昭和のドラマにみる『助け合い』・・・セーフティーネット。 | 古民家の雑貨屋 アート工房 風 ふうさんの手しごと日和

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古民家の雑貨屋さん『アート工房 風』です。
岡山県の和気町で雑貨屋&クラフト工房をしています。
古民家をリノべして、沢山の雑貨を展示販売できるSHOPにしました。
隠れ家的な工房の日々の暮らし、ちょこっとのぞいて見てくださいな。

中国ドラマの放送が終わっても、

毎週予約で撮られていた昭和のドラマ。

 

平岩弓枝さんが脚本の『ありがとう』

という昭和のお茶の間ドラマ。

 

 

最初の内こそ・・・

 

「ゆりあんのものまねみたいだね!」

と笑いながら見ていたけれども、その内容に

在りし日の昭和を思い出し懐かしくなる。

 

「あーっ、あんなTVあったね!」とか・・・

 

「そうそう、あんな衿の服を母たちが

 着てたような気がする」とか・・・

 

「あんな感じの食器棚うちにも

 あったな」とか・・・

 

「あのカーテンの模様の生地、よく見かけた

 デザインだったな!」とか・・・

 

「お商売していた大叔母さんちも

 あんな作りだったな」とか・・・

 

そこには小さいころに見た、昭和の

お茶の間が沢山出て来た。

 

 

懐かしいな~と思いながらも、

その話の展開や、セリフに

違和感も覚えながら・・・

 

「なんていうか、昭和の万博のころ

 って、まだこんなにも男尊女卑な

 考え方だったんだな・・・」とか・・・

 

「親子の間、兄弟姉妹の間が近すぎて

 暑苦しい感じだね。過干渉って

 いうのかな・・・」とか・・・

 

だけど、そこには令和の今は見かけない

ご近所同士の人の助け合いがあった。

 

 

「なんかさ、あの昭和のドラマを見ていたら

 人間関係の距離が近すぎて、暑苦しいな~

 と思うこともあるけど、助け合いがまだ

 普通にある時代だったんだな~って思うよ。

 なんかさ、今の世の中がそれが希薄なきがする。」

 

「核家族化が進んで、住宅事情も変わって、

 個人でなんでも問題解決が出来る時代に

 なったからもう、ご近所同士の助け合いが

 必要になくなったんよな・・・ほら、

 プライバシーの侵害!とか言われるじゃろ。

 もう、人様のことには関わらない!それが

 良しとされてる時代なんよ・・・」

 

 

昭和ドラマのヒロインを水前寺清子さんが

演じている。周囲を固めて居る役者たちは

どのかたも、芸能界の重鎮だ。

すでに、この世に居ない方も多い。

 

水前寺清子さんと同年代の母は語る。

 

「今は、スーパーだって、コンビニだって

 24時間開いてる時代じゃろ。昔は、お店が

 しまったら、醬油も塩も手に入らないから、

 ご近所に貸してもらいに行ってたんよ。

 そうしないと暮らしが成り立たないから、

 お互い助け合ってたんよ。」

 

不便さがあったから、

助け合いが成立していた時代。

 

今は何でもが便利になり、一人でも

生きていくのに不自由しない時代。

 

 

「個人である程度のことは解決できてしまう

 時代か・・・。それで助け合いは

 必要なくなったんだね・・・。」

 

こうして、個人でなんでも解決できる時代に

なれば、結局それが何があっても『自己責任』

ということで、個人の負担として跳ね返ってくる。

 

もちろん、自立していて人様に迷惑を

かけない生き方は良いのだが、なんでも

かんでも『自己責任』という言葉で

問題のすべてを個人に投げ返していては

生きづらい世の中になってしまう。

 

昭和ドラマの中には、少々過干渉にも

思える人と人との距離感があるが、

しかし、どこかで『救ってくれる手がある』

という安心感がある。

 

いつも住民から相談を持ち掛けられる

園長先生。多少、頼りないところも

明治の男の頑固さもヘンコツもありながらも

人情味のある頼もしい年寄りの姿がそこにある。

 

何かあれば、園長先生に相談に

のってもらおう!そういって

住民たちが入れ代わり立ち代わり、

九(いちじく)保育園を訪ねる。

 

その園長先生を支えるのが、

大正生まれの園長夫人。

 

お人好し過ぎるくらい、奉仕の人だ。

 

園長が男やもめで、乳飲み子の

甥っ子を押し付けられて途方に暮れていた

ところへ、家族の反対を押し切って

嫁いできた人だ。

 

甥っ子を我が子のようにかわいがり

養育してきた。

 

そんな夫人のおせっかい(思いやり)は

ぐれていた青年も立ち直らせる。

 

 

「私たちの時代にはちょっと暑苦しい

 人間関係が嫌だな~と思ってみていたけど、

 けれども、ドラマが進むにつれてその

 内容に引き込まれているんよね。

 なんて言うのかな・・・昭和の時代の

 セーフティーネット・・・あれ、いいな!

 ってさ・・・

 なんか、ほっとするんよね・・・

 人と人とのつながりがあるって、こんなにも

 安心するもんなんだね・・・。

 

「そうなんよね。今の時代はなんでも

 個人主義で、家の中の問題を外には

 出せないから・・・

 だから、シングルマザーが子供を

 道連れに心中しないといけないような

 ことが起こるんよな・・・。」

 

昭和のお茶の間ドラマにも、シングルマザー

は出てくるけれども、周囲の協力もあって

ちゃんと子供と共に生きていける道筋が

ついている・・・

 

今はどうだろうか?

 

 

『子連れ様』とか『産休クッキー』などで

大炎上しているが・・・

(もちろん、仕事を押し付けられ深夜まで

残業させられてプライベートを犠牲にしている

独身者が居る事は、解決すべき問題だけど・・・)

 

あっちと、こっち・・・

 

何かが対立する構想になってしまった

今の社会に、人の心の歪を感じてしまう。

 

こんな状態で、大きな災害が起こったら、

人は助け合いながら、生き残ることが

出来るのだろうか?

と思う・・・

 

様々な立場の人が居て、

様々に抱えている問題が違う。

 

性格や、認知も違う。

 

様々な違いから理解し合うのが

難しいことも承知している。

 

けれども、

もしもあの昭和の人間関係

あれば・・・

 

戦争の焼け野原から復興出来た

あの人情があれば・・・

 

 

災害に対する不安も少しは

和らぐのではないだろうか・・・

 

個人主義、プライバシーを守る。

 

確かに必要なことだけれども、

それでもどこかで、あの時代の

『助け合い』がある暮らし

どこか『ほっとする安心感』を

感じるのは、私だけではないだろう・・・

 

昭和の時代は、人付き合いの

わずらわしさもあったけれども、

それがセーフティーネットとして

機能していた時代だったんだな・・・