見ましたか!? プロレスクラシック～伝承～第37回を！ 今回は寺西さん、マイティさん、渕さんとベテランの妙技が光った回でしたが、それよりも私の目を惹いたのは、超世代軍の完成する前、ならではの魅力でした。
当時の超世代軍はまだ全員が20代ということもあり、後のトップレスラーとして時代を築いた完成された姿とは明らかに違いましたよね？ 気づきましたか？ えっ、三沢・青&川田・水色タイツのことかって？ いや、そこじゃなくて…。
例えば三沢さんのエルボー。後に代名詞となるエルボーバットですが、タイガーマスク時代は下からかち上げるエルボースマッシュしかやっていなくて、この頃からなんですよね、エルボーバットを主武器に使い出したのは。そのためなのか、たまに下から腕が出てましたよね。そのギコチなさが、この頃にしかない魅力といえるでしょう。
フィニッシュとなったのも、ダイビング・エルボーアタックというところがミソですよね。後にランニング・エルボーで勝利する場面は数多く目にしますが、ダイブ式は場外に飛ぶエルボー・スイシーダしか目にしなくなります。どういう理由でそうなったのかは分かりませんが、この頃ならではの貴重な場面ですので、今後もお見逃しのないように。
そして何より川田さん。当時の全日本のなかでは小柄だっため、トップに食い込むためにとにかく身体を大きくしようと毎日必死にウエイト・トレーニングに励み、各会場で小橋さんとバーベル、ダンベルの取り合いをしていた、というのは有名な話ですけど…。
それにしてもジュニア・ウエイトとはいえパートナーの菊地さんをリフトアップして場外の相手に投げつけるなんて！あとフットルース時代には結構やっていたムーサルトアタックも、三沢さんと組んでやっている姿を見ると、何とも新鮮ですよね。後の姿からは想像もつかないこの頃の川田さん、これも貴重です。
そしてこの日、鶴田さんとシングルという大一番を迎えていた小橋さん。抜擢された当初から逞しい身体をしていましたが、それでも当時の全日本のスーパーヘビー級のトップレスラーと向かい合うと、どうしても見劣りする部分がありました。でも今回の鶴田戦、向き合ってもまったく見劣りしてませんよね？
川田さん曰く、「三度の飯よりトレーニング好き」な小橋さんがたゆまぬ努力でその身体を造り上げていったことはもちろんですが、恐らく、この頃になると大きい舞台に場馴れしてきた感もあったのではないでしょうか？ 精神面での成長が自信に繋がり、堂々とした素振りが身体の見た目にも繋がってくる。そういうことってありますよね？
タイガーマスク時代の三沢さんと、超世代軍になってからの三沢さんを見比べてみてください。明らかに違いますよね？ 超世代軍の三沢さんは、実に堂々としている。攻めこまれる場面があっても、慌てず騒がず、じっくりと反撃の機を狙っている。まさしくトップへの階段を着実に登っている気がします。
小橋さんに話を戻すと、オレンジタイツになっても、まだ逆水平チョップを使っていないで、ナックルを多用していた、というのがポイント。後には代名詞となるものが、まだなかった時代、これも本当に貴重です。どうです、まさしく見どころ満載の回だったでしょ!? ※私的にはまだ入門してきたばかりの練習生で坊主頭だった浅子覚、井上雅央のセコンド姿が見られたのも結構楽しめました。
次回は1990年9月1日の日本武道館大会、ジャンボ鶴田vs三沢光晴の三冠挑戦者決定戦が放送されるとのこと。この一戦のテーマはズバリ！『全日本のエースはどっちだ!?』。試合後、勝者が控室で「全日本のエースは俺なんだ！」と断言していたことが、今でも私の脳裏に根強く残っています。
プロレスクラシック～伝承～第37回
1990年8月 秘蔵映像！三沢の青コスチューム
■1990年8月18日 東京・後楽園ホール
寺西勇vsダグ・ファーナス
■1990年8月21日 福島・須賀川市体育館
∇アジアタッグ王座決定リーグ戦
ダグ・ファーナス、ダニー・クロファットvsエリック・エンブレイ、リチャード・シャラン
【小橋伝承試合】
■1990年8月31日 大阪府立体育会館
田上明、渕正信、M井上vs三沢光晴、川田利明、菊地毅
ジャンボ鶴田vs小橋健太
S・ハンセン、J・エースvsT・ゴディ、S・ウイリアムス
☆再放送 2月29日(木)3:00~4:30
三沢はなぜ全日本で革命を起こしたのか!?
なぜNOAHを設立するに至ったのか!?
この本にその答えが載っている。
絶賛発売中❗❗
『三沢革命はなぜ起こったのか』
なぜ、三沢は革命を起こすに至ったのか!?その真実がここに克明に！/馬場元子さんとの確執、その発端となったハワイ事件/三沢と小橋が真の盟友となった日/三沢は馬場にとって代わりたかっただけなのか？だから全日本を辞めたのか？その答えがここにある/ブログ未掲載の川田利明、田上明インタビューも敢行！聖鬼軍の二人はあの頃、三沢革命をどう思っていたのか!? …これを読まないと真の四天王プロレスは語れない！プロレスを知らない人にも、読んで頂けるノンフィクション・ヒューマンドラマです！
