人生を不安定にはするけれども

大きな意味で捉えると

のちの人生の幅を広げてくれるのが

海王星。

 

 

それよりも内側、

地上に近い側にある土星は、

安定した基盤を

作ってくれる作用があります。

 

しかしこの安定というもの

それを作るまでには日々日々の繰り返し

ルーティンを大事にするなどの

努力が必要で

その努力する力をくれているのが土星

と言えるのかも?

 

土星は骨格、骨組み、

と言われることがあり、

土星が骨や皮なら

金星は果実と例えられます。

果実は甘くて美味しいけれど腐ってしまいます。

土星は腐らない、骨格、建物でいうなら鉄筋の骨組み。

遊びはないし甘さもないけれど大事な骨組み。

 

 

個人のホロスコープにおいて

月や水星や金星などの個人天体が

土星の影響下にあると

具体的な現象としては

どういうことが起きるかと言うと

幼少期から親や年長者の厳しさの制限を受けたり

厳しい躾を受ける

敷かれたレールの上を歩く…

などなど。

 

既存社会の制限のもとで

そこに馴染むよう、従わされるよう

鍛えられることになります。

 

そういった努力のもとに、

安定があり、

信頼される人格の構築があるわけです。

 

月と土星コンビなら基本的な情緒、感情が鍛えられ

水星と土星コンビなら知性が鍛えられ

金星と土星コンビなら欲望や甘え、恋愛感情などが

制限されながら鍛えられます。

 

太陽土星があれば、主に仕事に関連して

コツコツと目標にむかって真面目に努力する力、

ルーチン的な仕事をこなすことが苦にならない、

という力がもたらされます。

 

ネイタルのチャートにおいて

この土星が

個人天体と絡んでいれば

 

社会の一員としてどのように役割を果たすか、

という意識がもともと育っているでしょうし

社会の一員として周りに順応することは

当然のことである、

という意識がベースに作られます。

 

もちろん、加えて、

そこに天王星や海王星や冥王星の影響があれば、

また話は違ってきてしまいます。

ベースが勤勉であったとしても

後でそれをひっくり返すなど

破天荒な面が遅れて登場してくることになりますが。

 

土星以降の天体の影響は、

より深い影響なので

表面的には見えづらいかもしれず、

後になって出てきます。

そちらの影響の方が

深刻で避けられないものになります。

 

 

土星に鍛えられていない個人天体が、

天王星海王星冥王星とダイレクトに絡んでいるケースでは、

土星の調整や介在を受けることなく

いきなりとんでもないパワフルなエネルギーに

翻弄されてしまいます。

 

もともと鍛えられていない、

常識力のベースがない、

筋肉が整っていないのにも関わらず

いきなりとんでもない夢を見てしまう、

見果てぬ夢に翻弄される、

冒険してしまう、

などなどの傾向が出てきます。

 

土星は、土星外天体からの強力なエネルギーを

調整する、調整弁のような役割を果たしますが、

その調整弁がないまま、ジャッジがないまま

入ってくる情報をそのまま

丸裸状態で取り入れてしまう、ということですね。

 

土星が与えてくれる厳しい鍛錬は

その方を常識の鎧やジャッジで

守ってくれている部分はあり

守ってくれる分、遅延効果は生じてしまいます。

 

どっちがいいのか、

という単純な話ではないわけですが、

丸裸で受け止めるのは大変は大変だろうなと思うけれど

 

土星の影響が強すぎる人生もそれも

大変は大変ですし

またこれも単純な話ではないですね。

 

 

ネイタルに土星の影響が強くない場合は、

トランシットで土星の影響が出る時期の試練を

しっかり乗り越えながら土星力を身につけること、

あるいは周囲の身近な人物が、

その方の個人天体に土星を載せてくれたりして

土星力を与えてくれることもありますから、

そういう人物を煙たがらずにアドバイスに従うこと

(特に若いうち)などが

必要になるでしょう。

 




 

(…と考えるのも私自身が

もともと土星の影響が強い人間なので

そういう思考になってしまうけれど

そうじゃない方からしたら

土星の鍛錬みたいなことはすっとばかして

考えてもいいんじゃないか、

という価値観もあるのかもなあーと思いますが…

私は一応地球人として安定した最低限の幸せみたいなものは

ほしいなあと思ってしまう方なので

そういうフィルタをかけて語っているということは

ご承知おきください。)

 

 

土星は常識力でもあり

老人や年長者を意味し、

新しいものを疑う心でもありますが、

自分を守るために

調整弁として大切な能力でもあると思っています。

 

たとえば金星土星コンビの女性は

若い頃は自分が金星、そばに土星の監視がある、

ということを意味しますから、

なんらかの制限がかけられています。

 

若い楽しい時代を気楽に

楽しめない傾向があり

保守的になり慎重さが生まれますが

それによって浮つきが抑えられ

危険から守られているという面もあります。

 

(加えて

天王星海王星冥王星が関係すると

慎重で臆病なのに時に大胆な行動もとるという

複雑さがでてきますが)

 

 

また、

自分が年長者、高齢になった際には

自分が土星自身になりますから、

そばに金星がいるということで、

逆に若返り現象を起こし、

若い人との交流が絶えない

ということを意味したりもします。

 

 

実は私自身のホロスコープは

土星の影響、

天王星の影響がかなり強いチャートなので、

その影響下から出てものを見ることが難しいのだな

ということは

ここ数年痛感しており

 

私のパートナーは

土星の影響が個人天体にあまり及んでいない

ホロスコープなので

彼のぶっ飛んだ価値観や

地に足のついてない感じが

私には理解不可能な面があり、

 

土星の影響を持たない人との

共通言語がない、

対話が難しいというのはあるのだなあと。

 

 

なので、

大体同じような学歴偏差値

同じ会社に属していて

一つの共通概念を持って

安定して仕事ができるというのは

 

同じような土星の作用のもとにある

人々の集まりの集団の

内側にあるからなのだろうなあと。

 

土星の内側だけに閉じて安心して生きられる

というのが一応の地球人としての

「安定」ではあるよなあと。

 

 

私の場合、

結局は天王星海王星の影響の方で

常識の外側の生き方を選んだ方が

自分には合っていた、とはなったわけですが、

それでもやはり土星力みたいなものは

絶対に大事でしょう、という感覚はあります。

 

 

 

私自身の場合は

天王星の影響も強いので、

変人扱いにはそもそも慣れているし、

「普通はこうでしょう」

というふうに常識を押し付けられることにも

違和感もあるのですが、

(それはどの世界の普通?というふうにすぐ問いかけたくなってしまう)

かといって、

あまりにも基本的な常識から外れた行動をとられることにも

違和感もあり。

土星も天王星も

両方強いんだなー

ということをよく実感します。

 

 

自分にとっての普通が通じない、というのは

ホロスコープの違いから読み取れますが

 

そもそもの常識感覚のあるなしは

それぞれの土星力がどのように鍛えられているのか?

を見ることでもわかるのかもなあと。

 

 

他の方のホロスコープの視点の中に入り込んで、

そしてその人生を追体験するという意識は

大事だなあと思います。

 

 

私はそもそもこの理論で言うと前者で、

 

 
視点をずらすとか
他者の立場に立つというような視点の持ち方がそもそも苦手で、
「本当にわからないものはわからないのだ」で終わってしまっていたし
 
以前の仕事なら
技術職なのもあって
それはそれで許されていたわけですが
 
今のような仕事に就くと
それでは許されないという局面が増えてくるよなあと。
 

 

私には自然にわかっていることが

他の人にとってはわからないことであること…、

 

どうしてわからないんだろう?

じゃなくて

なぜわからないのかなと

その理由を読み解いていくことが大事であること

 

その方のホロスコープを踏まえて

どこから伝えていけばいいのかを読み解くことが

大事なのだろうなあと。

 

 

私はそもそも土と火の要素が強くて、

感情に寄り添う、

というようなことが苦手だな〜

(何がわかっていないのか自体がわかっていなかった)

と思いながら生きてきたのですが、

 

(決して他者の気持ちに共感そのものはできなくても、

頭で理解はできるので、

理解しあって生きてきた)

 

太陽が蟹座なのと、

天王星とドラゴンヘッドが蠍座で、

水の星座も苦手ながら頑張らねばならないと。

人の感情に思いっきり寄り添ってその深みに入っていく、

ということが

人生後半の大きなテーマになってくるのだろうなあと。

 

 

土星力、が個々人のチャートにおいて

どういう働きをしているのか

土星が弱い場合どうそれを補完していくのか

あるいは後天的に補完できるものなのかどうか

などなど

それぞれの場合に即して

考えていく必要があるよなあと。

 

 

続きます。