「ロッキー山脈の戦い」(1935年作品)感想 | 深層昭和帯

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チャールズ・バートン監督によるアメリカのミステリー映画。出演はランドルフ・スコット、チャールズ・セール、レスリー・カーター。

 

 

<あらすじ>

 

牧場管理人アドルフ・ボルグが殺された。容疑者の鉱山技師ジャック・パーソンは行方不明。彼の仕事の後を引き継ぐため、義理の兄ラリー・サットンがバラード・ラジウム鉱山にやってきた。義弟の犯行が信じられない彼は、保安官補佐テックス・マードックとともに事件の捜査をすることになった。

 

アドルフ・ボルグの牧場に滞在しているのは、鉱山の所有者ジム・バラード、姪のフローラと甥のフリッツ、中国人使用人リン・ヤット、家政婦のボーグ夫人とその息子ジョン、もうひとりの姪のリタ・バラードだった。

 

サットンが牧場に到着すると、すぐに謎のマントの男がフリッツを襲撃して殺してしまった。その時牧場には全員が集結しており、アリバイが成立。義弟ジャック・パーソンの犯行が濃厚となった。するとマントの男は牧場の面々を次々に襲撃、ジムとフローラが瀕死の重傷を負ってしまった。

 

バラード婦人が夫ジムと面会するため牧場にやってきた。ところが彼女が目にしたのは、死んだはずのアドルフ・ボルグとボーグ夫人が悪だくみをしている場面だった。病気で人前に出られないとされていたジム・バラードはすでに殺され、死体を粉砕された末にアドルフ・ボルグと入れ替わっていたのだ。

 

すべてはアドルフ・ボルグとボルグ夫人の、鉱山乗っ取りの企みであった。ジョンとリン・ヤットも彼らとグルであった。アドルフ・ボルグはリタを人質にして鉱山へと逃げ込んだが、サットンとマードックに追い詰められ、崖から転落して死んでしまった。

 

一味は逮捕されて、刑罰を受けた。ラリー・サットンはリタ・バラードと結婚し、ハワイへ移住した。テックス・マードックは、保安官に昇格する。

 

<雑感>

 

戦前に作られた西部劇時代のミステリー映画だった。トリックとしては、岩石粉砕用の機械で最初の遺体がぐちゃぐちゃにされ、正体がわからなくなっていたところ、ボルグ夫人が「夫です」と証言したことから、被害者はアドルフ・ボルグとされた。

 

そのころ、本当の被害者ジム・バラードは、病気療養のために鉱山を離れて牧場で静養していたのだが、ボーグ夫妻により殺害され、アドルフ・ボルグが病気のフリをして入れ替わった。事件の目撃者ジャック・パーソンはすでに殺されていたが、ボルグ夫人により犯人にさせられ、血縁のフローラとフリッツも相次いで襲われて死んでしまう。

 

最後に残ったバラード家の相続人が、姪のリタ。彼女も殺されそうになるが、夫に代わって鉱山を仕切っていたバラード夫人がすべてを見抜いてしまい、トリックが露呈する。そんな感じの内容だ。戦前のミステリー映画のフォーマットに則った作品である。

 

☆3.5。マッチョイムズの西部劇よりはるかに面白い内容だった。