盤に労咳を発病して以降それでも戦列に残りたいまだ生きていたいと強く願い続けた事が心境の変化をもたらす。
読了日:2月9日 著者:小松エメル
ある奴隷少女に起こった出来事ある奴隷少女に起こった出来事感想
リンダは米国ノースカロライナ州で奴隷として生まれる。少女時代は親切な女主人のもとで幸せに暮らすが女主人が亡くなり新しい主人は奴隷を人として扱わず衣食にも困りリンダの運命は暗転する。さらに惨いことが、新しい主人はリンダに性的虐待を与えるようになる。リンダは人間としての尊厳、奴隷に人格などない奴隷は主人の思うままにしてもいいと粉々に砕かれる。どうにかして自由を手に入れたくリンダは命を賭け逃亡することに。理不尽なことだらけの毎日が生々しく描かれ人生を切り開いていくリンダの姿には圧巻と共に感動した。
読了日:2月10日 著者:ハリエット・アン・ジェイコブズ
誰のための綾織 (ミステリー・リーグ)誰のための綾織 (ミステリー・リーグ)感想
作家の飛鳥部と編集者の稲毛は推理物の禁じ手について議論を続けていた。やがて飛鳥部の教え子の女子高生が書いた原稿が話題に上る。それは書いた女子高生の鹿取モネと友人達そして女教師が拉致され本土から離れた孤島に監禁された事件の顚末を描いた蛭女という題名の作品だった。睡眠薬で眠らされ孤島の屋敷で目覚めたモネ達の前に屋敷の主が姿を現す。それはモネ達が蛭女と呼んでいじめを繰り返し自殺に追いやった同級生三識瞳の家族だった。モネ達が厳しい追求を受けたその夜殺人事件が…。新潟県中越地震という現実の事件が取り込まれていて
読了日:2月10日 著者:飛鳥部勝則
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
バグダッドからイギリスへ帰る道中砂漠の真ん中で足止めされたジョーン。ジョーンがずっと自分で自分を騙してきたかもしれないことに、そして家族や友人の中で自分だけが気づいていなかったことに砂漠での足止めされた時間の中で思い当たりそれを認める恐さに直面出来ず自分が良き妻であり良き母てあり幸せな家庭は自分の寄るところが大きいとまで自負していた思いとは逆の立場からしかものを見てこず自己満足に陥り愛する者達に取り返しのつかない行為をしてきたのかもしれないという考えに思い至る。
読了日:2月11日 著者:アガサ・クリスティー
私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿感想
雑誌編集者・日枝真樹子ことニーチェ女史が遭遇する不思議な出来事。ニーチェ女史が経験した不思議な出来事が上宮博物学研究所の主任研究員・栖大智によって解き明かされる。ニーチェ女史が自分の幽霊を見てしまう「私の幽霊」自分が女の子と遊んでいることを覚えていない「きのう遊んだ子」失踪した不幸な運命に翻弄された女性作家を探す「テンビンガミ」など。どの事件も現代の常識で解き明かせない。栖大智という人物も詳細に語られていない謎の人物。続編を期待したい。
読了日:2月12日 著者:朱川湊人
スキン・コレクタースキン・コレクター感想
ライムシリーズ第11弾!インクの代わりに毒のタトゥーを彫り謎めいたメッセージを残す犯人のスキン・コレクターは何を仄めかしているのか。現場に残されたボーン・コレクター事件に関する証拠は何を示すのか。獄中死したウォッチメイカーの死に関わる潜入捜査を指揮するリンカーンはボーン・コレクター事件に関心を持ちリンカーンの捜査方法を知った上で捜査の手をすり抜け皮膚に執着する犯人スキン・コレクターの事件を抱えることに。リンカーンやアメリア達と犯人であるビリーの視点が切り替わるのが緊張感を増す。
読了日:2月13日 著者:ジェフリーディーヴァー
痣 (文芸書)痣 (文芸書)感想
真壁は警視庁捜査一課にいた1年前に妻を殺された。1年後真壁は南青梅警察署奥多摩分署の刑事課で退職の日を待っていた。分署長の伊丹の息子は同じ捜査一課だったが1年3ヶ月前に行方不明。分署管内の村道脇で女性の全裸死体が見つかったという緊急通報が入る。相方の宮下と現場へ行き被害者の死因は溺死で遺棄される前に冷凍されたらしい、そして心臓に近い辺りに小さな赤茶色の傷跡があった。大がかりな特捜本部が立つが何の進展もないままに2つ目の死体が。やはり女性で前の死体と状況が酷似していたが遺体がつけていたネックレスに見覚えが。
読了日:2月14日 著者:伊岡瞬