袴田巖さんの長い長い闘いが、

ようやく終わった。

正確にはこれから再審だが、

高裁の判事にはっきり、

捜査機関の者である可能性が極めて高い、

第三者による証拠捏造、とまで言及された以上、

再審は無罪以外あり得ないので。





この時も書いたが、

最高裁の5人の判事のうち2人は、

最高裁で再審開始を決定すべきだ、と言ったのに、

残り3人が決定から逃げて、

高裁への差し戻しとなった。


その結果、更に2年3ヶ月もかかってしまったのだ。

袴田さん本人も、

ずっと支えてこられたお姉さんも、

まだ存命なのがせめてもの救いだが、

87才と90才、正義を履行するのに、

何故ここまで時間がかかってしまうのか。



そもそも日本の再審の扉はとてつもなく重い。

その扉が開くには、十分以上の新証拠が必要だ。

その扉が開いた2014年に、

再審開始しておけば、

この無駄な9年は無かったのに。


検察や一部の判事は、

再審を認める事は冤罪を認める事になり、

恥だとでも思っているのか。

確かに冤罪を生むのは恥だろう。

だがその恥を隠そうと糊塗する方が、

法に携わる者として、

もっともっと恥だ、とどうして気づかないのだ。

司法の良心はどこへ捨てて来たのだ?



事件から57年。

余りにも長い時間か空費された。

この上はせめて、一刻も早く再審を開始して、

無罪を確定して欲しいと思う。

そして死刑に至る犯罪を捏造し、

それを支持した人達は、

既に殆どがこの世にいないだろうが、

もし存命の人がいれば、

袴田さんとその家族に、

心から謝罪して欲しい。



権力の使い方を間違えれば、

取り返しがつかない、ということを、

今、司法に携わっている人達は、

肝に銘じて貰いたい。