錦燦燦 - 南禅寺とその塔頭 - | across the sky, beyond the horizon

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あの空の向こう、あの水平線の彼方…
私は何を見て、何を想うのだろう…

 

もみじ 紅葉のピークを迎えた古都は朝から騒がしかった

 

 

ここ南禅寺にも観楓の人波が怒涛となって押し寄せていた

 

 

 

南禅寺は京都駅からの交通アクセスも良い

それにここを起点にすれば北に永観堂や哲学の道、西に岡崎へと散策もできる

 

 

 

何より広い境内に散りばめられた美しい紅葉を楽しむことが出来る

境内の散策なら拝観料もかからないから、もはや寺院というより市民公園のようだ

 

 

 

そんな南禅寺に入った私は今年も天授庵を訪れた

天授庵は南禅寺の塔頭のひとつでその紅葉の美しさで名高い

 

 

 

天授庵から眺める巨大な三門の佇まいが何気に好きだったりする

かの石川五右衛門はこの三門から洛中を見下ろし「絶景かな!」と見栄を切ったそうだが

ここから見上げる三門も絶景だと思うのだ

 

 

 

枯山水庭園の紅葉は残念ながら落葉が盛んだった

 

 

 

初めて訪れた時の紅葉の見事さが未だ脳裏に焼き付いている

それが毎年天授庵を訪れる動機にもなっているのだが

 

 

 

池泉回遊の庭園もこのタイミングでは絢爛豪華に侘びた風情が入り交じる

それでも錦の極彩色は保たれていて流石の美しさだった

 

 

 

池のほとりに立っていると錦鯉が近寄ってくる

犬や猫のように餌をねだるような仕草でいつまでも側を離れない

もう少し仕込めば飛び跳ねたりウィンクしたり出来るのではないか

 

 

 

天授庵の次に訪れた塔頭は南禅院

ここも紅葉の名所だが南禅寺の境内や天授庵と比べれば人出も少なく落ち着いている

 

 

 

天授庵同様に南禅院でも落葉が進んでいるように見えた

しかし、十分に綺麗なのだ

 

 

 

過去に見た美しい錦秋の光景を美化しすぎるあまり、現実に否定的になるのは良くない

人の欲にはキリがないと反省できたのも禅寺の庭園だったからこそかも知れぬ

 

 

 

優雅な錦秋の趣

元は離宮だったことを誇るかのような金色のきらめきに心奪われた

 

 

 

瑠璃光院や実相院には敵わないけれど床紅葉だって見られる

南禅院は紅葉の名所として強く勧めたい

 

 

 

南禅院のすぐ前には水路閣が通っている

水路閣はもはや南禅寺を訪れるための最大の理由にもなっているようだ

 

 

 

京都の「インスタ映え」するスポットの中でも人気は最上位に入るだろう

誰がどんなポーズをとっても様になる雰囲気がある

 

 

 

それにしてもほとんど全ての人が写真や動画を撮っている

スマホの普及とアプリの進化、そしてSNSのブームに乗って誰しもが素敵な絵を発信出来る

こんな面白い時代がかつてあっただろうか

 

 

 

紅葉の南禅寺、境内のどこを切り取っても西陣織の如くきらびやかだった

 

 

 

それでいてどこか落ち着いた趣きは古都の晩秋をより印象深いものにした

錦に包まれた古寺で過ごした幸福な時間を、人々は生涯忘れないのだろうと思った もみじキス

 

 

 

 

撮影地:南禅寺境内、天授庵、南禅院(2017年11月19日)