不登校の息子を救ったのはひとりの少年 | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 息子は通信制高校でとった単位を足して3年で定時制高校を卒業し、地域では実績のある電子工学系の専門学校に進学した。大学進学も考えていたが、地元の優良企業に就職して堅実な生活を送る道を選んだ。他の中学不登校児たちも中堅の私大や美術系の短大進学していった。それぞれの子に、それぞれの物語があったのだろう。息子は高校で不登校を脱し、専門学校では全日制出身の学生の中で、模範的な学生と評価され、すんなりと中堅部品メーカーにエンジニアとして就職した。その後、ほどなくして人生の大転換の舵を切るのだが、それは若者によくあるひとつの挑戦で、その選択はそれでいいと思う。

 息子が不登校を脱することができたのは、フリースくールのスタッフの方々の支えや、定時制高校独特の雰囲気など様々な要因があったと思うが、僕は、ある日、ひょっこりとゲーム機を持って息子を訪ねてきたM君の存在が一番大きいと思う。M君はその後ひとり、またひとりとりと友達を連れてきて、息子の居場所を作ってくれた。息子は中学を1日も行っていないけれど、息子の部屋は中学に通っている少年たちで賑やかだった。よく、家は不登校児が安心していられ居場所であるべきだと言われる。僕も妻もそう考え、できる限りのことをしてきたつもりだ。でも、それを超えて、わが家の中に息子の別の居場所が出来上がっていた。心優しいM君とその仲間たちが息子を囲んでいる。親はその邪魔をしなければいいだけだった。M君を見たとき、この子はちょっと特別だと思った。僕はM君がしたほどのことを、たぶんしてはいない。

 他の土地に進学していき、そこで就職したりして、今残っている仲間は4人だけれども、今も交流が続いていて、M君とは月に2度ほどひきこもり支援のボランティアをしている。それでも若者をとりまく情勢は厳しくて、息子たちはその中で模索している。次はその後の息子と仲間たちの今について書いてみたい。

 

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