全日本4/25後楽園大会TV観戦記 | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 秋山準vs丸藤正道、しっかりと魅させてもらった。現在の全日本でもNOAHでもない、かつての全日本からNOAHへと受け継がれていった正統的進化形スタイル。今の両団体、いや、新日本も含めて歴史のある団体は外様選手の台頭などもあり、かつての価値観とは明らかに違うスタイルが主流となってきている。これは選手個々への問題ではなく、あくまで団体全体のスタイルの問題。オールドファンからすれば、正直、その変化が今の各団体への熱量のなさになってしまい、今のプロレスから遠ざかる要因となっている気がする。

 しかしこの秋山vs丸藤は、確実にかつての全日本、かつてのNOAHらしさをしっかりと受け継がれた闘いだった。ただの大技の撃ち合いではなく、一転集中を中心とした練りぬかれた戦略。見映えの良さよりも、えげつないまでにダメージを与えていく一つ一つの攻撃。その組み立てによって最大限に活かされていく必殺技の威力。今は昔の映像でしか見られない私の愛したプロレスが、確かにそこには存在した。丸藤の全日本参戦は団体内外から賛否両論あったというが、私のように今のマット界から遠ざかっているオールドファンを呼び戻そうという思いがもし団体内にあるのだとしたら、この行動は確実にプラスになったと思われる。

 果たして、春の覇者となった丸藤は全日本の頂点の証である三冠へビー級王座と、方舟の至宝GHCヘビー級王座に連続挑戦することとなった。その結果がどうであれ、この丸藤の行動は新日本1強時代に風穴を開ける一大ムーブメントに繋がる可能性を大いに秘めている。できることなら、全日本vsNOAHの全面対抗戦にまで発展していってほしい。ずっとそれぞれの団体を支持してきたファンからすれば複雑な思いもあるだろう。だが、メジャーとは呼びきれない今の両団体の元気のなさを、現状より発展するために必要な何かを、この闘いによって得られる可能性が高いからだ。

 かつて新日本と人気を二分したメジャー団体の全日本とNOAH。この両団体が名実ともに真のメジャーと再び呼ばれるようになるためには、あの聖地での興行が絶対不可欠になる。『東京・日本武道館で全日本vsNOAHの全面対抗戦!』そんな夢の闘いを私はぜひ見たい❗