③から続く



本人に確認すればすぐバレるオレオレ詐欺と違い、

義父が引っ掛かった振り込め詐欺が巧妙なのは、

すぐに詐欺と気づきにくい事だ。

実際私が不審に思うまで、

義父は微塵も疑っていなかった。

詐欺グループも、欲をかいて2度目に手を出さなければ、

バレずに済んだ訳だ。



その時に使われた口座が、

何度も振込-出金を繰り返していた事から、

他にも相当数の被害者がいたはず。

だが誰一人届け出をしていない、という事は、

気づいていないか、

恥だと思って黙っていたか、

返ってくる筈が無い、と思って諦めたのか、だと思う。


だが、義父は最初の10万弱の被害だけで済んだ。

(口座に残った2度目の振込プラス、

恐らく利子だろう、

幾らかの端数も合わせて返金されたので)


諦めてはいけない。

今は法律もできているので、

もう少し迅速に進むだろう。


刑事さんが、モグラ叩きと同じで、

潰しても潰してもまた出てくる、と嘆いていたが、

実際電話と人さえいれば、

元手無しでできる振り込め詐欺は、

簡単にできる犯罪なのだろう。

迂遠でも、一つ一つ潰していくしか無いのだと思う。



そうそう、義父は送り付け被害にも遭っていた。

あの世代の人は、天皇への敬愛の気持ちが強いので、

バカ高い写真集や額やカレンダー等を、

何度も売りつけられていた。


同居してからは私が受け取りを拒否したが、

それでも送り付けて来る。

1度知らずに息子が受け取ってしまった時は、

開封せず着払いで送り返したら、

さすがにそれ以後は送ってこなくなった(笑)



何度も詐欺被害に遭う人は、

「カモリスト」に載せられていると思われる。

後日税理士さんから聞いたのだが、

訳の分からない寄付もかなりしていたらしい。

日赤などの税金の控除に使える寄付はまだしも、

そうではない物も沢山あって、

断ることができない義父は、

詐欺紛い集団の、

格好のカモにされていたようだ。



同居してそういう事情が分かってからは、

義父に怪しげな電話は取り次がないように義母にも言い、

私が出た時はハッキリ、詐欺ですよね、と言えば、

大体向こうからガチャ切りされる(笑)


それでも義父の名前が載ったカモリストが相当出回っていたようで、

その後も何度もそういう電話が掛かってきた。

話を聞いて、連絡先の携帯番号を確認してから、

警察に番号を知らせた事もある。


皇室の写真集を扱う業者からは、

亡くなって9年になるのに、

まだたまに電話がある。

亡くなっていると伝えて、

名簿から削除するように何度言ってもだ。

余程美味しいカモだったのだろう。



今回義父が騙された紳士録詐欺犯には、

聞いてみるとおかしい事が幾つもあった。

典型的なのは、最初の詐欺時と2度目とで、

告げられた携帯番号が違っていたこと。


水没させて番号が変わった、と言い訳していたそうだが、

今時水没させた位で、

携帯は変わっても番号など変わらない。

ましてやちゃんとした仕事に使っている電話なら、

変えるはずがない。

だが高齢者にはそういう事情がよく分からないようだ。


そして送ってきた手続き終了証明書の住所が東京になっているのに、

振込先口座が大阪であったこと。

当然、その東京の住所を検索しても、

そんな業者は出てこない。


まあパソコンを使えない高齢者が、

気づくのは難しいのかもしれないが、

それなら子供なりに相談するべきだろう。

よく言われる事だが、

1人で判断せずに、

回りに相談しなさい、だ。


そして相談された側も、

決して騙された人を責めないこと。


詐欺は、引っ掛かった人も不注意ではあるが、

圧倒的に騙した方が悪い。

なのに怒られる、責められると思うから、

隠そうとし、被害が拡大する。


騙されたと分かれば、

大半の高齢者は凹むので、

そこはその気持ちに寄り添って、

一緒に闘ってあげて欲しい。


そして不運にも巻き込まれてしまったら、

できるだけ早く警察に被害届を出して、

振込先の銀行に連絡すること。

幾らかでも戻ってくる可能性はあるので。




世に詐欺の種は尽きまじ、だが、

被害に遭わない為には、

それなりに自衛手段も必要だろう。

常時留守電にしておくのも手だし、

登録されていない番号から掛かってきた通話は鳴らないように設定できる電話器もある。

着信と同時に、この通話は録音しています、と通知する電話器もある。

後ろ暗ければその時点で電話を切る。



と同時に、組戻しに振込先の同意が要る、という制度を何とかできないか。

この制度は、振込先が善意の第3者である、という性善説の下に成り立っている。

間違って振り込まれたのだから、

返金に応じるはずだ、という。


だが、今回の阿武町の事件や、

振込詐欺事件の様に、

振込先に悪意がある場合、

事は簡単には進まない。


そもそも組戻しは振込口座の名義人しかできない。

振り込んだ本人が間違ったから戻してくれ、と言っているのに、

戻すことに何の支障があるのだろう。

銀行は手数料が入る訳だし、

誰も損をしない。

ここはひとつ、制度の改定を検討して欲しいと思う。



以上が義父の引っ掛かった振り込め詐欺の顛末だ。

年々増えていく被害総額を見ていると悲しくなる。

被害を未然に防ぐ為に、

そして被害を受けてしまっても、

被害を回復する為に、

術はあることを知って欲しい。

勿論、被害に遭わないのが一番なんだけどね。



長々と書きましたが、

少しでも参考になれば幸いです。


読んで下さってありがとうございました。



②から続く



被害届を出すと、

警察が受理書を出してくれる。

銀行からその受理書を送れ、と言われた。


で送ったのだが、その後何も言ってこない。

こちらも高齢者2人抱えて毎日忙しいので、

ついついそのままになっていた。


そのうちまた銀行から電話があり、

1月に被害に遭った分の被害届も出してくれ、と言う。

仕方ないので再び警察に電話し、

受理してくれた刑事さんを呼んで貰い、

銀行に言われた事を伝えた。


そんなこと言うてますか。

話は前に全部聞いてるから、

こちらで書類を作っときます。

お義父さんはもういいから、

あんただけ判子持って来て下さい。


と言ってくれた。


で、またまた警察に出向き、

読み上げ・確認・押印、をして、

受理書を出して貰い、

それを銀行に送った。



ところが4月になっても全く連絡が無く、

痺れを切らしてこちらから問い合わせても、

一向に要領を得ない。



実は、当時は知らなかったのたが、

詐欺に使われて凍結された口座に、

引き出される前の多額のお金が眠っていて、

金融機関側も困っていたらしい。


それを凍結解除して被害者に返金する、

法的根拠が無かった。

で、丁度その為の法律を作ろうとしているところだったのだ。

銀行はそれを知っていて、

本当に成立するか、いつできるか、がはっきりしないので、

のらりくらりと引き延ばしをしていた訳だ。


夏頃に再度問い合わせをした時に、

漸くその辺りの状況を教えてくれた。



https://www.zenginkyo.or.jp/hanzai/rescure/ 




結局この振り込め詐欺救済法が制定されたのが、

その年の暮れ。

施行は翌年6月だった。


その後、これこれこういう口座に資金が残っています、

この口座を使って詐欺被害に遭った人は申し出て下さい、という公告を出す。

60日以上の申告期間があり、

締め切った後、届け出があった被害額の割合に応じて、

残った金の振り分けをする。



ウチの場合は、他に届け出た人がいなかったようで、

口座に残った全額が振り込まれたのは、

更に翌年の年始だった。

被害に遭ってから2年余りが経過していた。




更に続きます。




①から続く



詐欺であると確信した私は、

紳士録詐欺の実例をプリントアウトして、

義父に、これは詐欺です、と告げた。


にも拘らず、義父は残り100万も払うと言う。

向こうも困っとるんや、約束したから、と。


人が良い、というより、ただのバカだな(笑)

ま、こういう高齢者が多いから、

巨額の詐欺被害がでるんだろうね。



翌日、開店を待って銀行へ行き、

組戻しの手続きをした。


組戻しには振込先口座名義人の同意が要ることは、

調べて分かっていたので、

手数料だけかかって戻らない可能性が高いことも承知で、

意思表示の為に、手続きをした。



すると、私が銀行に行ってる間に、

詐欺グループから、振込確認の電話があった。


義父は私が教えた通り、

今銀行に組戻しの手続きをしに行ってる、

警察にも届ける、と言ったら、

電話を切られたらしい。


結果、前日振り込んだ30万は、口座に残った。


実際には口座名義人と連絡がつかず、

組戻しはできなかった。

名義人が銀行に届けた住所に電話しても、

母親を名乗る人が出てきてここにはいない、と言うだけだったらしいので、

詐欺グループの一員だったのか、

口座を売り飛ばした人だったのかは分からない。


詐欺グループが組戻しのシステムを良く知らず、

手続きしたら下ろせないと思ったのか、

詐欺とバレたから危なくて下ろせない、と思ったのかは定かではないが。



その後、振込先の銀行に電話をして、

詐欺に使われている口座だと連絡したのだが、

警察からの依頼が無いと、

勝手に口座凍結できないんです、

とにかく被害届出して下さい、との事。

まあ確かに銀行が自由に止められたらまずいわな。


という訳で、午後一で嫌がる義父を車に乗せて、

管轄の警察署に連れていった。


知能犯係の刑事さんに話をしたら、

とにかく先に口座を止めます、と。

振り込まれたらすぐ引き出される、

犯罪性の高い口座であることと、

30万がそのまま残っていることを確認。

その時に刑事さんに、

これはすぐに返ってくるから、

12月の10万だけ被害届出して、と言われた。



警察の調書って大変なんだよ。

聞き取りをしたものを入力してプリント、

それを読み上げて貰って、

間違い無いことを確認して署名捺印。


終わったら5時だったわ。

高齢の義父は相当疲労困憊してたと思う。



その後、最終的に30万は戻ってきたのだが、

そこから2年以上かかった。



その話は長くなるので、次回。


阿武町の誤送金問題を取り上げていて思い出した。

もう10年以上前になるが、

義父が紳士録詐欺という名の、

所謂振り込め詐欺に引っ掛かった事がある。



当時、同居を始めて少しした頃で、

それまでキャッシュカードもATMも使えない義両親は、

銀行員に来て貰って様々な手続きをしていた。


店舗から3分位で来られるから、と、

来て下さっていたのだが、

一昔前にはいた、外交、と呼ばれる営業の銀行員が、

人員削減でほぼいなくなっていて、

内勤の女子行員が来てくれていたことを知り、

迷惑だから止めてくれ、

これからは私が行くから、と言って、

キャッシュカードを作って、

入出金や振込をするようになった。


そんなある日、義父から急ぎで振り込んで来てくれ、と言われた。

金額は10万。

仕事もしていたから、

振込自体は珍しくなかったので、

何も聞かずに振り込んだ。


それが12月の20日過ぎ。


年が明けて1月の10日頃だったか、

また急ぎの振込を頼まれた。

金額は30万。

すぐに銀行に行って振り込んだのだが、

口座の名義人に見覚えがある。


あれここ、この前も振り込まなかった!?


で、帰宅して義父に問い質した。

あれは何ですか?と。



個人情報など問題にもならなかった時代の名残で、

開業した時、義父は紳士録に情報を載せていた。

それこそ名前・生年月日から住所、学歴、家族構成まで。

今では考えられないが、

当時はそれがステイタスであったらしい。


で、その少し前から、

紳士録掲載の更新時期なので更新料を払え、

掲載を止めるなら削除料を払え、という、

所謂、紳士録詐欺が横行し始め、

義父のところにも頻繁に掛かってきていたらしい。

で、公認会計士に相談してみたら、

放っておけば良い、と言われて終了。


だが、小心者の義父は、

繰り返し掛かってくるその手の電話に、

ウンザリしていたらしい。


義父が引っ掛かったのは、

そういう電話を整理して、

掛かってこないようにしてあげます、という詐欺だった(笑)


芸が細かいのは、

最初の詐欺から間も無く、

手続き修了証明書、なる文書が送られてきた。

単純で世間知らずな義父は、

コロッと騙されて、何の疑いも持たなかったのだ。



それが年明け、再度電話があった。

勝手なことをした、と、

右翼が事務所に乗り込んできて暴れて困っている、と。


で、右翼役の詐欺師とも話したそうなのだが、

最初、300万払え、と言われたらしい。

が、当時、あり得ないのだが、

既に赤字で仕事を続けていたので、

そんなに払えない、と交渉し、

130万で手を打とう、という話で落ち着いたらしい。


詐欺師と値引き交渉をする義父も義父だが😆


その130万の内、今手元にあってすぐ払える30万を、

振込に行かされた訳だ。

残り100万は、入金がある翌週に払うと約束したらしい。



その話を聞いて、明らかにおかしい、と思った。

自室に戻ってパソコンで検索したら、

出てくる出てくる、紳士録詐欺。

だがそれは、更新料や削除料ばかりで、

義父が引っ掛かったのは新手の詐欺らしかった。


っていうか、普通の紳士録詐欺で払わないので、

やり方を変えたのかもね。



長くなったので次回に続く。




昨日から知床沖で沈没した観光船・カズワンの船内に、

深海の水圧に馴れる訓練をした潜水士が、

飽和潜水と言われる方法で入って、

捜索をしている。


残念ながら、行方不明者の手掛かりは見つからず、

今後は船体の引き揚げに移行するらしい。



12名の行方不明者の中には、

船内に閉じ込められた人が、

何人かはいるのではないかと思っていたのだが、

結局、全員外へ投げ出されていたらしい。


国後島に漂着した遺体が、

この事故の犠牲者ではないか、という、

ロシアからの連絡もあり、

実際、風や波のシミュレーションでは、

国後島北部に流されている可能性もかなりあるらしい。


だが、漂着していても、

ずっとそこで動かないとは限らない。

更に波にさらわれて行って、

オホーツク海まで流されてしまえば、

見つけるのは益々困難になるだろう。



事故そのものが、

本来出航を見合わせるべき荒天下での、

無理な出航だったのだから、

救助や捜索が遅れたのは致し方無いが、

分かってはいても、

ご家族にしてみれば堪らないだろう。

せめて早く帰してあげて欲しい、と思うが、

決め手になる手段が無い。


事故から1ヶ月。

1日も早い全員の発見を願うが、

このまま見つからなければ、

いつまで捜索を続けるか、も、悩ましい問題だ。

打ち切ります、と言われても、

行方不明者のご家族にすれば、

到底受け入れられないだろうし、

気持ちの切り替えなどできないと思う。



起きてしまった事は取り返せないけれど、

この事故が、無責任な運営会社と、

杜撰な対応をしてきた国交省に、

原因があることは疑う余地が無い。


国は大規模な事故が起きて、

多数の犠牲者が出ないと、

問題の見直しどころか、

問題に気すらつかないが、

今回は徹底的に問題点を洗い出し、

2度とこんな悲劇が起きないシステムを、

きちんと構築して欲しい。



犠牲者一人一人に、

家族も友人もいるのだ。

被害を受けたのは26人だけではない。

その何倍もの人が、悲しみの淵にいるのだから、

少しは我が事として、考えて貰いたい。


山口県阿武町で起きた4630万円の誤送金、

間違って振り込まれた24才の男性が、

返金を拒否して大騒ぎになっていたが、

遂に電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕された。


通常、間違って送金してしまった場合、

組戻し、という手続きができる。

金融機関に申し出て、

送金先から送金元に戻す訳だ。

だがそれは、振込先口座の人の同意が必要なので、

役場の職員が訪れて誤送金を初めて知った男性は、

当初は返金に応じるつもりで、

車で2時間かかる振込先口座のある銀行に同道した。


ところが銀行の前まで行って手続きを拒否。


その時点で阿武町は、

還す意志が無い、と見極めて、

仮差し押さえをすべきだったらしい。



この24才の田口容疑者は、

僅か10日の間にネットカジノで全額使い切ったと主張している。


当初彼は、自分は悪くないのだから、

返せと言った町側に謝罪を要求していて、

公文書の書面を出せ、と言っていた。


そうして時間を稼いで、

その間にネットカジノ等への送金を繰り返していたのだから、

悪質性は高い。


それでも元々誤送金した阿武町が悪いのだから、

自分の口座にあるお金を使ってしまっても問題ない、と思っていたのだろうか?

これだけの事をしても逮捕まではされない、とでも?



事ここに及んで、

まずかった、と気がついたのか、

罪は償う、返済していく、と態度を変えたが、

時既に遅く、証拠隠滅や逃走の畏れがある、として、逮捕されてしまった。


逮捕された事で、名前と写真が公表され、

全国に知れ渡った。

刑事裁判では、本人が認めていて返済の意志を表明している事で、

執行猶予がつくかもしれないが、

有罪であれば前科もつくし、

当然民事でも損害賠償請求されるから、

今後彼は莫大な借金を抱える事になる。


しかもこんな事件を起こした人間、という、

レッテルがべったり貼られたので、

まだ若いのに、まともに就職するのも難しくなるだろう。

振り込め詐欺グループからは勧誘されるかもしれないが。



ともあれ、事件は司直の手に移った。


海外のネットカジノへの送金は、

本当に使い切ったのか残っているのか、

調べるのは相当困難らしい。

だが、本人が自ら開示し、

もし残っているのならそれを返還することはできる。

せめて少しでも誠意を見せて欲しいと思う。

田口容疑者が、

まともに生きていきたい、という気持ちがあるのなら、

それを示せる最後のチャンスだ。



と同時に、阿武町側も、

何故こんなことになってしまったのか、の検証をキチンとし、

再発防止に努めるべきだろう。


だが、100人いたら99人は、

即時返金に応じるだろうが、

残り1人のこういう人間がいる、という事実、

性善説では済まない事件が起きている事実を、

皆が認識し、最悪の事態を想定して、

対応に当たれなければならない時代になっているのかもしれない。

残念な事ではあるが、

元が公金である以上、

阿武町がもっと迅速で厳しい対処をしていれば、

幾らかでも取り戻せていたと思う。


こんな事になるとは思わなかった、という、

阿武町・田口容疑者双方の、

安易な思考回路が、

作らなくても済んだ犯罪者を産んだ事だけは、

肝に銘じておきたい。


そして、最初はこの金を使ってネットカジノで大儲けして、

儲けの中から返せば良い、と思って使い始めたのかもしれないが、

賭け事で儲かる事などまず無いのに、

使ってしまったお金を取り戻そうと、

更に注ぎ込んだのなら、

愚かとしか言いようが無いし、

4630万も使ってしまって、

そのまま逃げ切れると思っていたのなら、

世の中を舐め過ぎだと思う。


阿武町は高い教授料を支払ったが、

田口容疑者もこれから一生かけて、

大きなツケを払い続ける事になる。


濡れ手に粟、なんて事は現実にはまず無いし、

地道に生きることが大事だと、

改めて思う。




15日は沖縄返還から丁度50年だった。

記念行事が放送されていた。


あの頃中学生になったばかりだった私には、

戦争の事や返還の背景など、

殆ど分かっていなかったと思うが、

今なら見える事もたくさんある。


残念ながら沖縄にはまだ行ったことが無いので、

琉球王国の遺跡や沖縄戦の傷痕に直接触れた事はないのだが、

第二次世界大戦で唯一、

地上戦になった沖縄の惨状は広く知られている。


それ故、戦後27年に渡ってアメリカに占領され、

その間に極東向けの基地を沢山作られ、

変換後、占領期間の倍近い年月が過ぎても、

未だその状況が全く改善されていない。


特に酷いのが、日米地位協定、という不平等協定の為に、

犯罪を犯した米兵の多くが、

日本の法律で裁けていない、という事実と、

市街地にあり、過去にはヘリコプターの墜落事故も起こした、

普天間基地の存在だろう。


前者については、何度も問題になりながら、「既得権は手離さない」とばかり、

維持され続けている。

起きる犯罪で多いのは、交通事故と婦女暴行。

基地内が治外法権、というのはまあ、

大使館内が治外法権なのと同じで、まだ理解できるが、

基地外で犯した犯罪まで、

外交官並みの外交特権を保障するのは如何なものか。

逃げ切れる、と思うから、

犯罪を犯すハードルが低くなる。

旅の恥はかき捨て、という言葉があるが、

犯罪もやり逃げが許されれば、

同じような感覚になる者もいるだろう。


後者については、普天間基地の危険性から、

辺野古への移設が進められている。

が、辺野古埋め立てによる環境破壊の問題もあって、

国と県が対立して何度も裁判になり、

なかなか進んでいないのが現状だ。



でも沖縄の人が反対する本当の理由は、

何故沖縄ばかり、数多くの基地を押しつけられ続けるのだ!という怒りだと思うし、

それは至極尤もな怒りだろう。


一方で、基地内で働く人、

基地に物品を納品している業者、

米兵によって売上が上がっている飲食店、など、

基地が無くては生活が成り立たない人もいる。

闇雲に無くなればいい、とは言えず、

かといって基地存続賛成、とも言えず、

微妙な位置に置かれて苦悩する人もまた、

相当数おられると推察できる。



戦後72年、返還から50年。

ロシアや中国、北朝鮮等の脅威が、

かつてなく高まっている今、

我々も「対岸の火事」ではなく、

自分達の問題として、防衛問題を考えるべきだろう。


沖縄だけに押し付けておけば良い、時代では最早無い。

日本が核武装も核兵器配備もできない以上、

今や北朝鮮さえ核で脅してくるのだから、

やはり核の傘は必要なんだろうし、

米軍基地も米兵の存在も、

無くすことはできないのだ、とは思う。


ならば日本全土と全国民の問題のはず。

負担と被害を分散させる事を考えるべきだし、

その為の議論をもっと積極的にすべきだろう。

下手に声を上げて、地元に基地を持ってこられたら堪らないから黙っていよう、というのは、

卑怯以外の何物でもない。



沖縄返還から半世紀。

先送りにし続け、

知らぬ存ぜぬを決め込んできた、

国も、我々無責任な国民も、

もっと真剣にこの問題に取り組まなければならない時期に来ているのではないか。

記念行事を見ながら、

改めてその思いを強くした。



これまでロシアを刺激しない為に、

NATOに加盟して来なかったフィンランドが、

ここへ来て、大統領と首相連名で、

NATO加盟を進めると明言した。

この決定は、隣国・スウェーデンにも影響を与えそうだ。


プーチンはこの事態を想定しなかったのだろうか。


ウクライナがNATOに寄っていく事に脅威を感じ、

許せなくて侵攻した結果、

ウクライナ以外の国にも反旗を翻される···


長年の中立を覆した最大の理由は、世論だ。

フィンランド国民が、

中立では国を守れない、と判断した訳だ。


ロシアとプーチンがどれ程侵攻を正当化しようと、

一部の親ロシア国と独裁国家以外は信じていないし、

むしろ言えば言う程、

不信と、明日は我が身、の脅威を感じさせてしまっている事がまだ分からないのか。



フィンランドがNATOに加盟する、という事は、

最早我々は中立ではないし、

もうお前達は信用できない。

攻めてきたら徹底的に戦う、と宣言したに等しい。

長い国境を接している国にそう言われている事を、

ロシア国民はどう思っているのだろう。

報道されていないのか、

それでもプーチンの妄言をまだ信じているのか。



プーチンの癌と手術の報道が出ている。

真偽の程は定かではないが、

病気で判断能力が低下しているか、

ヤケクソになっているのか、という疑念も湧く。

そしてもし本当に手術が行われれば、

その間、指揮権を委譲される、と言われているパトルシェフは、

プーチン以上の強硬派で、

より狡猾で陰湿だ、という評判だ。


まあ今回の軍事侵攻では、

軍の上部でも反対があったらしく、

プーチン不在の間にクーデター、という可能性もある。


事はロシア内政の問題ではない。

望まないにもかかわらず、

多くの国と人々が、否応無く巻き込まれている。


だが現時点で、今後どう転ぶか全く読めない。

少なくともNATO加盟国とロシアとの対立は、

ロシア側が折れて軍を引かない限り、

改善の見込みは無い。

そこにフィンランドとスウェーデンが加われば、

ロシアの孤立は益々鮮明になる。



退き時は既に何度もあったが、

それでも退かなかったロシアとプーチン。

決してロシア国民の為にもなっていない。

その事に、一秒でも早く、

ロシア国民もプーチンも気づいて欲しい。


プーチン個人の野望や面子などどうでもいい。

そんな下らない物の為に、

他人の命や生活を浪費するのは止めて貰いたい。



山梨県道志村で見つかっていた、

子供の物と思われる頭部の骨。

DNA鑑定に使えるだけの試料が取れず、

切り替えた母親との血縁関係を調べるミトコンドリアDNA鑑定で、

母親と血縁関係がある、という結果が出た。


あの場所で死後数年経った子供の骨が見つかったので、

恐らく美咲さんだろうという推測はできた。

そうではない事を祈っていたけれど。


ただミトコンドリアDNAでは個人特定はできないので、

今後はその後見つかった肩甲骨などの骨のDNAと、

衣類や靴から鑑定できる試料を見つけられるか、が鍵になるだろう。



3年近く、帰宅を信じていたご家族、

とりわけ、いわれの無い非難や誹謗中傷に耐えて、

少しでも手掛かりを得るために、

マスコミの前に立ち続けてきた母、とも子さんにとって、

よりにもよって美咲さんの10才の誕生日前日に、

最悪の結果がもたらされてしまった···



既にこの2年8ヶ月の間

何で一緒についていかなかったのか、と、

自問し続けてきたであろうとも子さんは、

これからの長い人生、

後悔し続ける事になるだろう。


あの時に戻れるのなら···

そういう思いは誰しもあるけれど、

彼女にとって、

これ程切実で救いの無い願いもないと思う。

だが、それは他人が言うことではない。

せめてこれからはマスコミも世間も、

ご家族をそっとしておいてあげて。



そして今も続く捜索で、

少しでも多くの骨や遺留物を見つけて欲しい。

それはこの行方不明が、

事故なのか事件なのか、を、

特定する手掛かりになるはずだから。

同時に、もしこの骨が美咲さんの物であるなら、

1日も早く家族の元に帰りたいだろうから。



このような結末になって本当に残念だ。

車で連れ去られて、

どこかに監禁されているのかもしれない、と、

微かな期待も持っていたのだけれど。


今はただ、

美咲さんとご家族の、

魂の安寧を願っています。





先日の渡辺裕之氏に続いて、

今日はダチョウ倶楽部の上島竜兵氏の訃報が報じられた。



渡辺氏の夫人、原日出子さんとは同い年という事もあって、

勝手に親近感を持っていて、

渡辺氏と再婚された時も、

リアルタイムで見ていた。

前夫との間の長女が(再婚への)背中を押してくれた、と、

笑顔で話されていた事を思い出す。


以来、素敵なおしどり夫婦として有名で、

少々羨ましくもあった。

それだけに、夫人の衝撃は如何ばかりか、と胸が痛む。


彼女がコメントで言っていたように、

「何故···、は誰にも分からない」のだろう。

ひょっとしたら本人ですら、

分かっていなかったかもしれない。

自律神経失調症と診断され、

心の病の治療を始めていた、という話だが、

鬱傾向だったのだろうか。


鬱は、回復期が一番危ない、という。

鬱の底にいる時は、

自死する元気すら無い、ということらしい。

回復してきて動く力が出てきた時に、

衝動的に死にたくなったら、

止められないのかもしれないし、

遺された人達の気持ちを考える余裕があれば、

そもそも死を選ばないだろうから、

その瞬間、死に魅入られてしまうのかもしれないが。



上島氏は、画面上で見る姿は、

死から最も遠い所にいる様に見えていた。

実際は物静かだったそうだが、

「竜兵会」の話を楽しそうにしている後輩芸人を見ても、

愛され弄られキャラなのは間違いないと思えたし、

何より人柄が滲み出ていた。


それだけに、親交があった人達の衝撃は図り知れない。

こちらも、何故···、を問う人は多いだろう。



そう、何故···

何故、生き急ぎ、死に急ぐのだろう。


急がなくても、いずれ間違いなく死は訪れる。

それはどんな権力者も天才も逃れられない。

ならば与えられた生を精一杯生きて欲しい。

生きたくても、

病で命を限られた人は大勢いるし、

不慮の事故や事件で、

予期せず突然絶たれる人も大勢いるのだから。



渡辺裕之氏と上島竜兵氏の、

ご家族やご友人に、

心からお悔やみを申し上げると共に、

お二人のご冥福をお祈りします。


合掌