※このコントを読む前に、前のモデルルーム を読んでいない人はこちらもぜひ!

 

 

 

 

 

 

(不動産屋の運転する車の中)

 

 

 

 

 

 

 


不動産屋
「(車を運転しながら)いやぁ、先日は失礼しました。」

 

 

優子
「いえいえ。全然気にしてないですから。」

 

 

光一
「さすがに、あの家には住めませんよ。」

 

 

優子

 

「私はあの家でいいって言ったんですけどね。」

 

光一

 

「モデルルームの妖精たちはどうしてます?」

 

不動産屋
「元気にやってますよ。」

 

 

 

 


(先日のモデルルーム)

 

 

 

 


モデルルームの妖精
(逃げる)

 

 

大黒柱の精霊
「(おでこにダーツの矢が刺さっている状態で、妖精を追いかける)
 こらぁ、待てぇ!!」

 

 

モデルルームの妖精

 

(逃げる)

 

大黒柱の精霊
「だから、部屋の中でダーツやるなって言っただろうがぁ!!」

 

 

 

 

 


(車の中)

 

 

 

 

 

 

 

光一
「何で大黒柱の精霊の分まで食事の面倒みなきゃならないんですか。」

 

優子
「家を支えてもらってるんだからいいじゃない。」

 

 

光一
「だから、それはモデルルームの妖精たちが柱を切っちゃったからでしょ?」

 

 

不動産屋
「あ、見えてきましたよ。あの家です。」

 

 

優子
「うわぁ!キレイ!!」

 

 

光一
「本当だ!」

 

 

 

 

(モデルルームの中)

 

 

 

不動産屋
「こちらがお部屋になりますね。」

 

優子
「中もキレイじゃない!」

 

 

光一
(あたりを見回す。)

 

 

不動産屋

 

「どうされました?」

 

光一

 

「いや・・・、一応、部屋の中に・・・いないかどうか・・・。」

 

不動産屋
「大丈夫ですよ。ここにはモデルルームの妖精はいませんから。」

 

 

光一
「そ、そうですよね。」

 

 

優子
「あ!ロフトがある!」

 

 

光一
「ホントだ。ここいいじゃないですか。」

 

 

不動産屋
「ありがとうございます。」

 

 

電話
「ピロロロロロロ・・・ピロロロロロロ・・・・」

 

 

不動産屋
「はい、もしもし。
 え?モデルルームの妖精がまた柱を切っちゃった?
 (光一たちに)ちょっと失礼しますね。」

 

 


(不動産屋、電話をしながら部屋を後にする。)

 

 


優子
「(戸棚を開ける)すごい。収納もしっかりしてる。」

 

 

光一
「ここも収納かな。(押入れのような扉を開ける。)」

 

 


(扉を開けると、収納の中にベレー帽に黒ぶちメガネをかけた男が座っている。
 男、段ボールを机代わりに、必死に何かを描いている。)

 

 


光一
「・・・。」

 

 

ベレー帽に黒ぶちメガネの男
(光一に気付かず、ひたすら何かを描いている。)

 

 

光一
「あの・・・。」

 

 

ベレー帽に黒ぶちメガネの男

 

「(光一の視線に気づく。)あ・・・、もう!!(中から扉を閉める。)」

 

光一
「ゆ・・・優子?・・・優子?!」

 

 

優子

 

「何?どうしたの?」

 

光一
「・・・何か、手塚治虫みたいのがいた。」

 

 

優子
「はぁ?この中に?手塚治虫が?」

 

 

光一
「いや、手塚治虫なのかは定かじゃないけど、
 ベレー帽に黒ぶちメガネだった。
 で、何か描いてた。」

 

 

優子
「何かの間違いなんじゃないの?」

 

 

光一
「いや、確かにこの中に・・・(扉を開ける)」

 

 

ベレー帽に黒ぶちメガネの男
(2人に気付かず、一心不乱に何かを描いている。)

 

 

光一
「・・・。」

 

 

優子
「・・・。」

 

 

ベレー帽に黒ぶちメガネの男

 

「(視線に気づく。)・・・あ。
 メス豚!!(扉を閉める!)」

 

光一
「・・・ほらね。」

 

 

優子
「うん、いた・・・。そして、怒ってた。」

 

 

光一
「俺、生まれて初めて、『メス豚』って言われた・・・」

 

 

優子
「光一、手塚治虫に何か怒られるようなことしたんじゃない?」

 

 

光一
「でも、視線が合うなり、メス豚はないだろう?
 メスでもなけりゃ、豚でもないし・・・」

 

 

優子
「なんか最近、手塚治虫について怒られる覚えは?」

 

 

光一
「え~・・・
 あ。怒られるかどうかは別にして、この前、美容室で『火の鳥』読んだ。」

 

 

優子
「それじゃない?」

 

 

光一
「そんなので怒られるの?」

 

 

優子
「手塚治虫としては買ってほしいのよ、本を。
 何、タダで読んでるんだと。」

 

 

光一
「それで、『メス豚』?」

 

 

優子
「メス豚。」

 

 

光一
「じゃ、とりあえず謝るか・・・。(扉をゆっくり開ける。)」

 

 

ベレー帽に黒ぶちメガネの男
(光一たちに気付き、2人をニラむ。)

 

 

光一
「あの・・・、この前は美容室で火の鳥をタダで読んで、すみませんでした。」

 

 

優子
「すみませんでした。」

 

 

光一
「明日、古本屋で火の鳥買いますんで、許してください。」

 

 

ベレー帽に黒ぶちメガネの男
「どろぼうネコ!!(勢いよく扉を閉める!)」

 

 

光一
「まだ怒ってる・・・」

 

 

優子
「古本屋で買うなんて言うから・・・。
 そこはやっぱり、新品を買ってほしいのよ。」

 

 

光一
「そうなのかなぁ。」

 

 

優子
「ほら、謝って。」

 

 

光一
「うん・・・。(扉をノックする)
 手塚先生。あの、何度もすみません。
 古本屋じゃなくて、新品の火の鳥買いますんで、許してください。」

 

 

優子
「許してください。」

 

 


(扉が少しだけ開き、中から紙が差し出される。)

 

 


光一
(紙を受け取る)

 

 


(扉が閉まる。)

 

 


光一
(紙を見る。)

 

 

優子
「その紙、何?」

 

 

光一
「ジャングル大帝のサイン入り原稿・・・。」

 

 

優子

 

「よかったじゃない!許してくれたのよ!」

 

光一
「何、この振り幅?!情緒不安定なの?!」

 

 

優子
「お礼、言っときましょうよ。」

 

 

光一
「(扉を開ける)あの、こんな貴重なものをいただきありがとうございました。」

 

 

優子
「ありがとうございました。」

 

 

ベレー帽に黒ぶちメガネの男
「めぎつね!!(扉を勢いよく閉める!)」

 

 

優子
「まだ怒ってる。」

 

 

光一
「もうわかんねぇよ!!」

 






 


【コント・セルフ・ライナーノーツ】

モデルルームの続きのお話です。

前よりボリュームは少ないですが、まぁ、思いついちゃったんで・・・。

そして、タイトルからモデルルームの妖精が出てくることを期待した方、すみません・・・

 

 


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