『エゲツナサこそが新日本の魅力』 2024.4.6両国大会TV観戦記 | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。


 最近、かつての大物レスラーたちが「今のプロレスは今のファンがついているのだから、それはそれでいいと思う」と口にしているのをよく目にするけど、「それって本気で思ってます?」って裏で聞いてみたくなる。

 あくまで私の穿った見方かも知れないが、「公の場だから大人の発言をしてるだけでしょ?本音はふざけんな!って思ってるんじゃないですか?」って。

 この日の新日本は、まさしく今の新日本を象徴する大会だった。チャンピオンが勝敗に関わらなくても王座が移動する3WAYでのジュニアタッグ選手権。ベルトを凶器に使うばかりか、終始、華のないヘビー級タッグ選手権。

 SHOとYOHのジュニア選手権に至っては、入場からベルトを盗んだYOHと、それを奪い返さんとするSHOの追いかけっこから始まり、そのまま試合に雪崩れ込んだ挙げ句、僅か96秒でYOHが左肩を負傷してレフェリーストップ負け。まさしくナンダこりゃ?の一戦となった。

 怪我はアクシデント、怪我だけは仕方ない、確かにそれはそうだけど、追いかけっこしかまったく印象に残っていない選手権って何!? それが歴史あるIWGPジュニアヘビー級選手権の公式記録として残ることをどう考えているんだろう?

 明らかに左肩が変型していて、レフェリーストップの判断は適切だったと思う。でも何度見直しても、どこでどうそうなったのかがまったく分からない。そもそも、SHOがデスペラードからセコンドを使ってリングアウト勝ちし、王座奪取した一戦自体、栄えある歴史に泥を塗っているとしか思えない。その瞬間から人に盗まれ続けるベルトって!?

 NEVERはセコンド陣が縦横無尽にリングに入り乱れる何でもアリ!?の一戦に。…っておいおい、これって選手権だよね?しかもシングル王座の!? 

 レフェリーが見ていなければ何をしてもいいって誰が決めたの?確か新日本にはIWGP実行委員会って組織が存在するんじゃなかったっけ?EVILが金丸レフェリーを調印式のときから主張していたのだから、予め公認のサブレフェリーを用意するぐらい普通じゃない?結局、団体公認でHOTが好き勝手してるってことだよね?

 ベルト乱立に飽きたらず、スピーディーな進行を目指しているのか、選手権宣言もなくし、王座軽視としか思えない暴挙ばかりのオンパレード。

 前述した元・大物レスラーは「今のファンがそれを受け入れているならそれでヨシ」とも言っていたけど、本当に今のファンは素直にそれを受け入れているのかな?少なくとも私の目にはそれに嫌悪感を示すファンの意見が目立つし、ブーイングの声も本気で嫌がっているように聞こえる。

 成れの果てだな…そう思っていたら、メインの内藤vs辻の一戦が、しっかりと新日本プロレスらしさを魅せてくれた。

 なぜかつての新日本プロレスが『ストロングスタイル』と称されたのか、『King of sports』とうたわれていたのか、そこには常に闘いがあり、裏打ちされた真の強さが存在していたからだろう。

 かつて猪木は、試合の主導権を握るために観客には分からないところで相手の骨を折りにきたり、関節を極めて動けなくすることで試合をコントロールしていったという。だからこそ、予定調和の技の出し合いっことは無縁の、ピリピリした緊張感、殺気漲る真剣勝負がそこに存在したのである。

 他の選手にしても、「俺はお前より上なんだ!」といったプライドのぶつかり合いが要所要所で見られていた。藤波vs長州、前田らUWF勢との対抗戦、平成維震軍にNWO、新日本の歴史は闘いの歴史、そう言い切っていい緊張感と緊迫感が常にビリビリと感じられていた。

 でも今の新日本プロレスにはそれが感じられない、ずっとそう思っていた。ジャパニーズ・ルチャと化した流れるような試合展開。お互いがお互いの良さを引き出そうとする良好な関係、それもそれで立派なプロレスだと思うが、決して「それは新日本プロレスなんかじゃない!」と私は断じて思う。

 この一戦を前に辻は言った。「今の内藤さんは制御可能。俺は制御不能だったかつての内藤さんと闘いたい!」と。そしてこの一戦、開始のゴング後、内藤は安易にロックアップせず、ロスインゴ初期の相手をジラす心理戦に出た。

 ならばと辻は、内藤がリングでゴロンと転がって拳を突き上げるいつものポーズを決めると、場外から一目散にリングに駆け上がり、頭部にストンピングを放った。

 辻が内藤を場外に蹴落とし、大見得をきった後に対角線に走って飛び技を放とうとしたとき、内藤はフラつきながらも歩を進めてエプロンに寄りかかり、追撃を未然に防いだ。反撃に移るや、執拗な首への一点集中攻撃には、内藤の厳しさが目立った。ちょっとした攻防でも相手の世界を安易に創らせず、華を持たせず自らの我を押し通す、これこそが新日本の新日本らしいところ。

 今思えば、やっぱりオカダは外様だったし、棚橋は新日本の中ではかなりの異端児だったと思う。新日本時代の中邑真輔、制御不能だった頃の内藤哲也、アクの強さが新日本生え抜きの魅力であり、それを押し通すためには真の強さ、真の巧さを究めなくてはならない、その闘いこそが新日本の『ストロングスタイル』であったと思う。

 恐らく、現代プロレスしか知らない人にしたら、それはとてもえげつなく、ドロドロした世界に見えるだろう。でもそれが新日本プロレスだ、新日本プロレスの闘いなんだ!と私は思う。

 WWEを見倣って、エンターテイメントショーと化した新日本プロレスなんてクソ喰らえ!プロレスラーは強くなければいけない、プロレスラーなら我を押し通せ!それが新日本プロレスだ!

 試合後、オーナーまでもツバを吐きかけ、場外に投げ落とし、ベルトを放り投げて完全に制御不能に舞い戻った内藤哲也。そしてそれを指摘して挑発し続け、真の闘いを挑んだ辻陽太。これだから世代闘争は面白い。これをやらずして去ったオカダカズチカは、もはやこの団体にとって黒歴史でしかない。

 これからの新日本プロレスは、内藤哲也vs生え抜き新世代の闘いが激化していきそうだ。もしそうなれば、真の新日本プロレスが完全復活するかも知れない!?…暗闇地獄のなかで、希望の光が射したか!?



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