紅葉の谷に吹く風は - 大矢田神社と夜の横蔵寺 - | across the sky, beyond the horizon

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あの空の向こう、あの水平線の彼方…
私は何を見て、何を想うのだろう…

 

 

もみじ 随分と寒くなった

時雨まじりの休日、大矢田神社に向かった

 

 

 

大矢田神社は先日訪れた谷汲山華厳寺と両界山横蔵寺とあわせ、

地元では「美濃三山」と呼ばれる紅葉の名所である

 

 

 

広い境内にはヤマモミジがたくさんあってその様子から「もみじ谷」とも呼ばれている



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その「もみじ谷」は先ほどまで靄で霞んでいたがそれもようやく晴れつつあった

 

 

 

雨が降り続いていたこともあって、もみじ狩りに訪れる人は少なかった

冷たい雨に打たれて散ったヤマモミジは人気のない路上を綺羅星のごとく飾っていた

 

 

 

観光バスがやってきた。もみじ狩りに訪れたのは外国人の団体であった

こんな田舎の紅葉でさえもインバウンドの目的地になるのかと驚いた

 

 

 

次の祝日には秋祭りが行われる

秋祭りでは戦国時代から伝承されている人形を用いた寸劇が催される

 

 

 

もみじ谷の紅葉は昔話や民話に出てくるようなおおらかさがあった

スローな時の流れに身を任せたもみじ狩りで心も穏やかになった

 

 

 

さて、この日の夜は横蔵寺のライトアップに行ってみた

 

 

 

先週訪れた時が紅葉のピークだったようだ

夜目にもかなり散ってしまったのがわかった

 

 

 

それでもライトアップされた境内は荘厳な雰囲気で見るものを圧倒した

 

 

 

照らされた紅葉の美しさもさることながら、古刹の幽玄の世界にただ夢中になる

 

 

 

幽谷の古寺の夜は凍えるような寒さだった

ついには冷たい風が吹きはじめ、カエデの樹々も大きく揺れた

そのたびに、ひとひら、またひとひらと落葉してゆく

 

 

 

カエデの樹々ももう長くは色づいていられないと悟ったのだろうか

不意に強く吹いた風に大きく震えると火龍のごとく闇夜に吠えた

咆哮の後、その命を削るように色づいた葉を何枚も散らした

そして、季節は冬へと移ろってゆく もみじもみじ

 

 

 

 

撮影地:岐阜県美濃市 大矢田神社

    岐阜県揖斐川町 両界山横蔵寺

    (2017年11月18日)