ブービーちゃん 娘との思い出の用水路で釣りでもしようか | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

(現在の娘は社会的ひきこもり傾向の精神障害者だけど、でも大丈夫。)

夏日の陽気の中、GW中に、癌後遺症で、なかなかできなかった釣りでもしてみようかと思い、まずは下見に行ってみた。地元ではヘラブナ釣り場として知られる沼に行ってみると、この自粛の中、いつもと変わらない。3密になりようがないのだから、まあ当然のことか。ヘラブナ釣りの場合、その竿、仕掛けの特性から隣の人と30mの距離は欲しい。ブラックバスのルアー釣りだと100mは欲しい。できれば500m。いづれにしてもかなり散らばらないと釣りにならないし、下手をすると人を釣ってしまう。

それから釣具屋に行って、一応赤虫(ユスリカの幼虫)を買った。ルアーを使ったバス釣りをと思ったのだが、家の近くの田んぼの用水路で小鮒を釣るのも面白い。もう夕暮れが近くなっていたが、試し釣りをしてみようと、家のある高台から車で田んぼに降りて、用水堀に行ってみる(歩いても行けるのだが車で出かけたついでだ)。もう田んぼには水が張られ、これから田植えだ。もう夕暮れだし、風も強くなっているので、本流の川にはヘラブナ釣り人の姿はなく、帰り支度をしているバス釣りの人がひとりいるだけだった。ほんの10分程誰もいない田んぼの用水路に釣り糸を垂らした。こんなしょぼい釣りをする人はなかなか見かけない。少したって、ウキが沈み15cmほどの真鮒が釣れた。タナゴ釣り用の細い竿なので結構引きを楽しめる。鮒はすぐに逃がした。そして次にいきなり竿が引き込まれ、糸がキーンと鳴る。たぶん30cmほどの若鯉だろう、針がかりが浅かったせいか、はずれてしまって逃げられた。ふとブービーちゃんと娘に名付けられた若鯉のことを思い出した。

子供の頃、生き物が大好きだった娘は釣りも好きだった、ある時、まさにこの場所で幼い娘の竿に鯉がかかった。「上げられないよ。父さん、手伝って。」と言う娘と一緒に釣りあげたのは30cm程の若鯉だった。娘はとても喜んだ。「この子の名前はブービーちゃん。」と言って、なんとその鯉を抱きかかえて頭を撫でていた。「逃がしてやりなさい。」と言っても、「嫌、ブービーちゃんと一緒にいたい。」と言ってきかなかった。もちろん鯉は娘の腕の中でバタバタしている。鯉はしばらくの間は水から上げても生きていられるので、飽きたら逃がすだろうと思い、そのままにしていた。それでもいい加減ブービーちゃんを離さないので、「もう逃がしなさい。ブービーちゃん、死んじゃうよ。」と言うと、仕方なさそうに、「それじゃブービーちゃん、バイバイね。」と言って、娘はブービーちゃんを用水路に戻した。ブービーちゃんは元気に水の中に帰って行った。さすが鯉は生命力が強い。

他に誰もいない水路で、ほんの短い試し釣りだったが、思いの外大きなサイズのものが掛かった(逃げられたけれど)。家に帰って、娘に、「ブービーちゃんのこと憶えてる。」と聞いてみると、「そんなことあったね。もう1mぐらいになってるのかな。」と言った。本流に下れば、そのくらいに成長するだろうし、鯉の寿命は長いので、ブービーちゃんはたぶんまだ生きていると思う。

 

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