紅寺巡礼 〜高雄・神護寺〜 | across the sky, beyond the horizon

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あの空の向こう、あの水平線の彼方…
私は何を見て、何を想うのだろう…


この週末は京都に滞在している
お目当ては古都に押し寄せる多くの観光客と同じく紅葉狩りだ

天候にも恵まれ気温も高め、絶好の行楽日和
こうなると、たくさんの場所を訪れたいと欲張りにもなる
私は寺院の紅葉を愛でにきたのだが、巡礼のように紅葉狩りをしていこうと思う


巡礼紅葉狩り最初の寺院は、高雄の神護寺
古来、紅葉の名所として名高いが、京洛に数ある名所の中でも最初に紅葉の便りが届く所だ



午前中早めに京都駅についたにも関わらず、高雄方面行きのバスは長蛇の列
シーズンたけなわでもあって道も混み、1時間半ほどもかけて辿り着いた高雄の里は想ったほど紅くなかった
去年より1週間は遅い? 盛りというまではあと少しの時間がかかりそうな様子だった




それでもさすがに天下の観楓地、ところどころ真っ赤に燃え盛るカエデがあり、ガッカリすることはない




門をくぐると紅葉に彩られた境内が開ける
開祖・和気清麻呂の廟所や鐘楼などの見どころもあるが、やはりあの石段に心がはやる





足早に毘沙門堂まで赴き大師堂の方に回り込む
そこで目を閉じて深呼吸し、パッと目を開ける… すると今年も美しい光景が待ってくれていた




参拝客を金堂へと導くこの石段は神護寺のシンボルだと思う
その石段に絶妙の具合で覆い被さるカエデの紅色や朱色が素晴らしい




神護寺の秋、京都の秋を体現する景観
参拝客や観楓の観光客で賑わうのもまた趣があってよいと思っている




石段を上りきったところにある金堂に参拝
神護寺は最澄・空海といった当時のスーパースターと関係があるが、
空海はここに住まい、真言密教を盛んにしたゆかりの寺だ

ちなみに、金堂内部に飾ってある源頼朝の肖像画(写本)はまさに教科書で見たアレだ。必見






その空海の教えを守護するかのように、金堂の脇には不動明王が侍している
背後にかかる紅葉は燃え盛る紅蓮の炎と見まごうほどだった





金堂を後にして、また石段を下る その時に広がる絶景も忘れずにまぶたに焼き付ける




紅葉と石段とお堂の絶妙なバランス関係がこの時期の神護寺の魅力を深めている気がする





立ち去る前に神護寺のもうひとつの名物、「かわらけ投げ」に挑戦
売り子さんから素焼きの小皿を100円で2枚買い求める


眼下に広がる錦雲渓という谷間に小皿を2枚を投げ入れ、それが厄除けになる
だが、なかなかうまく飛んでいかない 
やはり煩悩が重すぎるということなのかと苦笑せざるを得ない




神護寺のカエデはそれぞれが個性的に思える
情熱の赤、きまぐれな橙、誘うような紅、すまし顔の朱
それぞれが魅力的な女性のようだ


本当は彼女たちがより一層妖艶になる夜のライトアップまで待ちたかったが、
今年は後ろ髪を引かれる思いで先を急ぐことにした