#2のコントですが、独立しているので、

#1を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら


 

 

従者
「下にー!下に!
 下にー!下に!」

村人1
「あ!大名行列だ!」

村人2
「通り過ぎるまでひれ伏さないと!」

村人1村人2
(ひれ伏す)


(大名行列が横切り始める)


従者
「下にー!下に!

 下にー!下に!」

村人1
「(ひれ伏したまま)そういえば、今日あたりに大名行列がここを通過するかも、
 なんて話があった気がする。」

村人2
「(ひれ伏したまま)あ、俺も聞いたな、それ。」

従者
「下にー!下に!
 下にー!下に!」

殿
「よし、止まれ。」

村人1
「(ひれ伏したまま)ん?」

殿
「じぃ。」

じぃ
「はっ!」

殿
「日も暮れてきた。
 今日はここでキャンプだ。」

じぃ
「かしこまりました。」

村人1
「キャンプ?」

村人2
「ここで?」

村人1
「俺たちはどうなるの?」

従者
「下にー!下に!」

村人1
「この感じだと、立ったら斬り捨てられるな。」

村人2
「マジかよ。
 そもそも『キャンプ』って何よ。野宿でしょ?
 何『キャンプ』って言葉チョイスしてるの?」

殿
「じぃ。」

じぃ
「はっ。」

殿
「この辺りにテントを張れ。」

村人2
「ごめん。キャンプだ。間違いない。
 テント出てきたから、これはキャンプだ。」

殿
「じぃ。」

じぃ
「はっ。」

殿
「この木と、この木の間にハンモック。」

じぃ
「はっ。」

村人1
「ハンモック出てきた。
 優雅に過ごす気だ。」

村人2
「いや、殿さまがハンモックに揺られてる姿,想像つかないんだけど。」

殿
「アレクサ。」

アレクサ
「はっ。」

殿
「ボサノヴァ流して。」


(ボサノヴァが流れ始める)


村人1
「ボサノヴァ聴きながらハンモックだもん。
 想像以上にくつろぐ気だよ、殿さま。」

村人2
「ごめん。
 その前の『アレクサ』『はっ』のやりとりが気になって仕方ないんだけど。」

殿
「はぁー・・・。
 疲れがとれるわ・・・。」

村人1
「(ひれ伏したまま)明日、絶対筋肉痛だよ。」

村人2
「この体制でボサノヴァ聴くの初めてだ。」

殿
「むっ?!」

村人1
「なんだ?」

殿
「じぃ。」

じぃ
「はっ。」

殿
「天体望遠鏡。」

じぃ
「こちらに。」

村人2
「あるんだ。
 持ち歩いてるんだ。
 大名行列に天体望遠鏡を。」

殿
「(星を見て)すごい数の流れ星だ。」

じぃ
「流星群でございますね。」

村人2
「(ひれ伏しながら)見たかったー。
 こんなところで大名行列がキャンプしなければ、流星群見れたのに!」

殿
「むむっ!
 この匂いは・・・?」

じぃ
「はっ。
 カレーでございます。」

殿
「キャンプの醍醐味だな。」

村人1
「カレー作り出しちゃったし。」

村人2
「すげーいい匂いする。
 何、この大名行列。」

じぃ
「では、毒味を。」

村人2
「その辺りの危機管理はしっかりしてるのな。」

殿
「うむ。うまいな。」

じぃ
「ありがとうございます。」

殿
「じぃ。ナンおかわり。」

村人1
「ナンカレーだよ。
 よりによって、ナンカレーだよ。」

殿
「む?雨か。」

じぃ
「殿、早くテントの中へ。」

殿
「うむ。
 テントという名の天守閣に入るか。」

村人2
「うるさいよ。」

村人1
「(ひれ伏したまま)俺たちはどうなるの?」

従者
「下にー、下に!」

村人2
「マジかよ!
 雨の中、一晩中この体制のままかよ!」

村人1
「絶対明日風邪引く。
 風邪と筋肉痛!」


(テントの中からアコースティックギターの音色が流れ出す。)


村人2
「いや、満喫しすぎだろ、キャンプを。
 何、雨の時に備えてギター用意してんだよ。」

じぃ
「殿、そろそろ寝支度を。」

殿
「うむ。天守閣ならぬ、テント泊だな。」

村人2
「うるさいよ。」

殿
「ぐぉーーーー!
 ぐぉーーーー!」

村人2
「いびきもうるさい!!」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

2023年3月25日公開のコント。

 

ボケに対して複数人で突っ込む不思議な構成。

しかも、ツッコミは二人ともひれ伏したままという不思議な絵面。

 

実演するとしたら、ツッコミ役は声が曇るのでうまく作らないといけなさそうです。