藤波辰巳のライバルといえば、まず真っ先に浮かんでくるのはやはり長州力の存在。それ以外となればジュニア時代はダイナマイト・キッド、剛竜馬、ヘビーとなってからはSSマシーンの名前があがってくるが、永遠の好敵手といえば、この木村健悟なのかも知れない。
今回のこの放送を見れば、藤波のレスラー人生において常に重要な場に木村が共にいたことが明らかだといえる。
ジュニア・ヘビー級王者として藤波の挑戦を受け、藤波が初めて師・猪木越えを果たしたタッグ戦ではパートナーとして。史上初のワンマッチ興行として多くの話題を呼んだ後楽園大会では一騎討ち。そしてUターン参戦を果たした長州らとの対戦では再び良き相棒として。常に藤波と共に歩んできたレスラー人生であった。
現在は区議会議員として活動している木村さんだが、プロレスラー時代も現在も、常に他人を支える力強い存在だったといえるのかも知れない。
本人に聞いてみなければ分からない名勝負の裏側、それを知ることができるのがこの番組のいいところ。そして改めてその人のレスラー人生を改めて振り返れるのも、この番組の最大の見所。
古き良きプロレス、今現在もいつかは過去の歴史となる。そうなったときにどれだけの人がそこに興味を示してくれるのか、そして熱い思いを抱いてくれるのか?それはただ平凡にやっていたのでは、とても到達できることはない世界といえる。
平凡ではない、波瀾万丈な世界、だからプロレスは面白い。