必ず守ってほしい『立つ鳥跡を濁さず』 | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 新日本のオカダカズチカに続き、スターダムのジュリアも3月いっぱいで所属を離れ、新天地を目指すようだ。かねてから書いているように、私は選手が所属を離れ、新天地を目指すことは基本的に賛成。


 日本のプロ野球選手が母国を離れ、アメリカのメジャー・MLBに進出することで、日本の野球が世界に通用し、やがて世界一にまでなったことは誰もが知るところ。


 今の若い人には想像もつかないかも知れないが、私が子供の頃、シリーズオフに何度か見た日本のプロ野球選抜vsメジャー・MLB選抜の試合では、日本チームは1度も勝てずに圧倒的なメジャー選手のパワーとスピードを見せつけられる圧倒的な展開ばかりで、まったく勝負にならなかった。「日本は世界には敵わない」、当時の野球ファンであれば、誰もがそう思っていたはずだ。


 それが今ではWBCなどの世界大会で優勝を果たし、大谷翔平みたいにパワーとスピードでも外国人を圧倒する日本人選手が本場MLBで活躍していることは、同じ日本人として本当に誇りに思えるほど。


 プロレスにしても、昔は日本人がアメリカから学びに行っていたが、いつしか実力的に日本がアメリカを超えたと言われ、実際に日本のレスラーが世界中からリスペクトされるような存在にまでなっていた。がしかし、現在はどうだろう?


 日本人は体格的に外国人より劣る分、技術や精神力を磨きあげることで、大きな外国人のパワーとスピードに対抗していった。これまであった常識にこだわらず、新しい動きや発想を積極的に取り入れることで、日本のプロレスが世界中に拡散されていった故の結果である。


 がしかし、それによって中量級や軽量級の選手の闘いが世界のブランドとなり、大型の選手が脇に追いやられるケースが増えてしまっている。現在、本当の意味でスーパーヘビー級の選手が活躍しているのはWWEぐらい。かつて日本にもあった階級を超えた強さの追求、重みのあるヘビー級の闘いは、殆んど疎遠になってしまっている。


 確かに選手たちの側からすれば、互いの技術を存分に出し合える似たような体格の選手と闘う方がいいだろう。でもプロレスとは『魅せる世界』。見ている人間のニーズに応えることも、重要な要素であることを忘れてはならない。


 今は世界のトレンドとして、技術の攻防が持て囃される時代になっている。でもその反面、もはやそれが行き着いてしまっているような気もする。ここからまた、マット界も変革期を迎える気がしてならない。歴史は繰り返される、それがプロレス界に限らず、世界の常識だからだ。


 なので日本人選手がそれまでの所属を離れ、海外に目を向けたり、新たな闘いの場を求めるのは自分の可能性を拡げる意味でも、そして業界的にも凄くいいことだと思う。その個人の動きが周囲の人間にも大きく影響を与え、やがてマット界全体にもそれが波及していくと思えるからだ。


 ただそこで、決して忘れてほしくないことが1つある。それは今の自分が存在するのは、自分だけの力だけでなりえた訳ではないということ。


 プロレスは1人ではできない、相手がいて初めて成り立つ競技である。そしてスター選手は、団体=会社スタッフの強力な後押しがなければ、本当の意味でメジャーな存在にはなりえない。つまり自分の努力はもちろんだが、それと同時に周囲の人たちの努力も重なり合ったことで、初めて真のスーパスターとなりえたのである。


 だからどんな理由で辞めるにしても、それまで所属していた団体に“後ろ足で砂を掛ける”ようなことをしてはいけない。契約期間を満了することはもちろん、しっかりと次に繋げる役割も果たした上で、旅立っていってほしい。そうすることで自分自身の信用、信頼感も高まり、確実にステップアップに繋げられるはずだからだ。


 今は終身雇用の時代ではない、自分自身を、業界全体をステップアップさせるためにも、人材が動くのはいいこと。でもだからこそ、そこには最低限のルールを厳守しなければならない。


 裏では何らかの理由で激しくモメて辞める場合もあるだろう、だが、そこにはそこで育ててもらった恩も必ずあるはず。出ていく人間、出ていかれる人間、双方に必ずメリットが生まれるように、互いにキッチリとケジメだけはつけてほしい。そうすればまたいつか交わる日もやってくる。やがてそれが業界全体にも、必ずやメリットが生まれてくるはず。


『立つ鳥跡を濁さず』…だから辞めていく人間には、どんなときもその言葉を常に忘れず、しっかりと胸に刻んでおいてほしい。そして出ていかれる側の人間も、変なしこりは残さず、清々しく見送ってほしい。そうすることで業界は必ずや成長していくはずだ。



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