ガサ入れ300回 元マルサの税理士 飯村正三 です。
「特殊関係人」のことで当時の憂鬱な時間から少し解放されました。
さて、担当事案は、告発準備の仕事に入っていました。
「あ~あ。早く帰るにはどうしたらいいのかなあ」とずっと考えていました。
結論は、とにかく早く仕事を覚えることだと思いました。
当然ですね。でもそれが・・・・・。
それで先輩に一度、告発するための手続書類をどうやって作ったらいいかを尋ねました。
先輩は、
「書庫に調査が終わった事件ファイルがあるからそれを見ろ。」と言われました。きちんと教えてくれません。
その後は、先輩に聞きづらく、先輩が帰ってから書庫に入って事件ファイルを片っ端から見ました。超過勤務やむなしです。
告発する日が決まり、その日に合わせ何とか手続き書類を作りました。
先輩に見てもらおうと思い。「チェックをお願い致します。」と言ったところ
「まあえーは。」答えるだけでまったく見ようとはしませんでした。
そのことが告発当日に、先輩が大恥をかくことになりました。
検察庁への告発手続き書類の中に、脱税事件に関する証拠書類の目録があります。「記録目録」というものです。
記録目録に証拠書類の一連番号を付番し、「検察庁に送致するもの」と同じものを「国税局の控」として作成しなければなりませんでした。
しかし、私は国税局の控は、きちんと一連番号を付番したのですが、検察庁に送致するものに付番をすることをすっかり忘れていたのでした。
先輩から「何やっとる!」と烈火のごとく叱られました。
先輩も検察庁の担当係の人に平身低頭で謝り、1時間ほどかけて書類に付番していました。私には一切手を触れさせませんでした。
何とか告発送致が終わり国税局に帰ってきましたが、先輩からまたこっ酷く叱られたことは、言うまでもありません。
でも、1件とにかく告発が処理したのでホッとしました。
教訓:「確認」を怠ると大変なことになる!
ちょうどお盆前の出来事でした。
お盆の夏季休暇に入りやっと結婚の準備は急ピッチで進みました。
次の担当事案が人生初の証人として法廷に立つことになろうとは・・・。