当院には競輪選手が何名か来られていますが、
彼らの施術にあたっているとハリが入らない箇所がいくつもあることに気づきます。
だいたい、お尻の外側(中殿筋あたり)に念入りに固まった場所があり、
鍼の番手でいえば5番や8番以上の太めのハリを用いないとハリが曲がって入らないのです。
そこはレース時に転倒して(落車といいます)、地面などに強く打ち付けて打撲した痕の様です。
よくよく身体をみると、スネや膝、肩、肘など身体じゅうにケガの痕がみられます。
選手としてみれば、勲章のような怪我ですが、鎖骨骨折や肩の脱臼などの痕をみると、
本当に大変だなぁ、本当に戦っているんだなぁと感じてしまいます。
そんなケガの絶えない競輪選手ですが、
落車でケガをした後の処置として、擦り傷や開放性の打撲の場合は”ラップ療法”を必ずしています。
昔は例えば外で遊んでいて転んで、膝を擦りむいたらそこを水で洗浄後、
消毒薬(マキロン・イソジン・オキシドールなど)を塗ったり、ガーゼのついた傷バンドを当てていましたね。
さらに昔は赤チンキ(マーキュロクロム)などを塗っていた記憶があります。
夏休みなど外に虫取りや野球、サッカー、川遊びに走り回っている子供は走って転んだり、自転車で転んだり、木の枝に引っ掛けたりするのでスネや肘はいつも赤チンを塗ったので赤い色をしていましたね。
擦り傷なら赤チンですが、さらに傷が深いときなどは、
病院などで黄色の液体に浸かったガーゼを傷口に着けてその上から、脱脂綿、包帯を巻いてもらうのですが、
数日に1回?そのガーゼを交換する必要がありました。
そのガーゼを剥がすときにガーゼと傷口が浸出液でくっついていて”ベりッ!!”と剥がれて痛いのなんの!
子供心ながら、ガーゼ交換時に恐怖を感じていました。
今考えると、傷口に消毒液塗ったり、かけたり、ガーゼをベりッと剥がしたりしてかえって治りを遅くしていたんですね・・・。
最初にラップ療法を聞いたときは「そうなの!?」とびっくりしましたが、
今や常識になっていますよね。
”消毒をしない! 傷を乾かさない!
これが今の新常識なんですよね。
30年前の人が聞いたらどう思うでしょうか?
話しは戻りますが、ケガが多い競輪選手の間ではもはやラップ療法は常識中の常識!!
特にケガの浅い擦り傷系は治りが抜群に良いとのこと。
ラップ療法のやり方はネットで検索すると、
様々な病院のHPやサイトに出てきますのでそれらを参考になさってください。