原作:阿部智里、監督:京極義昭、制作:ぴえろ。
第13話「烏(からす)に単(ひとえ)は似合わない」
「宮中は血の歴史そのものだ」と若宮は言う。登殿(とうでん)に至る経緯、届かない文、転落死した早桃、秋殿に侵入し、殺された男。隠された真実が若宮によって暴かれ、ひとつの恐ろしい結論へと導かれていく。忌まわしい后(きさき)選びがもたらした悲劇の顛末は。そして、最後に選ばれた姫の名は……。
<雑感>
主人公かと思っていたあせびが、まさか犯人だったとは。これは驚いた。昔の少女漫画なら確実に主人公だったのに、原作が書かれた2010年代になると、あの笑顔があざといものになってしまうのだな。女性は昔からああいう女は嫌っていたのだろうが。
妃に選ばれたのは、浜木綿。若宮があせびと出会ったとき、隣ですっ転んでいた少年が、幼いころの浜木綿だったようだ。サッパリ系の女性がヒロインになる時代がやってきていたのか。知らなんだわ。個人的には一番気に入っていたキャラなので、好ましい展開ではあるのだが、あせびみたいなキャラを最も悪質で邪悪な人間として描く表現を初めて見たかもしれない。
あせびが持っている少女漫画の主人公感をミスリードに使ったのか、女性が元々うっすらと心に持っていた「ああいう女があくどいに決まってんだろ?」という気持ちをついに作品にしてしまったのか。とにかくこれは驚いたし、なんというのか、爽快感があったな。
こういう形でカタルシスを得られるラストだとは、第12話までは正直思ってもいなかった。どうせあせびを一回疑っておいて、あせびで落ち着くのだろうなと高を括っていたわ。感想記事にもそう書いた気がする。
あせびが醸し出す主人公の雰囲気に飲まれなかった作劇は見事だった。原作とアニメでどう違うのかわからないが、アニメはいかにも主人公という形で冒頭から見せていたもんな。それが急に若宮主人公とわかって、一瞬「?」だったもんな。
妃選びが終わって、来週から次の逸話になる。