蕾華  娘と白蛇を待つ | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

蕾華。花の妖精を作ろうと思った。最初は開いた花を妖精の頭にのせるつもりだったが、とあるサイトで、花の蕾の可愛らしさを知ったので、蕾にしてみることにした。でも、どうも蕾が大きすぎてバランスが悪いような気もしないではない。

 

 

娘がまだ幼い頃のこと、近所の雑木林の中の小径を一緒に散歩をしていた時、「あっ、ヘビ!」と幼い娘が言った。一匹のアオダイショウが林の小径にいた。結構大きく、1mをゆうに越えている。娘は大の生き物好きなので、まじかで見せてやりたいと思った。

僕は子供の頃、よく雑木林でヘビを捕まえた。鎌首を持ち上げたところを素早く首を掴んで捕まえたものだ。ただ、アオダイショウは神様の使いだから丁重にするようにと父親から言われていたので、捕まえるのはシマヘビだった。飼うのはやっかいなので、捕まえることだけを楽しんで、すぐに逃がしてやった。

アオダイショウを捕まえるのは失礼なことで、やはり気が引けるが、娘にみせてやりたいので、子供の頃のようにヘビの首を掴んだ。でも、腕がなまっていたせいか、鎌首よりもかなり下を掴んでしまい、それで手を噛まれてしまった。すぐに鎌首を掴みなおして娘にみせる。「父さん、血が出てるよ。」という娘に、「血は止めない方がいいんだ。血がばい菌を流し出してくれるからね。」と言った。「ふーん、これがアオダイショウ。でも、父さん下手くそだね。」と娘に言われてしまった。確かに噛まれたのは失態だった。子供の頃はこんな失敗はなかった。やはり反応が鈍くなったのか。子供の頃は猫並みの反射神経だったな。

「これの白いのが神様のお使いだよね。」という娘。僕はまだ見たことはないが、我が家の近くにもアオダイショウの白子、白蛇がいるらしい。「いつか白蛇が見られるといいね。」という娘。それから僕はアオダイショウを逃がしてやった。止血をしなかったのは正解だった。化膿することもなく傷はすぐに治った。

あれから時は過ぎ、いろいろなことがあった。いつか白蛇が家にやってこないかと思う。白蛇があらわれると良いことが起こるという。今の娘は精神疾患を持っているが、社会的ひきこもりの性格も強い。神頼みもなんだが、来るか来ないかわからない白蛇を待つ。そんな悠長さもあった方がいいと思っている。

 

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