法務省が離婚後の共同親権を提案しようとしているらしい。
現状は、親権はどちらか一方が持つ。
親権だけでなく、実際に養育する監護権というのがあって、
両親で分け合う事もあるらしい。
夫婦は離婚して他人になっても、
子供にとってはどちらも親、
それは間違いない。
だから協力して子育てしていけるなら、
それに越したことは無い。
だが、そもそも性格や価値観が違うから、
離婚にまで至った訳で、
そんな父親と母親が、
子育てに対してだけ、
考えを1つにして協力し合える、とは、
とても思えないのだ。
今の日本では子供が小さい場合は、
概ね母親に親権が認められるケースが多い。
その場合、父親とは面会交流をする事になるのだが、
なかなか会えないから養育費を払いたくない、
会わせてくれないなら払わない、という話が実に多い。
殆どのケースで収入が多い父親が、
養育費を払う事になるが、
実際に支払われているのは3割に満たないそうだ。
つまり7割以上の離婚した父親が、
子供への責任を放棄している訳だ。
大体、当たり前の話だが、
生きている以上、子供には毎日お金がかかる。
親が一緒にいようと離れていようと、
お金をかけずに成長できない事には変わり無い。
なのに会えるなら払う、会えないなら払わない、なんて発想をする人は、
子供に愛情があるとは思えない。
どのような理由があろうと、
親は子供に養育費を払う義務があるし、
子供には受け取る権利がある。
面会交流の取引材料では無いし、
交換条件にする物でもない。
そこが理解できていない人が多過ぎるのではないか。
なのに共同親権になれば、
義務を果たさず、
権利ばかり主張する人が増えるのではないか、と危惧している。
何やかや理由をつけて、
或いは理由さえつけずに、
養育費、という最低限の子供への福祉を怠る人は、
結局子供の事など考えていないからだ。
だから本当に共同親権を制度化するなら、
その前に、養育費を強制徴収する制度を作るべきだ。
有無を言わさず徴収する為には、
サラリーマンなら給料からの天引き、
自営業者なら税金と同時に徴収して、
自治体が子供の口座に入れる、位の制度が必要。
制度の変更は、子供の福祉の為であるべきだが、
今のまま共同親権になれば、
むしろ弊害の方が多くなってしまうのではないか。
養育費の問題だけではない。
大きくなるに連れ、
様々な選択の場面が出てくる。
習い事、進学、就職、結婚。
その度に父親と母親の意見が合わなければ、
困るのは子供だ。
だが共同親権なら、どちらも平等に主張する権利があることになる。
混乱するばかりだ。
せめて優先順位をつける位の事は必要なのではないか。
モラハラやDV等の虐待の問題もある。
そういうことをする輩は、
大体子供の為だ、とか、躾だ、とか言い張って、
決して認めようとしない。
家庭内の出来事だけに、
認めない相手の虐待の証明は簡単ではない。
仕方なく逃げようとしたのに、
共同親権のせいで逃げられなかったら、
行政は責任取れるのか?
そもそもは共同親権にしている国が多いから、という、
安易な発想から、
制度を変えようとしているようにしか思えない。
だが、少なくともアメリカは、
離婚に対して成熟している。
両親が離婚している子供は本当に多いが、
平日は母親と暮らし、
週末は父親と、という話をよく聞いた。
結婚していた時から、
両親共に子供の世話をよくしているから、
そういうことも可能だが、
日本の大半の父親は、短時間ならともかく、
宿泊を伴う面会交流なんて、
世話しきれないのではないか。
両親それぞれに新しいパートナーがいるのも珍しくない。
子供も親のパートナーを受け入れ、
パートナー側も子供を受け入れる。
みんなそれぞれ、適当な距離感を取って、
上手くやっている感じがしたが、
それはそういう土壌が社会にあるからだろう。
少なくとも今の日本では無理な気がする
日本はまだそこまで割り切れていないし、
跡取りだ何だと、祖父母が口を挟んでくる事も多い。
子供は子供、親は親、
子供は自由に生きれば良いし、
親と同居して面倒を見る、なんて余り無い、という、
他国と同じには考えられない。
制度だけ真似したってうまく行くとは思えないのだ。
始めに戻って、子供の福利厚生を最優先に考えれば、
共同親権を制度化する前に、
しないといけない事が沢山あると思う。
それこそ、元配偶者の悪口を子供の前で言ってはいけない、
言えば面会交流は禁止、って制度化するとかね。
父親と父方の祖父母と会う度に、
母親の悪口を言い続けられたら、
傷つくのは子供だ。
或いは子供の歓心を買おうとして、
もしくは何とか取り込もうとして、
我が儘を許し、何でも買い与えられたら、
教育なんてできたもんじゃない。
もっとも、いの一番にしなければいけないのは、
我々皆の意識改革かもしれない。
子供の人生は子供の物。
その為にできる手助けを、
できる限りするのが親の役目。
それをみんなが理解すれば、
養育費や親権や面会交流で争う事が激減するのではないか。
それが一番難しいのだろうけど。