編集者
「持ち込みのマンガ、読ませていただきました。」

マンガ家
「どうでしたか?」

編集者
「(原稿を見ながら)これは・・・異世界転生ものってことでいいですか?」

マンガ家
「はい。
 前々から異世界転生ものに興味があったので、
 今回このような形で作品にしました。」

編集者
「率直な感想を。」

マンガ家
「お願いします。」

編集者
「これは異世界転生ものではありません。」


マンガ家
「えぇっ?!
 異世界転生ものですよ!」

編集者
「確かに主人公は異世界に転生してます。」

マンガ家
「はい。」

編集者
「ただ、普通の異世界転生ものはそのあと、異世界での活躍を描くんです。」

マンガ家
「はい。」

編集者
「なんで主人公がいなくなった後も、
 こっちの世界で物語が展開してるんですか?」

マンガ家
「今までにない視点をと考えた結果です。」

編集者
「主人公がいなくなったって騒ぎ始めて、町中探して、捜索願い出して・・・。
 要ります?その描写。」

マンガ家
「今回持ち込んだのは第1話なんで捜索願いを出して終わってますが・・・。」

編集者
「あぁ、第2話から異世界での話が・・・。」

マンガ家
「いえ、第2話で公開捜査に踏み切ります。」

編集者
「うん。
 だから、異世界を描いてください。
 こうしてる間にも異世界では大変な冒険が繰り広げられてるんですよね。」

マンガ家
「第3話で懸賞金が跳ね上がります。」

編集者
「だから、そういうのいいですから!
 ・・・妙なところリアルなんだよなぁ。」

マンガ家
「リアリティーを追求したんで。」

編集者
「異世界転生って時点でリアリティーもへったくれもないんです!」

マンガ家
「第4話で主人公の家族がテレビ出演して視聴者に訴えかけます。」

編集者
「だから要らないんです、その描写!
 読者は主人公が異世界に行ってるって知ってて読むんですよね。」

マンガ家
「第5話でギャランティにまつわるいざこざが起きます。」

編集者
「逆に今の読者はこう言うの読みたいのかな。
 逆に気になってきたわ。」

マンガ家
「そして、第6話はお待ちかねの裁判回です。」

編集者
「待ってないです。
 読者は裁判回なんて心待ちにしてないです。」

マンガ家
「そして第7話で主人公が異世界から帰ってきます。」

編集者
「とうとう異世界の描写一切なく帰ってきちゃった!」

マンガ家
「そこからは主人公のみやげ話で物語は展開します。」

編集者
「うん。
 えーと、そもそもどういう経緯でこういうスタイルの異世界転生ものを描こうと思ったんですか?」

マンガ家
「第11話で徹子の部屋に呼ばれます。」

編集者
「徹子に話すんだ。
 異世界転生のエピソード。」

マンガ家
「第12話はギャランティの話でいざこざが巻き起こります。」

編集者
「好きだね。
 ギャランティの話。」

マンガ家
「第13話はお待ちかねの裁判回です。」

編集者
「だから待ってない!
 読者は裁判回なんてこれっぽっちも待ってない!」

マンガ家
「そして第13話のラストで!!」

編集者
「急展開か?!」

マンガ家
「裁判長が異世界に転生します。」

編集者
「なんで?!
 なんで裁判長飛んだの?!」

マンガ家
「第14話で裁判長の家族が捜索願い出します。」

編集者
「あーヤバイ。
 ループものだ、これ。」

 

 

 

 

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【上演メモ】

人数:2人

マンガ家
編集者

所要時間:3分~4分
上演難易度:★☆☆☆☆

 

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