やっぱり言ったな、と思う。
「COVID-19を恐れるな」だって。
大体オバマケアを廃止しようと画策した結果、
無保険の人が大幅に増えて、
それが死者数を増やした一因と言われているのに、
恥気もなくそう言える神経が、
まあトランプ、と言えばトランプなのだが。
最高の治療と投薬を受けられる自分と、
一般庶民を一緒にするのは止めて欲しい。
効果がありそうなあらゆる手段を使って、
医師団が回復を図ったから、
短時間で改善しただけで、
誰もが同じようにして貰える訳では全く無いし、
もっと言えば、むしろアメリカでちゃんと医療が受けられるのは、
一部の特権階級だけだ。
アメリカに住んでいた時、
隣町にアメリカ人と結婚した日本人の美容師さんがいた。
彼女は、毎日一緒にウォーキングをしていた同僚美容師が、
護身用の銃を入れたウエストポーチを落とし、
暴発した銃弾に当たってしまった。
肝臓を貫通して肺で止まった弾は、
危険すぎて取り出せず、
肝臓だけ緊急手術をして一命を取り留めたのだが、
1週間後に保険会社に、
これ以上は保険では支払えない、
退院するか自費で払うか、と通告され、
1週間で、ICUから一般病室に移ること無く退院した。
ICUから直に退院!?
日本では考えられない。
心の底から驚いた。
退院直後に、料理を持ち寄ってお見舞いに行ったのだが、
横になると肺炎になり易いので、
できるだけ体を起こしておくように、と言われ、
少し倒したソファに座っていた。
アメリカの医療費はバカ高い。
息子が腕を骨折した時も、
折れて重なった骨を引っ張って元の位置に戻す事がなかなかできず、
三度目に全身麻酔でやってみて、
無理なら手術と言われていたのだが、
上手くいったものの、念の為に一晩泊まっていけ、と言われ入院。
その一晩の入院と治療で請求額が3000$(当時のレートで約30万円)だったのには、
さすがに驚いた。
駐在員だったので、後日会社が補填してくれたが、
そりゃアメリカ人は医者にかかれないよね、と思った。
実際、アメリカ人の自己破産の6割は、
医療費が払えなくなったから、と言われていて、
現実に同じ会社の人が、
ある日突然、借りていた家を即刻明け渡せ、という通告を裁判所から受けたことがある。
家のオーナーが心臓発作を起こして手術をしたら、
医療費が1000万円位来て、払えなくて自己破産し、
銀行が差し押さえて競売にかける為の明渡し請求だった。
ここでポイントは2つ。
国民皆保険では無く、
各自民間会社に契約しなければならないアメリカでは、
そもそも保険料が高く、
しかも一定額以上は保障してくれない。
そして、賃借人は保護されない。
如何に日本が有難い国か、
当たり前と思っていた事が、
実は当たり前ではない、という事を含めて、実感した。
そういうアメリカで、
ただでさえ特権階級の上に大統領、という肩書きまで持っているトランプが、
自分は感染しても大丈夫かもしれないが、
そうではない支持者を、マスクも無しに危険に晒してきた事も、
殊更にコロナを矮小化し、
自分の政策の失敗を糊塗するのも、
それだけで国のトップとして如何なものか。
トランプが短期間で退院したのは、
大統領選挙を控えて復活をアピールしたいのと、
1日も早く選挙活動に戻りたいからだろうが、
その焦りが、更に周辺でのクラスターに繋がったらどうするつもりだろう。
まあこの騒ぎでバイデン有利になった、と言われているから、
一か八かなのかもしれない。
このまま離脱が長引けば、
どのみち再選は難しいから、
兎に角元気になって何の問題もない、という印象を早く作らないと、ということか。
ただ、そのアピールの為に、
病院から車で外出した事には、
支持者は熱狂していたが、
客観的に見られる良識ある人達は、
その為に護衛官を危険に晒している、という非難をしているらしい。
まあそうだよね。
自分の事しか考えないトランプに言っても無駄だとは思うけど。
ともあれ後1月足らずで投票。
とはいえ、結果が出るのに相当な時間がかかると言われている。
コロナのせいで郵送投票が増えているので、
トランプが勝てば問題ないが、
負けたら不正があった、とかイチャモンつけまくって、
訴訟にまで発展するのではないか、と。
最終的に最高裁まで縺れた場合に、
有利な判決を期待して、
保守派判事の任命を急いだのか。
結果、その為の集会でクラスターが発生したのだから、
贔屓目に見ても自業自得だろう。
この事態でも尚、コロナを軽視する発言に、
アメリカ国民は惑わされず、
キチンと感染防止に努めて欲しいと思う。
そして、トランプが大統領に相応しいかどうかも、
よく考えて欲しい、と思う。