アタローの読書 -19ページ目

アタローの読書

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2017年3月の読書メーター

悪母悪母感想
奈江はママ友メンバーとLINEのやり取りをしている。少し引っ込み思案の娘の幼稚園入園の為の見学に行くがそこで奈江達がいじめをしていたという嫌がらせのメールが届いていてトラブルを恐れた近場の幼稚園や保育園から入園を拒否されてしまう仕方なく遠くの幼稚園に通わせることにそして小学校のお受験が始まり娘は有名小学校を受けるがそこにもまたママ友の陰謀が渦巻いていた。中々ママ友が出来ない奈江、奈江しか知らない情報を漏らすTwitterが…奈江はどんどん孤立していく。同じLINEグループから誰かをバブることで作られた結束
読了日:3月17日 著者:春口裕子
サイコパス (文春新書)サイコパス (文春新書)感想
サイコパスとは平気で嘘をつき嘘がばれても堂々としていて自分は悲劇の被害者であるかのように振る舞いトークも巧みで人を魅了しその悪事が露見してもあの人は悪い人じゃないとかばう人間が続出するそんな人物のことだそう。サイコパスは犯罪者とは限らず歴史上大きな変革を成し遂げた人物、織田信長や毛沢東もサイコパスだったのではないかとされている。そして意外にも聖女として有名なマザー・テレサもそうではなかったかと、彼女は総体的な人類愛を説く事には熱心だったが個々の貧民には冷淡だったそう。意外に興味深い内容だった。
読了日:3月18日 著者:中野信子
炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)感想
蒼路の旅人から登場し怪しく活躍したヒュウゴの生い立ちを描いた話と15歳の時のバルサの話。ヒュウゴはチャグムやバルサの住む新ヨゴ皇国を攻めるタルシュ帝国の密偵。しかし新ヨゴ皇国と縁の深いヨゴ皇国の武人階級の出身だった。だがタルシュがヨゴ皇国を占領その侵攻で母と妹をタルシュ兵に殺される。ヒュウゴは間一髪で逃げ怪我をしたところ不思議な少女リュアンに助けられる。現実世界と対をなす異世界ナユグを見る事が出来るリュアンは口が聞けない為ナユグの生物タラムを通じてヒュウゴと心を交わし合わせる。
読了日:3月19日 著者:上橋菜穂子
象と耳鳴り象と耳鳴り感想
主人公は六番目の小夜子に登場した関根秋の父親で裁判官を退官した関根多佳雄。退職して暇を持て余す一方ミステリーが好きな彼が身の回りに起こった出来事を推理する連作短編集。象を見ると耳鳴りがするという老婦人の言葉から意外な真実を導き出す表題作と謎と推論の面白さに満ちたミステリー。わずかな手掛かりをこねくり回し真相を看破しようとする楽しさがあり物語の中に毒が含まれ提示された解答も結局は仮設にすぎず真相は曖昧模糊という趣向。
読了日:3月20日 著者:恩田陸
狩人の悪夢狩人の悪夢感想
日本のスティーブン・キングと呼ばれるホラー作家白布施と対談したアリスは彼の亡くなったアシスタントの友人の殺害事件に巻き込まれ…。今作はクローズドサークルの殺人。手首を切断され持ち去られた女性の死体に壁に押された血の手形という現場。そして火村を狩人に見立て獲物である犯人と一対一の構図へと持ち込む。犯人に推理を聞かせる中でロジックによって八方塞がりの状況へと追い込む正にハンティング。悪夢というテーマに因んで悪夢しか見た事がない男性、夜な夜な徘徊する夢遊病者という人間を事件関係者として配置したり面白かった。
読了日:3月22日 著者:有栖川有栖
予告された殺人の記録 (新潮文庫)予告された殺人の記録 (新潮文庫)感想
ある村で実際に起きた怨恨殺人事件を基に語り手である私を村のひとりとして27年前の出来事を回想する形で描かれている。様々な偶然と不運がどうしようもない形で重なり最後の最後まで何故彼が死ななければならなかったのかについて結局は明確な答えが導かれないままナサールは惨殺される。殺人の暴力的な描写で話は締められる為読後には底気味の悪さだけが残る。ナサールの死をかなり早い時期からほのめかし小さな村で住む人々の心理と行動の描写と人間観察と読者を最後まで惹きつけこの物語の事が頭を離れないくらい印象的だった。
読了日:3月23日 著者:G.ガルシア=マルケス
完璧な母親 (幻冬舎文庫)完璧な母親 (幻冬舎文庫)感想
誕生日の度に死んだ長男の年齢まで言わせケーキには長男が生きていたらなったであろう歳の数だけローソクを立てる。妹は母親にとって死んだ長男と自分を繋ぐ存在でしかない。だがどんな時も母親が見ているのは死んだ長男でしかないと分かってしまったら…。波琉子は何故自分が生きているのかも分からなくなってしまうだろ。家族という場所は最後の逃げ場になり得る場所で絶対的に自分の味方でいてくれる人がそこにいる。なのに家族そのものが自分の存在を否定する場所になってしまったとしたら。家族をテーマにしたホラー色のある内容。
読了日:3月24日 著者:まさきとしか
カウントダウンカウントダウン感想
エッセイストとして有名になった作家の亜希子が余命半年を宣告され終活を行うことに。50歳死ぬにはやや早いが事実を受け入れ自分の人生を理想通りに終わらせるためこれまでの恥部を必死に整理していく。終活を機に妹、元夫、母親との因縁や確執が浮き彫りになっていく。そして不幸のどん底へ…。ちょっと物足りない終わり方だった。
読了日:3月25日 著者:真梨幸子
また次の春へまた次の春へ感想
重いのでもなく悲しいだけでもなく切なさもあり何かきっと言葉に出来ないものが読んだ私にも残る。3.11東日本大震災の内容が盛り込まれ死をただ悲しいというもので終わらせるのでもなく悲しみの中にも少し光を見出すような心の奥の方に届く感じがした。
読了日:3月26日 著者:重松清
蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)感想
30歳過ぎても定職に就けずにいる猿渡と怪奇小説家の伯爵。このコンビである伯爵の取材に猿渡が同行し起きた事件や騒動が描かれていく。これが土俗的な怪奇や不気味な空気感に満ちていて得体の知れないゾクッとする恐怖を味わうことが出来た。猿渡と伯爵の会話のやり取りは楽しいしグルメの描写も細かなほど登場するのも良く面白い。
読了日:3月26日 著者:津原泰水
オイディプスの檻 犯罪心理分析班 (富士見L文庫)オイディプスの檻 犯罪心理分析班 (富士見L文庫)感想
警視庁捜査一課の新米刑事の小春と警察庁科学警察研究所捜査支援研究室のプロファイラーの土岐田とコンビを組み女子高生失踪事件の調査を始める。土岐田は眉目秀麗で頭脳明晰だがコミュニケーションが全く取れない。小春は土岐田に振り回されっぱなし。土岐田の仲間である塚本やエイジも加わり事件の解明に。犯人は意外な思いもよらない人物だったという展開で面白かった。是非シリーズ化してほしい。
読了日:3月28日 著者:佐藤青南
どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉 (講談社文庫)どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉 (講談社文庫)感想
叙述トリックを駆使した読者への挑戦状がついた短編集5話。主人公は綾辻氏本人、謎の人物U君が持ち込む犯人当ての草稿に綾辻氏が挑戦する。「伊園家の崩壊」は国民的アニメのパロディ、内容はドロドロで後味が悪いがブラックユーモアを感じる。短編それぞれの意外な結末に満足出来る短編集。自分はどれも犯人を当てることは出来なかったが賛否両論あるだろう短編見事にすがすがしく騙された。
読了日:3月29日 著者:綾辻行人
神様の裏の顔 (角川文庫)神様の裏の顔 (角川文庫)感想
元教師の坪井が亡くなりその通夜に集まった人達。遺された娘達と通夜に参列した人達が亡くなった人を回想する形で次々と視点が変わっていく。坪井の長女晴美、次女友美、坪井の教え子斎木、元同僚教師の根岸、坪井の隣人香村、鮎川、寺島の7人が語り手で次々に変わる。それぞれが故人は良い人だったと回想するのだがその内に疑問を持ち通夜で話してるのを小耳に挟んだ人が次々と話に加わり神様だと思っていた故人に犯罪者という裏の顔があったのではと疑惑が持ち上がる。よくよく話していく内に事態は反転しラストでの驚愕とユーモアあり面白い
読了日:3月30日 著者:藤崎翔
私の家では何も起こらない (文庫ダ・ヴィンチ)私の家では何も起こらない (文庫ダ・ヴィンチ)感想
街外れの小さな丘の上に建つ古い家で私は暮らしている。この家には過去いくつかの事件があり幽霊屋敷と呼ばれその調査を希望し訪ねて来る人もいる。だがそれ以外にもこの家を騒がす存在がいるそれは…。複数の主人公の視点である家の歴史と事件が語られていく。赤ん坊が生まれたばかりの夫婦、虐待された子供達、秘められた過去を持つ姉妹が犠牲になった。それでもその家は人を惹きつけ又新たな犠牲者を生んでいく。端正で優雅なホラー面白かった。
読了日:3月31日 著者:恩田陸

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