「恋する歯車」(2013年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

池上純哉監督による日本のサスペンス映画。出演は小澤亮太、黒川智花、池田純矢。

 

 

<あらすじ>

 

突然の事故で両親を失い自暴自棄の生活を送っていた大学院生の祐市は、ある夜、猛スピードの車に飛び込もうとする女を助ける。彼女の名前はリサ。自殺の理由を口にしない謎めいたリサに、自らの境遇を重ね、急激に惹かれていく祐市。

 

そんな中、刑事の曽根から得た両親の事故原因に不信を抱いた祐市は、自ら調査を始める。その途中で再会した幼なじみの琢馬から、自身の出生について信じ難い事実を知らされる。祐市の本当の両親は彼が生まれてすぐに公安警察によって殺された政治活動家だったという。祐市の事故で死んだ育ての親は、その事件の際の刑事だったという。

 

祐市の本名は、榎本零。彼はずっと警察に監視されていた。その監視役こそ、リサだった。曽根は、祐市の本当の両親を殺したのは、不良少年グループで、警察は無関係だと話した。どちらが本当なのかわからず悩む祐市。ネットで流れている榎本零の噂は、市民運動家たちが流したもので、彼らは反警察のために榎本零を利用しているのか?

 

祐市は、琢馬がやっている市民活動家の若者グループと接触する。彼らは自分たちの革命ごっこに祐市を巻き込んだ。彼らが目論んでいるのは、政治家に対するテロ事件だった。一方、刑事であることがバレたリサは、祐市に関する極秘情報にアクセスしていた。それによれば、祐市の育ての親は、やはり警察により薬物を盛られ、自動車事故を起こしていた。

 

しかも警察は、祐市すら排除対象としていた。やはり曽根の話はウソで、祐市の本当の両親をリンチにかけて殺したのは当の曽根だった。その事実を知ったのが、祐市の育ての親だった。だから曽根は、ずっと一家を殺したがっていたのだ。

 

爆弾を使う前に、祐市はリサに関する音声をマスコミに公開した。琢馬は警察に捕まってしまう。祐市は自分が榎本零であることを明かし、リサと合流しようとしたが、曽根に撃たれてしまった。曽根は生き残り、悪徳政治家は滅びず、祐市だけが死んだ。

 

<雑感>

 

「海賊戦隊ゴーカイジャー」のキャストにより作られた東映の一般向け映画。ヒーロー作品の主役らはバーターで東映の一般作に主演させてもらえるのだ。

 

特撮系に甘いということは除いても、これはなかなか面白かった。曽根が正しいのか、琢馬が正しいのか、そして祐市は何を選択するのか。警察組織の闇を暴く内容はそれほど悪くない。若い脇役はちょっと演技が残念だった。琢磨は大袈裟すぎる。リサは大根すぎる。

 

☆3.2。ヒーローものの一般映画は、特撮系の脚本家が本を書くので、面白いものが多い。