「ここに誰か社を建ててくれんかのお。」
アカンベェ親父が呟きます。
アカンベェ親父は社を持たない野良の神様です。
といってもホームレスの物の怪で、自称神様なのです。
「社があれば神様なら、黄昏森のみんなが神様。」と黒猫クーさん。
「お前が神様なら、オレも神様、みんな神様。」とアカンベェお化け。
それでも僕はアカンベェ親父が神様でいいと思います。
とんまで間抜けな神様、なんのご利益もない、頼りない神様、
社を持てない落ちこぼれ神様、そんなアカンベェ親父が好きです。
野良の神様、これからも元気でね。たぶんこれからも社はないけど。
ブルーハーツの甲本ヒロトさん、いえ、今はクロマニヨンズでしたね。
その甲本ヒロトさんが、最近、こんなようなことを言っていました。
僕はバンドをやるのが夢だった。
だから、バンドを始めた時に、もう夢はかなったんだ。
今までずっとバンドをやっているから、夢はかない続けているんだ。
まあ、メジャーになった人の言うことだから、特別なのかもしれないけれど、
ふと、誰にだってそんなものかもしれないな、と思いました。
絵を描くのが夢なら、絵筆をとったその時に夢はかなった。
あとは絵を描き続ければいい。たとえこの世界のほんの片隅でも。
もしも夢から醒めたら、また新しく夢を見ればいい。
夢を掴むって、始めること。その時、夢はもうかなっている。
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