グズグズおんぶお化けさんたちが、
なんであんなに『愚痴が多いのか？』
不思議だった。
定期的に誰かに、数時間（あるいはもっと）
に渡って盛大に毒出しをやる。
励ましたり、持ち上げたり、認めたり
されると少しは溜飲が下がるらしいが、
しばらくするとまた、貯めてやってくる。
「いいのよ！愚痴は吐き出せば！」
って喜んで聞いてくれるのは、
宗教団体のおばちゃんか、
人の不幸を喜ぶフレネミー女か、
詐欺師くらいだろう。
精神科の先生だって、そんなに暇じゃない
短い診療時間の中で、改善に向かう糸口を
見つけなきゃならないんだから、
そりゃ大変だ・・・。
ましてや、友人知人は医者でもないし、
宗教団体やスピ系ビジネスの勧誘者
でもない・・・。
喜んで他人様の愚痴を長尺で聞けるほど
人間が出来ているわけでも、暇でもない。
お店をしていたらあるあるだけど、
友人知人が『買い物客』を装って
押しかけてきて、延々と話し込んでいく
なんてことは。まあまあ有る。
販売だけが仕事なら、そりゃそれも
接客の内と割り切るが、あいにく
私の半分は製造業なんよね。
そんな彼女たちの愚痴に付き合って
自分が夜中に制作をしなきゃいけなくなり
体調を壊すというようなことが続くと、
やり方を変えないといけない！
と思うようになる。
そう・・・『話がしたい！』という
彼女たちは、自分の話の大半が
『愚痴』であるという自覚が無い。
愚痴というか・・・他者の批判（悪口）
が、ほとんどなんよね・・・。
なぜ、彼女たちはその『批判』が
やめられないのか？
夫、子供、舅、姑、自分の両親、
友人のこと、ママ友のこと、
はては最近入ったお店の店員まで・・・
『どうでも良くない？そんな、
一回しか利用しないお店の店員の
態度なんて・・・嫌なら、もう
二度と行かなきゃいいだけでは？』
と思うが、ともかく彼女たちは
気に入らないのだ・・・
なにからなにまで、気に入らない。
重箱の隅をつつくようにして
気に入らないことを探してくる。
（わざわざ、探してるのか？
と思うくらいに・・・）
これが組織内のかかわりを継続
しなけりゃならない人間関係だと、
もっと激しい・・・
「なんとかしてください！」と、
こちらが「うん！」というまで
延々と相手の批判を続ける。
聞いている方も、さすがに同意を
求められても限界があるし、それを
毎回やられると、気分も滅入る。
そうかといって、彼女たちが
とんでもない『悪人』なのか
と言えばそうではない。
やるべき役目はちゃんとこなすし、
頼まれたことも完璧にしてくる。
まじめで品行方正なのに
残念な人・・・
そう、彼女たちを遠ざけてしまうのは
その他者への批判、悪口・・・
つまり、愚痴なんよ。
その愚痴の多さに遠ざけられてる・・・
なんでそれほど尽きることなく
愚痴が生まれるんだろうか？
と考えてみた。
私なら・・・
『そんなに嫌ならもう二度と
いかないだけだけどな・・・』
とか・・・
私なら・・・
『どうせ、その程度の人格なんだろうと
諦める、期待しない、付き合わない』
とか・・・
私なら・・・
『私には関係のない世界の人だ・・・
最低限の付き合いで終わらせておこう』
とか・・・
要は自分の意識から出してしまう。
あるいは、親しい人の枠から出してしまう。
大人なので、挨拶くらいはかわすけど、
『そういう人！』と割り切って、
もうその人との関係はあきらめる！気にしない！
でも、彼女たちはその『割り切り』が
出来ないという。
母にも言われた・・・
「普通の人間はそんなふうに割り切れたり
しないんよ！アンタの方がおかしいんじゃ！
」
って・・・
『ハイハイ、そうですか、何でも私の方が
おかしいんですよね・・・』
思うけども、言い返さない。
（これ以上言い返すと、ヒステリー起こすから）
そう・・・
彼女たちもおんなじ反応だ・・・
感情で受け止めるのが『普通』で、
割り切ってこちらが切り替えるのは
『おかしい！』って言う・・・
彼女たちの『気に入らない』を突き詰めると
『掃除をさぼるのはズルい！』とか・・・
『自分だけおいしい思いしてズルい！』とか・・・
『非常識なことしてるのはあっちなのに
上から叱られもしないのはズルい！』とか・・・
良くそういう発言がある。
時給10円の違いでも『ズルい！
』
とグチグチ言ってる人も居る。
『ズルい！のは許せない！』になるから、
そこをどうしても同等の条件にしたい。
でも自分で直接対決は出来ないから、
誰かの袖を引いて、やってもらおうとする。
そう、相手をコントロールして
動かそうとするから、彼女たちは
長尺で愚痴を言うのだ。
（共感と承認を取り付けるために）
けれどもいつも思うことがある・・・
『おんなじ条件には無いからね！』
早朝勤務の人と、昼から勤務の人では
同じ条件じゃない。
お金に余裕がある人も居れば、
余裕がないけれどもなんとか
そのサークルを続けたい人も居る。
介護と育児をこなしながらボランティア
参加している人と、老後の暇つぶしの
人とは時間の質が違う。
人は、自分とは違う！
という大前提が見えていないのでは？
と思う。
自分とは全く、条件が違う人生を
生きている人たちなんよ・・・
たとえ、同じサークルに所属していようとも・・・
そこが分かっていたら、何もかも
同一の条件で、規定通りにしなきゃズルい！
にはならないと思うのだが・・・
様々な家族を背負い、様々な条件の違いがあり、
当然、能力も才能も違う・・・。
人と自分は違う人！という
線引きが出来ていないから、
『同じ土俵に上がってるのに、ズルい！』
と騒ぐことになるのでは？
『ズルい！』と言うのも
比較から生まれた嫉妬、羨望だと思う
のだが、彼女たちはそのあたりの線引きが
あいまいで、感情の落とし前のつけ方も
あいまいな感じがある。
だから、自分が感じた思いは
他の人も同じだと思い込むのだろうか？
（だから、共感を示さないとヒステリックに怒る？）
条件も違う、価値観も違う、感じ方も
受け取り方も違う・・・
他人と自分は『違う人間！』
この線引きがあいまいだから、いちいち
なにかあるたびに、誰かの行いに腹が立つのでは？
他者との境界があいまい・・・
自己愛性の特徴でもあるが・・・
他者と比較するということは、
相手が同じ土俵に居ると思っていると
言うことだ・・・
だから、競い合えば負けたくないので
先に相手の価値を下げておこうとする。
誹謗中傷がそのいい例だ・・・
本当にござるか？
相手と自分は同じ土俵に
立っているでござるか？
・・・って思う・・・
『違う土俵のはずですけれどもね・・・』
と思う・・・
自分と相手との境界線が
あいまいだから、同じ土俵
の人だと思う・・・
だから、相手が成功したり、評価されたり
なにか一人勝ちしているように見えたら
『ズルい！』という・・・。
『悔しかったら、その人の三倍
努力せえ！・・・』
祖父の言葉が頭をよぎるが、
そんなことを言おうものなら、
どんなブチ切れ方をされるか・・・
こうして私は一人、二人と
おんぶお化けさんたちを疎遠に
していった。
時間を喰われて、なにも変わらず・・・
いや、ネガティブオーラの毒気に
やられて、こっちまで憂鬱な気分になる・・・
とてもじゃないが、共感同調出来ない。
「人と比較しなきゃいいんじゃね？
そもそも、自分と全くおんなじ個体でも
無い人と比較してなんか意味があるん？
おんなじ土俵に居ると思うから悔しく
なるんじゃろ？人と自分は別の個体よ。」
「そんなこと、解ってる！」
「分かってるんなら、比べることが
無意味だって分かるよね？
お釈迦様も言ってるよ、天上天下唯我独尊・・・
この世に自分と同じ個体がもう一体出現したなら
そいつとは比較すればいいけれど、
この世に自分は一個体しか居ないのに・・・
比べる意味なんかなくない？」
「そんな考え方する方がおかしいんじゃ！
そんな人間居らん！
あんた宇宙人じゃ！
」
盛大な悪口を言われたのが、
つい先日のこと・・・
母の考えなしの暴言に傷つくほど
もはや母に期待もしていないが・・・
『この人はいつになったら、あの性格を
変えられるんだろうな・・・
あれ、気が付かずに人生が終わったら、
人の心にグチグチ言ってる印象しか
残さないけどな・・・』と
思ったが、もう言うまい・・・。
80年あれで生きて来た、総毒母世代は
変わらないだろう・・・。
人と比較するから、嫉妬、羨望が生まれる。
それを自分で何とかできないから
『ズルい！』という気持ちになる。
『ズルい！』と思うから、
足を引っ張りたくなる。
その方法が、悪口、批判、誹謗中傷。
本当にそう思うなら、相手が経験してきた
ありとあらゆる辛酸もなめてみるがいい！
その経験の上に結果が乗ってるんよ。
それをしもしないで、なぜ
同じ土俵に立ってると思う？
人と比較しない人は、過去の自分を
見ているんよ。
昨日の自分と比べてるんよ。
他人じゃない。
そこが、大きな違いなんよね・・・
