黒皮の手帳  (詩のようなもの) | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

子供の頃、

誰に渡されたのか憶えていないけれど、

小さなスケッチブックを持っていた。

お気に入りのクレヨンで気ままに描き、

まっさらな白いページをめくるたびにわくわくした。

白いページからは風が吹いてきた。

何もないところから歌が聴こえてきた。

風の歌が僕を導いていた。

風の歌の中を僕は歩いていた。

 

あのスケッチブックは今はどこにあるのだろう。

いつの間にか僕はスケッチブックをなくしていた。

代わりに持っているのは、

先の先まで予定で埋まった黒皮の手帳。

めくっても、めくっても、

もう風は吹いてこない。

どこからも歌は聴こえてこない。

 

もう僕は風の中にはいない。

どこにいるのかって、

黒皮の手帳の中さ。

 

 

(今は手帳から抜け出せた気がするのですが、さて、どうでしょう。)

 

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