愛すべき怪物レスラーたち⑧ロード・ウォリアーズ | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。



アニマル・ウォリアー 189cm、135kg
1960年9月12日~2020年9月22日(没60歳)

ホーク・ウォリアー 191cm、125kg
1957年9月12日~2003年10月19日(没46歳)

 NWAジョージア地区でオレイ・アンダーソンのブッキングを受けてポール・エラリングをマネージャーにロード・ウォリアーズを結成。「シカゴで用心棒をしていた、貧しい時代には鼠を食べていた」などの逸話と共に、圧倒的な突進力で業界を席巻。暴走族スタイルからモヒカン&逆モヒカンで顔にペイントを施し、時代の寵児となりえた。その後もAWA、NWAクロケット派、WCW、全日本、新日本、WWF、WARなどで大活躍。ちなみにNWA、AWA、WWFの世界三大タッグ王座を獲得した史上唯一のチームとなる。もちろん、日本でも全日本でインタータッグ、新日本でIWGPタッグ王座を獲得。1985年に日本に初来日したときは、それ以前にテレビ東京で放送されていた『世界のプロレス』で紹介されていたことにより、プロレスマスコミだけでなく、一般報道も巻き込んで大ブームに。まさしく、日本プロレス界に新時代を築いたといえるだろう。

 ウォリアーズって怪物レスラーなのだろうか?

 このブログは以前から書いている通り、あくまで私の個人的な見解であり、何の権威もない。だから私がそうだと思えばそうだと書けばいいし、違うと思えば違うと書けばいい。だけど、このウォリアーズに関してはどうにも答えが見出だせない。

 以前書いたように、私が怪物レスラーに必要な条件は、一発の強さと怖さを持つレスラーだと思っている。と同時に、鍛え上げた強さではなく、ナチュラルな強さを持つレスラーだと思っている。

 そういう意味では、ウォリアーズは後者ではなく前者なのではないだろうか? ウォリアーズから感じられる強さはナチュラルなものではなく、鍛え上げられたもの、そんな気がする。

 そして一発の強さと怖さも、合体技の派手さと見映えの良さはあるものの、一人一人の技自体にはそれほど感じない。二人揃っていれば怪物チームだが、一人一人では怪物レスラーとは思えない、というのが私の正直な見解だ。

  試合そのものに関しても、私のなかで『これがウォリアーズのベストバウト!』といえる試合がない。自分たちが圧倒的な強さを打ち出すとその魅力は爆発されるが、双方の実力が惜しみ無く発揮された試合、というとあまり覚えがない。

 例えるなら天龍や小橋のような、受けの美学による実力。真っ向から受けて真っ向から返す、それによって己の強さを打ち出す底力とでもいうべきだろうか?

 ここまで書くと『ウォリアーズは怪物レスラーではない』という結論に達しそうだが、そうはならなかった。何より、初めてウォリアーズを見たときの衝撃は、例えようがないほどに凄かったからだ。

 脱兎のごとくリングに駆け上がり、竜巻のごとく相手を蹴散らしていく。気づいてみればあっという間に勝負はついており、その秒殺劇には本当に心躍らされたものだ。

 じっくりとしたレスリングで突破口を切り開き、理詰めの攻撃で相手にダメージを蓄積させていく、そんなオールドレスリングの理屈をブチ壊していくウォリアーズの出現は、それまでに構築された街並みを一網打尽に踏み潰していくゴジラのようにも見えた。そういう意味では、ロード・ウォリアーズも立派な怪物レスラーだ。

 だから、私がこれまであげてきた怪物レスラーとは毛色の異なる、あくまで新種の怪物レスラーといったら一番適切なのかも知れない。

 結論!ザ・ロード・ウォリアーズ、彼らもまた立派な怪物レスラーだ!

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