アタローの読書 -23ページ目

アタローの読書

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2017年1月の読書メーター

ゴースト・スナイパーゴースト・スナイパー感想
第10弾!次の手術に備え医師を待ちわびていたリンカーンの元を訪れたのはニューヨーク州地方検事補のナンス。徹底した反米主義の政治活動家モレノがバハマにある高級リゾートホテルで2000メートルの彼方から狙撃され殺害された。モレノはテロリストではなくアメリカの諜報運用局(NIOS)によって暗殺されたがテロリストではなくメッガー長官による独断と偏見による暗殺指令だった事が内部告発により判明。メッガーと暗殺実行者のスナイパーを捕らえたいのでリンカーンとアメリアに捜査に加わってほしいと依頼される。⬇︎
読了日:1月17日 著者:ジェフリーディーヴァー
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)感想
18世紀ロンドン外科医ダニエルの解剖室に突如現れた四肢の切断された少年と顔を潰された男性の屍体。そしてその事件の裏に見え隠れするのは、ある詩人志望の少年と幻の稀覯本。本書を読んでいると時間軸の使い方が巧く時には過去の出来事にまで遡りながらやがて見えてくる事件の全貌。退廃的な雰囲気漂う猥雑な街ロンドンと美しき弟子達の対比がとても印象的。ラストのラストまで二転三転する展開には気が抜けなく面白かった。
読了日:1月17日 著者:皆川博子
アルモニカ・ディアボリカ (ハヤカワ文庫JA)アルモニカ・ディアボリカ (ハヤカワ文庫JA)感想
事件を起こした事によって出奔した3人のその後と彼らの内の1人ナイジェルの数奇な人生が明らかにされ警察機構がまだなかった時代のイギリスにおける権力を持たない人達の苛酷な人生が辛かった。実在した人物と楽器アルモニカに絡めたミステリー。複雑なトリックそして前作でエドと共に消えたナイジェルの生い立ちが悲惨で切なく哀しい。同性愛を彷彿とさせるエドへ向けてのメモが哀愁を感じさせる。⬇︎
読了日:1月19日 著者:皆川博子
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)感想
男性社会がまだ強い巨大な警察組織で女性であることを主張し生きる刑事・村上緑子。緑子のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。やがて殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追うその過程で次々と男性と関係を持つ緑子。女性刑事に対する偏見が残る男性優位の警察組織の中でもがく緑子。同じ女性としては?と思うが潔さが逆にカッコよく緑子の凄さには心動かされた。
読了日:1月19日 著者:柴田よしき
おそろし 三島屋変調百物語事始おそろし 三島屋変調百物語事始感想
江戸の叔父夫婦の袋物屋のもとへ身を寄せているおちかはある事件の為に他人には言えない深い心の傷を抱えていた。叔父はおちかの為に百物語を集める事を思いつき不思議で恐ろしい話を語りに来る客達の相手をさせる。彼らの話を聞くうちにおちかは少しずつ自分の辛い過去と向き合う事が出来るようになるが知らない間にこの世のものではないものに気に入られてしまい…。それと決着を付ける為に対決する覚悟を決め敵地へ乗り込むそんなおちかを助けたのは百物語を通して縁を持った人々だった。⬇︎
読了日:1月20日 著者:宮部みゆき
Dの殺人事件、まことに恐ろしきはDの殺人事件、まことに恐ろしきは感想
江戸川乱歩の作品を現代版に取り入れたりアレンジした短編集。「椅子人間」涼花は小噺子萌音というペンネームの人気作家。そんな彼女に接触禁止になっていたはずの元彼・明日路からメールが届く。涼花の作品のアイデアは実は明日路のものであり…彼からのメールはどんどん過激になり終いには涼花が愛用する椅子の中から彼女を観察していると言い出し…ラストで2度びっくりさせられる作品。表題作の話はタイトル通りまことに恐ろしきはというブラックなオチ。乱歩の作品をアレンジした作品集であり乱歩のもとの簡単な紹介もあるのでより一層楽しめた
読了日:1月21日 著者:歌野晶午
青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
切断された青い電飾が撒き散らされた3つの殺人事件はブルーライト連続殺人と呼ばれるようになる。犯人の目的は何か、遺体の側に撒かれたクリスマスの青い電飾の意味とは?作家でもある草壁ユナが所長を務めるブルーライト探偵社、名前の一致は偶然なのか?連続殺人と時を同じくして友人の秋子から届いた「ユナ、助けて」というメール。イタリア旅行に行ったはずの秋子は飛行機に搭乗していなかった。連続殺人事件は被害者同士に全く関連性がなく容疑者として挙がってくる人物に全く動機が見当たらない。⬇︎
読了日:1月22日 著者:柴田よしき
よるのばけものよるのばけもの感想
昼の学校生活という夜化物になった安達という矢野を交互に展開していく。安達は毎晩化物の姿になるが、その姿は本人の想像次第で自由自在に変化したり操ったり出来そして幾度となくこの能力で問題を解決していく。学校でのヒエラルキーや直接的な暴力でなく陰湿なイジメがリアルに感じられ暗い感じかと思いきや矢野の明るく間の抜けた雰囲気も良く全体的にはスッキリとした作品だった。腹の中に黒いものを抱える人間の姿をした安達と化物の姿でも普通に矢野と接する安達どちらが人間でどちらが化物なのか?
読了日:1月23日 著者:住野よる
女子的生活女子的生活感想
体は男子、性欲は男子、格好は女子決して女装が好きではないセクシャルマイノリティーな主人公。性別を超えてハッキリきっぱりそしてしっかり賢く戦いながら生きる。女子的描写がとても上手に描かれていて坂木さんは女性と思わず思ってしまうほど女性のことをよく分かって描かれ違和感なく爽快に読めた。
読了日:1月24日 著者:坂木司
罪のあとさき罪のあとさき感想
中学2年14歳の時に教室で起きた同級生が同じ同級生の友達を小刀で殺傷し死に至らしめてしまう事件。生徒がいる教室の中での凶行長野県の小さな社会に衝撃を与えた。事件から十何年後その場にいた楓は横浜の家具工房で犯人と偶然会う。14歳の不意の別れから正雄との再会。物語は楓の視点から見た断片的に語られる当時の様子と正雄の視点で描かれる詳細な様子が描かれ事件後の正雄に対する世間の噂と正雄が語る真相。楓の中学から横浜に住む今現在までが効果的に描かれ2つの物語を同時に読んでいるかのような印象を持った。
読了日:1月25日 著者:畑野智美
殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)感想
自殺した無名の画家が2枚の油絵に描いた主題、その画家が巻き込まれた20年前の殺人事件の真相。(犯人が1つの凶器でほぼ同時に2つの密室殺人を可能にしたトリック)これらの謎を解くのが主になっている。そして中年男性とミステリアスな若い女性の悲恋ものでもある。読んでいて巧いなぁと思ったのは作品の構成、図像学とミステリーの調和。真相を見出そうと検証することになる絵がとても奇妙で妖しく薄気味悪いのに惹かれてしまう。強烈に記憶に残る作品興味深かった。
読了日:1月26日 著者:飛鳥部勝則
殺人鬼  ‐‐覚醒篇 (角川文庫)殺人鬼 ‐‐覚醒篇 (角川文庫)感想
双葉山にキャンプに来た男女8名に正体不明の殺人鬼が襲いかかる。動機など何もない、ただ殺したいという衝動があるだけ無差別に抵抗なく無残に殺されていく。理不尽な暴力、残虐、殺人と生々しい。作者が仕掛けたトリックとは?登場人物の名前や兄弟の名前が多くただの殺人鬼かと思っていたが本書には周到な罠が仕掛けられている。各章のタイトルにこんな意味があったとは。物凄く怖くて描写がグロいのだが目が離せず一気読みだった。
読了日:1月26日 著者:綾辻行人
殺人鬼  ‐‐逆襲篇 (角川文庫)殺人鬼 ‐‐逆襲篇 (角川文庫)感想
殺人鬼の続編!前作の殺人鬼が山から町の病院へ降りて来る。殺意と暴力、理不尽な死を撒き散らしながら。今作は殺人鬼と戦うことになる真実哉少年。自らの目が他人の目と同化してしまう能力を持つ少年が殺人鬼の目と同化してしまい、いかにして殺人鬼を倒すのか。真実哉少年の奮闘の末に明かされる驚愕の真実。ミステリーとしてはホラーの方が強く、心の中の風景の描写は幻想小説のようでまた違った趣があった。
読了日:1月27日 著者:綾辻行人
イアリー 見えない顔イアリー 見えない顔感想
妻の葬儀があった夜に見知らぬ女の訪問「奥様、ご在宅でしょうか?」から主人公である大学教授の身の回りで不審な出来事が相次ぐ。大学総長選挙にも巻き込まれ怪文書まで飛び出す総長選の舞台裏がリアリティに描かれて綴られていく。そして近隣トラブルとの関係性まで見え出し驚愕の真相へと。気付かないうちに日常が侵食されているかもしれない恐怖怖かった。
読了日:1月27日 著者:前川裕
偶然屋偶然屋感想
里美は司法試験を目指してから司法浪人を2年する頃には自分の能力不足を思い知り就活するが厳しい状況。ある日ふと目に留まったアシスタントディレクターの募集の求人広告に早速応募、就職試験の場所としてパチンコ屋に。里美が働く所は偶然屋と呼ばれている事務所そしてアクシデントディレクターとして働く。息子を交通事故で喪った女性、ある女性との出会いを演出してほしいという依頼人、教育実習生の大学生にクラスを二分された中学生などなど。この話に関わった人々が次々と死んでいくのだが全てある人物による仕組まれたものだった。
読了日:1月28日 著者:七尾与史
霧 ウラル霧 ウラル感想
珠生は地元の大企業・河之辺水産の次女。彼女は実家と相容れないものがあり家を出芸者として生計を立てている。珠生は客のヤクザと関係ができ結婚、一家を構えロシア領海で違法操業する漁業を生業とし外に出きた女や子供に悩みながらも珠生は一家の姐さんとしての覚悟を決めていく。その頃珠生の姉は地元の運輸会社に嫁ぎ事業力のある姉は地元で地歩を固め亭主を議員に当選させ影から支配する大物になる。ヤクザ、地元の企業、地元の銀行が結束し自らの利権を共同で確保するかのように思われたが最終的に裏切られ殺されてしまうヤクザ。
読了日:1月29日 著者:桜木紫乃
マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)感想
ビストロ・パ・マルシリーズ最新作!フランスの地方を回り郷土色豊かな各地の味を自分のものにしてきた三舟の出す料理は美味。さりげなく語られる蘊蓄も楽しくアルザスの名物鍋やフレンチ・アルプス地方のパンに隠された秘密が人と人との心を結ぶ役割を果たしたり自分と店を火遊びのアリバイ作りに使われいつになく厳しく客に接する三舟シェフ。珍らしく後味にほろ苦いものが残る一篇は人に喜んでもらいたいという一心がかえって相手の心を傷つけていたりと人間関係の難しさが描かれている。
読了日:1月31日 著者:近藤史恵
阿蘭陀西鶴阿蘭陀西鶴感想
全盲のおあいは亡くなった母親から生きていく為の知恵を教え込まれ料理も裁縫も得意。西鶴は自分勝手で見栄っ張りではた迷惑な困った男。おあいはそんな父が嫌だったが父と淡路へ旅をしたことをきっかけに父への想いが変わり始め次第に通じあう。西鶴の描き方も魅力的で俳諧師から草紙作家への変身の面白さ。西鶴の多面性が見事に描かれている。おあいの女中お玉その夫で俳諧師の団水と生身の人間として描かれているのが素晴らしい。娘を想う父親の不器用な愛、おあいの生きるこの世は音と匂いと手触りで出来ていたという表現。読み応えがあり満足。
読了日:1月31日 著者:朝井まかて

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