③から続く
本人に確認すればすぐバレるオレオレ詐欺と違い、
義父が引っ掛かった振り込め詐欺が巧妙なのは、
すぐに詐欺と気づきにくい事だ。
実際私が不審に思うまで、
義父は微塵も疑っていなかった。
詐欺グループも、欲をかいて2度目に手を出さなければ、
バレずに済んだ訳だ。
その時に使われた口座が、
何度も振込-出金を繰り返していた事から、
他にも相当数の被害者がいたはず。
だが誰一人届け出をしていない、という事は、
気づいていないか、
恥だと思って黙っていたか、
返ってくる筈が無い、と思って諦めたのか、だと思う。
だが、義父は最初の10万弱の被害だけで済んだ。
(口座に残った2度目の振込プラス、
恐らく利子だろう、
幾らかの端数も合わせて返金されたので)
諦めてはいけない。
今は法律もできているので、
もう少し迅速に進むだろう。
刑事さんが、モグラ叩きと同じで、
潰しても潰してもまた出てくる、と嘆いていたが、
実際電話と人さえいれば、
元手無しでできる振り込め詐欺は、
簡単にできる犯罪なのだろう。
迂遠でも、一つ一つ潰していくしか無いのだと思う。
そうそう、義父は送り付け被害にも遭っていた。
あの世代の人は、天皇への敬愛の気持ちが強いので、
バカ高い写真集や額やカレンダー等を、
何度も売りつけられていた。
同居してからは私が受け取りを拒否したが、
それでも送り付けて来る。
1度知らずに息子が受け取ってしまった時は、
開封せず着払いで送り返したら、
さすがにそれ以後は送ってこなくなった(笑)
何度も詐欺被害に遭う人は、
「カモリスト」に載せられていると思われる。
後日税理士さんから聞いたのだが、
訳の分からない寄付もかなりしていたらしい。
日赤などの税金の控除に使える寄付はまだしも、
そうではない物も沢山あって、
断ることができない義父は、
詐欺紛い集団の、
格好のカモにされていたようだ。
同居してそういう事情が分かってからは、
義父に怪しげな電話は取り次がないように義母にも言い、
私が出た時はハッキリ、詐欺ですよね、と言えば、
大体向こうからガチャ切りされる(笑)
それでも義父の名前が載ったカモリストが相当出回っていたようで、
その後も何度もそういう電話が掛かってきた。
話を聞いて、連絡先の携帯番号を確認してから、
警察に番号を知らせた事もある。
皇室の写真集を扱う業者からは、
亡くなって9年になるのに、
まだたまに電話がある。
亡くなっていると伝えて、
名簿から削除するように何度言ってもだ。
余程美味しいカモだったのだろう。
今回義父が騙された紳士録詐欺犯には、
聞いてみるとおかしい事が幾つもあった。
典型的なのは、最初の詐欺時と2度目とで、
告げられた携帯番号が違っていたこと。
水没させて番号が変わった、と言い訳していたそうだが、
今時水没させた位で、
携帯は変わっても番号など変わらない。
ましてやちゃんとした仕事に使っている電話なら、
変えるはずがない。
だが高齢者にはそういう事情がよく分からないようだ。
そして送ってきた手続き終了証明書の住所が東京になっているのに、
振込先口座が大阪であったこと。
当然、その東京の住所を検索しても、
そんな業者は出てこない。
まあパソコンを使えない高齢者が、
気づくのは難しいのかもしれないが、
それなら子供なりに相談するべきだろう。
よく言われる事だが、
1人で判断せずに、
回りに相談しなさい、だ。
そして相談された側も、
決して騙された人を責めないこと。
詐欺は、引っ掛かった人も不注意ではあるが、
圧倒的に騙した方が悪い。
なのに怒られる、責められると思うから、
隠そうとし、被害が拡大する。
騙されたと分かれば、
大半の高齢者は凹むので、
そこはその気持ちに寄り添って、
一緒に闘ってあげて欲しい。
そして不運にも巻き込まれてしまったら、
できるだけ早く警察に被害届を出して、
振込先の銀行に連絡すること。
幾らかでも戻ってくる可能性はあるので。
世に詐欺の種は尽きまじ、だが、
被害に遭わない為には、
それなりに自衛手段も必要だろう。
常時留守電にしておくのも手だし、
登録されていない番号から掛かってきた通話は鳴らないように設定できる電話器もある。
着信と同時に、この通話は録音しています、と通知する電話器もある。
後ろ暗ければその時点で電話を切る。
と同時に、組戻しに振込先の同意が要る、という制度を何とかできないか。
この制度は、振込先が善意の第3者である、という性善説の下に成り立っている。
間違って振り込まれたのだから、
返金に応じるはずだ、という。
だが、今回の阿武町の事件や、
振込詐欺事件の様に、
振込先に悪意がある場合、
事は簡単には進まない。
そもそも組戻しは振込口座の名義人しかできない。
振り込んだ本人が間違ったから戻してくれ、と言っているのに、
戻すことに何の支障があるのだろう。
銀行は手数料が入る訳だし、
誰も損をしない。
ここはひとつ、制度の改定を検討して欲しいと思う。
以上が義父の引っ掛かった振り込め詐欺の顛末だ。
年々増えていく被害総額を見ていると悲しくなる。
被害を未然に防ぐ為に、
そして被害を受けてしまっても、
被害を回復する為に、
術はあることを知って欲しい。
勿論、被害に遭わないのが一番なんだけどね。
長々と書きましたが、
少しでも参考になれば幸いです。
読んで下さってありがとうございました。