田舎暮らしを探す旅② | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 現地へ着くと、そこはまさしく私が幼少期から中学三年までを過ごした故郷の横浜・都筑と似たような光景だった。


 小さな坂道を登っていくと、ポツンとあった一軒屋。周囲は竹藪、まさに自然に包まれた素晴らしき環境だ。


 都会っ子の人たちからしたら、余りにも寂しい光景なのかも知れない。でも私にとっては懐かしさ以外の何物でもない。そこにある空気、風、匂い、すべてが愛おしく思えてくる。


「虫は大丈夫ですか?」


 友人から真っ先に聞かれたが、「虫も蛇も蛙も、野うさぎとだって、幼い頃には間近に接してきたよ」と答えた私。


 これだけ自然に包まれていたら、虫が出てくるのは当然のこと。大歓迎とは言わないが、そういう環境なのだから、そこにいて当たり前。むしろまったくいない方が不自然だ。


 ちなみにこの友人のスゴいところは、まさに手作業で自分の居心地のいい環境を業者に頼まず、自ら、しかも安価で作り上げてしまったところだ。


 草を刈った庭を整地し、木製のパレットを敷いて溝に板を嵌め込み、その上にテントを設置して特別な部屋を作り上げた。昼間はチャックを開けてオープンルームとし、夜にはチャックを閉めて自然な個室を実現。ゆったりとしたイスに座り、薪ストーブに当たっていると、実に静かで心地よい時間が流れていく。本当に心から安らげる快適な空間だった。




 テントの横には流しとBBQコンロ、薫製器まで設置されている。当然、調理はすべて炭火でやるので食材の良さを存分に活かしてくれる。肉を焼いても魚を焼いても、野菜を焼いても、これが格別に旨かった。 


 但し、当然のことだが、火を起こすことからすべてが始まるので、何を調理するにも時間はたっぷりとかかる。時計はゆっくりと、普段より何倍も遅く進んでいる錯覚さえ起こるのだが、それでいて特別なことは何をするでもなく、あっという間に流れていく。

 でも本来、「人間の過ごす一日ってこうだったんだよな~」と改めて思った。朝起きて田畑に向かい、畑仕事を終えて家に戻り、風呂にはいって食事を済まし、暗くなれば床につく。自然の流れと共に時間を生きることが、人間の常だったはず。

 文明開化によって24時間明るい場所があり、24時間誰かしらが働いている。確かに便利になって助けられている部分は多々あるが、それが本当に人間の自然な姿なのか?といえば、そこはやはり素直に頷く気にはなれない。

 私は以前から、高層ビルやマンションのない町に行くと、ホッとしている自分がいることに気がついていた。実際、今住んでいる川口という街も大好きなのだが、どこか気持ちがいつも張り詰めているような気がしてならなかった。

 自分が住んでいるマンションも九階建ての八階。元々、それに憧れてここに住むようになったのだが、どこか落ち着かない自分がいることに気づいていながら、あえて気づかないフリをしていたのである。

 都会には都会のいいところがある。私は東京に生まれ、横浜の外れで育った。コンクリートジャングルの都会も、田んぼや畑に囲まれた田舎も、どちらも経験することで大人になった。

 どちらが本当に自分に適しているのか、その答えはハッキリとは分からない。もしこのまま田舎に移住する決断をしたら、最初は楽しくて仕方ないだろうが、いずれ退屈だといって都会に戻ってこようとする自分が出てくるような気もする。

 人間は誰だってないものねだりをするもの。きっと私もそれは例外ではない。ならば二重生活をすることが一番の理想なのかな?そんな思いが芽生えてきた。…もちろん、そんな簡単に答えが出せる問題ではないのだが……。

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