愛すべき怪物レスラーたち⑩ベイダー | 俺ってデビルマン!?

俺ってデビルマン!?

知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。



ベイダー 193cm、200kg
1955年5月14日生~2018年6月18日没
大学時代からアメフトでならし、プロに転身。膝の故障で引退すると、1985年にブラッド・レイガンズの指導を受けてレスラー・デビュー。アメリカではAWA、ヨーロッパでCWAに参戦し、マサ斎藤のスカウトを受けて1987年に新日本へ初来日した。日本では全日本の三冠、新日本のIWGP、NOAHのGHCと三大メジャー王座に加え、UWFインターのプロレスリング世界ヘビー級も獲得。アメリカではWWF、WCW、ヨーロッパではCWA、メキシコではUWAと世界各地のメジャー主要王座を保持してみせ、その実力を誇示した。

 ある意味、ベイダーほど怪物というフレーズの似合うレスラーはいないのかも知れない。とにかく、する動きの一つ一つがすべて豪快であり、見る者の心を揺さぶってくる。

 大技でなくてもその破壊力、漲るパワーが伝わってきて、存分にプロレスラーの強さ、凄みを発揮してくれる選手の代表格だといえるだろう。

 NOAH在籍時、私は秋山準選手にこんなことを聞いたことがある。

「あのベイダーハンマーって、自分の手首で相手の頭を殴ってるけど、あれで威力はあるの? とても見た目には痛そうに見えないんだけど…。パンチや張り手の方が良くない?」

 すると秋山選手は、黙って私の頭を自分の手首で横殴りにしてみせた。もちろん、力は全然入っていない。軽くこづく程度だ。

 それでも、脳が揺れるような感覚をおぼえ、一瞬、平衡感覚を失った感じがした。

「分かります? 痛みじゃないんですよ。脳が揺れる感じがしません? それだけで身体がフラッとして、立っていられなくなる」

 あれだけの巨体であの迫力、そして的確に攻撃してくるクレバーさ。世界を股にかけた活躍は伊達ではない。

 元々はUインター参戦時にルールに適応し、なおかつ蹴りを主体とする日本人勢に対抗するための打撃技として用いたらしい。

 ムーンサルトプレスなど空中殺法も使うが、だからといって決して軽業師にはならず、重みのある攻撃を重視する。自分のウリが何であるか、そしてそれを最大限に活かすために何をするべきなのか、それを理解しての戦術なのだろう。

 どんなオーソドックスな技でも、鍛えよう、使いようによっては必殺技に昇華させることができる。それができるのが怪物レスラーの何よりの証なのかも知れない。

【HIS】旅行プログラム

 一休.com

 ECCビジネススクール