魔法使いの孫
「ただいま戻りました!」

魔法使い
「よく戻った。
 目当てのものは買ってきたかな?」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「よし、では渡しておくれ。」

魔法使いの孫
「はい(モップを渡す)!」

魔法使い
「・・・。」

魔法使いの孫
「・・・。」

魔法使い
「・・・カレンや。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「・・・これは?」

魔法使いの孫
「モップです!」

魔法使い
「なぜモップ?」

魔法使いの孫
「おばあさまが買ってこいと言ったから!」

魔法使い
「いいか、カレン。
 ・・・ワシが買ってこいと言ったのはホウキだ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「・・・これは?」

魔法使いの孫
「モップです!」

魔法使い
「違うよな。」

魔法使いの孫
「同じです!」

魔法使い
「違うぞ。
 自信を持って同じと答えてくれたところを申し訳ないが、モップとホウキは違うぞ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「もう一度要件を言うぞ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「ワシが空を飛ぶためのホウキをお前が折ってしまったから、
 お前は代わりのホウキを買ってくるんだ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「わかったか?」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「モップで空は飛べないな?」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「いい返事だ。
 よし、行ってこい。」

魔法使いの孫
「はい!」


(20分後)


魔法使いの孫
「買ってきました!」

魔法使い
「よし、渡しておくれ。」

魔法使いの孫
「はい!(大きなダンボールを渡す)」

魔法使い
「・・・これは?」

魔法使いの孫
「買ってきました!」

魔法使い
(ダンボールを開ける)

魔法使いの孫
「・・・。」

魔法使い
「・・・カレンや。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「(ダンボールの中身を見せて)これは掃除機だ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「ワシが頼んだのはホウキだ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「違うよな。」

魔法使いの孫
「同じです!」

魔法使い
「違うぞ。
 お前にとって衝撃的な事実かもしれんが、ホウキと掃除機は違うぞ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「ワシが掃除機にまたがって空を飛んでいたら、周囲の人は困惑するだろ?」

魔法使いの孫
「でも、ちょっと考えれば『あ、ホウキの代わりなんだ』ってわかると思います!」

魔法使い
「カレンや。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「それはかなり高難度の考えオチだ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「あと、お前に『ちょっと考えれば』というセリフを言う資格はない。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「いいか。
 掃除道具ならなんでもいいわけじゃない。
 ホウキだ。ホウキを買ってきなさい。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「いい返事だ。」

魔法使いの孫
「いってきます!」


(20分後)


バイブ音
「ウィーンウィーンウィーン。」

魔法使い
「(スマホに出る)もしもし?」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「カレンか。
 どうした?」

魔法使いの孫
「ダイソンの掃除機が今お買い得だそうです!」

魔法使い
「・・・カレンや。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「今どこにいる?」

魔法使いの孫
「ヨドバシの掃除機コーナーです!」

魔法使い
「掃除道具ならなんでもいいわけじゃないとさっき言ったばかりだな。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「ホウキとダイソンの掃除機はちが・・・。」

魔法使いの孫
「同じです!」

魔法使い
「違うぞ。
 食い気味に答えてくれたところを見ると相当自信がありそうだが、
 ホウキとダイソンの掃除機は違うぞ。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「まず、吸引力が違う。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「わかったらヨドバシを出て、早くホウキを・・・。」

魔法使いの孫
「でも、ダイソンの掃除機なら飛べると思います!」

魔法使い
「確かに『ダイソンならもしかしたら』という説得力はあるが、残念ながら飛べない。
 いいから早くホウキを・・・。」

魔法使いの孫
「あ!」

魔法使い
「・・・どうした?」

魔法使いの孫
「ルンバがあります!」

魔法使い
「・・・カレンや。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「ルンバでも飛べない。」

魔法使いの孫
「でも、YouTubeとかでよく赤ちゃんがしがみついてます!」

魔法使い
「確かにああいう動画はかわいい。」

魔法使いの孫
「はい!
 (店員に)では、このルンバをください。」

魔法使い
「カレンや。」

魔法使いの孫
「(店員に)あとさっき見せていただいたダイソンの掃除機も。」

魔法使い
「カレンや!」

魔法使いの孫
「(店員に)あ、ポイントは貯めてください。」

魔法使い
「カレンや!!」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「ルンバとダイソンをまとめ買いって、店員さんが困惑する。」

魔法使いの孫
「さっき『本当にいいんですか?』って言われました!」

魔法使い
「頼むから、ホウキを買ってきなさい。」

魔法使いの孫
「あ!!」

魔法使い
「なんだ?」

魔法使いの孫
「高圧洗浄機があります!」

魔法使い
「カレンや。」

魔法使いの孫
「(店員に)すみません。
 さっきのポイントで高圧洗浄機って買えます?」

魔法使い
「カレンや!」

魔法使いの孫
「(店員に)あ、じゃあ使ってください。」

魔法使い
「カレンや!!」


(1時間後)


魔法使い
「(高圧洗浄機を地上に向けた水圧で浮かんでいる)・・・カレンや。」

魔法使いの孫
「はい!」

魔法使い
「・・・結果オーライ。」

魔法使いの孫
「はい!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ほうきで飛ぶ魔法使いという素材は使えそうだなとずっと考えていたところで思いついた設定です。

何で魔法使いってほうきで飛ぶんだろう・・・。

 

【上演メモ】

人数:2人

魔法使い

魔法使いの孫

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★★☆
備考:最後の飛ぶシーンはマジック的な演出が必要です。

そこが思いつけば、最後にお客さんを驚かせることもできると思います。

(トリックはまったく思いつきません。)

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ショートコント
【コント】夏目漱石#2
【コント】少女コミック
【コント】取り調べ#3
【コント】赤ずきんちゃんが聞く#2

 

 

 

【コメント募集中】

今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

【実演したい方へ】

本ブログのコントは自由に演じていただいて構いません。

アレンジや改変も自由です。

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