か「」く「」し「」ご「」と「の感想同じ高校に通う5人の物語。この5人には他人には言えない「かくしごと」が、人の感情の動きが記号的に見る事が出来るという。友人達の気持ちが視えてしまう為複雑な思いを抱える高校生達。5人は最初から仲良しという訳でもなく様々な出来事を通し段々と友情が深まっていった。そして描かれているのはごくごくありふれた恋や友情に悩む高校生。誰にだって言えないことはあるし、その事にぐるぐる1人で悩み続ける事はないのだと柔らかく教えてくれる物語だった。タイトルであるかくしごとにはラストでもう1つの別の意味があるのが解る。
読了日:06月16日 著者:住野 よる
サイレント・マイノリティ 難民調査官の感想シリア人の難民認定にあたる如月玲奈と高杉。インタビューしたシリア人の父と13歳の娘、別々に聴取するが2人の主張が全くの正反対の事実に驚く。困惑した玲奈は元調査官で今はジャーナリストとしてシリアに滞在している先輩の長谷部にシリア情勢を聞く。難民認定にあたる玲奈達、新宿で起きたシリア人殺害事件とシリアで取材する長谷部の苦悩を描き差別主義者と対峙する正義を振りかざすジャーナリスト山口の姿を散りばめていく。シリア情勢の複雑さ難民問題の難しさも考えさせられミステリも加わった読み応えのある内容だった。
読了日:06月17日 著者:下村 敦史
その鏡は嘘をつく (講談社文庫)の感想表向きは自殺として父を失った検事の志藤はいつか父の敵をとる為に検事になった。事件は最初ありきたりな自殺だと考えられていた。殺された医師は電車内で痴漢行為をしたと被害者から訴えられ警察で取り調べを受けていた。志藤も取り調べた一人だった。その時の様子から志藤は自殺するような人間ではないと直感する。夏目刑事は被害者に寄り添うような捜査はこの物語でも健在。誰かに必要とされること自分にも価値があると思えること自分の存在を否定されないこと大切なものは命、夏目刑事の言葉はとても重くそしてとても温かい。
読了日:06月18日 著者:薬丸 岳
彼女の色に届くまでの感想画廊の息子で画家を目指している礼と同学年の美少女桜の高校時代から大学を卒業し社会人になるまでを描いた連作短編集。美術館の密室状態の展示室で有名画家の作品が損壊されるという事件、芸大の学生の時は密室状態の学内の部屋の放火事件、卒業後は礼の父親が営む画廊で絵画盗難事件と。全ての事件は終わっておらず最後の事件が解決したと思いきやあるもののせいで今までの事件の真相が全て覆されてしまう。そして桜の驚きの秘密までも明らかになる。⬇︎
読了日:06月20日 著者:似鳥 鶏
ドクター・デスの遺産の感想犬養隼人シリーズ第4弾。8歳の少年から警察庁の通信指令センターに「悪いお医者さんが来てお父さんを殺した」という電話がかかってきた。イタズラと思われたが捜査一課の高千穂は少年の訴えを聞きと少年の所へ行き母親の証言の食い違いに疑問を持つそして死亡診断書を書いた医師の前に別の医者が訪れていたことが明らかになる社会問題な事件それも今作は安楽死がテーマ大切な人の命をを前にして何をしてあげられるのか?法は守らなきゃいけないと思う反面楽にしてあげたいと思う終末期医療とても難しい問題だ。犬養が事件後に語る言葉が重く難しい
読了日:06月21日 著者:中山 七里
重力ピエロ (新潮文庫)の感想父・兄・当事者である弟そして亡くなってしまった母それぞれの立場で精一杯の家族への愛を体現している登場人物。家族とは何だろう?優しい視点と互いを思いやる姿は事件の裏側に潜む理不尽な出来事をも包み込んであたたかい。ときに暴発してしまう苛立ちにもひたすらに思いつめていく思いにも春の純粋さが垣間見える。すべてを自分の中に押し込めて生きる春。不安を感じながらも春に寄り添い守ろうとする泉水。兄弟がどんな明日を迎えるのかはっきりとは描かれないまま本作は終わっているが爽やかな余韻のする作品だった。
読了日:06月22日 著者:伊坂 幸太郎
盗まれて (中公文庫)の感想手紙と電話を巡る短編集。生身の人間による恐ろしさを描いた作品集。さらりと読むと見過ごしてしまうようなさりげない恐ろしさ、でもそこには悪意が存在する。さらりと見過ごしてしまうような犯罪がこの世にはどれくらいあるのだろうか?そう考えるとさらに恐ろしさが増していく。内容に関しては触れないでおく。短編という形式の上読んで解って初めてざわわわわわ〜となる。
読了日:06月23日 著者:今邑 彩
殺人鬼ゾディアック――犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-3)の感想自分を捨てた父親を探したら殺人鬼だった。赤ん坊の時に捨てたれ養父母に育てられたゲーリー。成人後に実母と再会、実父の事を調べていくうちにゾディアック事件の犯人ではないかと気づく。親戚や友人、捜査関係者から聴き取りをし実父ヴァンの生い立ち誘拐同然に14歳の実母と結婚し子供が生まれて捨てるまでゾディアック事件の社会背景や経緯、実父は犯人ではないかと疑い調べていく過程が丹念に描かれている。実際にはまだヴァンが犯人だと確定されたわけではないよう。他の犯罪だけ見ても明らかにサイコパスで犯人であってもおかしくないと思う
読了日:06月24日 著者:ゲーリー・L・スチュワート,スーザン・ムスタファ
ピエロがいる街の感想静岡県東部にある兜市、財政難に問題が山積みの市政に奮闘する。市長を間近で見る秘書の比南子。夜になると街に現れ市民の悩みを解決するピエロと助手の稜。大きな謎が2つピエロの正体?殺人事件の真相は?ピエロはあの人だと思ったが罠にはまり…。ピエロの助手になる大学生の稜は自分が何をやりたいのか見つけられずにいる。そして出会う人達に何故その職業に就いたのかと訪ねるが人には人のそれぞれの歴史があり次第にやりたい事を見つけていく稜。何故稜を助手にしたのか心を打つエピソードも語られ殺人事件の真犯人も意外で爽快に騙された。
読了日:06月25日 著者:横関 大
下鴨アンティーク 暁の恋 (集英社オレンジ文庫)の感想前作でとても気になる所で終わり今作で鹿乃と慧の恋が…。不思議な着物を巡る3話そして鹿乃と慧の難しい状況と着物の謎を解き明かしていくごとに2人の関係も少しずつ変化していく。鹿乃の慧を想う気持ちを知る友達の梨々子と奈緒そして恋敵である春野まで2人の恋の成就に後押ししてくれる。良鷹が鹿乃をどれほど大切にし彼女の幸せを願っているのかという気持ちが伝わってきた。とても素敵な話に幸せな読書を楽しめた。続きが出るのが楽しみ。
読了日:06月25日 著者:白川 紺子
マリアビートル (角川文庫)の感想独特の世界観そして登場する人物の造形が活かされグラスホッパーの続編という事で知っている人物が登場するの頼もしかった。早々に姿を現わす狼、トーマス大好き人間の檸檬と相棒の蜜柑、小狡く冷酷で俺様で頭でっかちの王子、世界中の運の無さを一手に引き受けているような天道虫、こっそりと背中を押し続けている槿、誰にも知られずに一刺しで相手を葬る蜂、そして伝説の寝起きの悪い最悪な殺し屋、鈴木も引き続き登場。ずっと前に引退した老兵の木村のおじいちゃんとおばあちゃん半端なくかっこ良かった。閉ざされた密室でのやり取り。⬇︎
読了日:06月27日 著者:伊坂 幸太郎
フォークロアの鍵の感想民族文化学博物館で学生研究員、口頭伝承の民族学を専攻している千夏。老人達から昔語りを聞き出せないかと風の里というグループホームに通うようになる。そこに住んでいるのは厄介な老人ばかり中でも最高齢の92歳くノ一仇名されるルリ子は夜遅くになると施設を抜け出そうとする一体何故か?ルリ子からおろんくちとぽろっと出た言葉の意味は。千夏はネットでその言葉を投げかけたら不登校の高校生の大地が昔祖母からその言葉を聞いた事があると言ってくる。千夏と大地は大地の祖父母が住んでいた場所を訪ねるが…。 ⬇︎
読了日:06月28日 著者:川瀬 七緒
八つ墓村 (角川文庫)の感想鳥取県と岡山県の県境にある山中の寒村の八つ墓村、閉鎖的な村で起きた連続殺人事件。犯人は逃亡今だに捕まっていない。村に突然現れたよそ者寺田に村人達は不信感を隠せない。そして再び連続殺人の火蓋は切って落とされた。戦国時代に落武者を騙し彼らを皆殺しにしてしまった村人達。その後村には奇妙な出来事が続き祟りを恐れた村人達の手によって八つ墓明神が作られた。昔から伝わる落武者伝説とともに語られる惨劇の歴史。土地に古くから根付いた印象を絡めて物語は進んでいく。複雑に絡み合った人間関係。⬇︎
読了日:06月29日 著者:横溝 正史
ゴールデンスランバー (新潮文庫)の感想衆人環視の中で首相が暗殺された。首相暗殺の濡れ衣を着せられ孤独に必死の逃亡をする青柳。理由も解らず突然に暗殺犯に仕立て上げられた青柳。犯人に仕立て上げる為の計画は時間をかけて実行されていた。大きな組織がある目的を持って動いた場合きっと誰もが凶悪犯にでも暗殺犯にでもされてしまうのだろう。綿密な構成とスリリングな展開、散りばめられた沢山の伏線と登場する魅力的な人々。青柳が出会った人達、人間捨てたもんじゃないと思わせてくれる作品だった。
読了日:06月30日 著者:伊坂 幸太郎