ジュリアン・デュヴィヴィエ監督によるフランスのドラマ映画。出演はマリー・ベル、アリ・ボール、モーリス・ベルナール。
<あらすじ>
16歳で嫁ぎ、36歳で寡婦となったクリスティーヌは、夫の遺品などを召使に分け与えると、新しく人生をやり直すことにした。遺品の中に、まだ18歳だったころに舞踏会で出会った若者たちの名前を書いた手帳が見つかった。懐かしげに手に取った彼女は、10名の若者たちのその後の人生が気になった。
そこで彼らのことを調べてもらうと、2名は亡くなっていたが、1番気になったジェラールはまだ存命だった。そこで彼女は、生きているもの全員に会いに行こうと考えた。
だが、舞踏会でクリスティーヌと出会って幸せになった者はいない。ジェラールもまた1週間前に亡くなっていた。だが彼には面影のよく似た息子がいた。そこでクリスティーヌは彼を養子にと頼むのだった。
<雑感>
サイレント時代の女優さんは、独特の美があるというか、似た顔の人が多い。似たメイクにしてあるのかもしれないが。この映画でクリスティーヌを演じた女優さんも、サイレントの時代の女優の顔立ちとメイクなのでまるで個性を感じない。
女性が個性的に描かれるようになったのはいつ頃なのだろう? どんな作品がきっかけだったのか、どんな女優がきっかけだったのか? とにかく、いつからか女優も個性的になっていく。男性は最初から個性的で、むしろ個性のない顔は敬遠されている。
よく日本の絵画に出てくる女性は類型的な書き方をされており、個性が写実されていないといわれるが、それは確かだともうものの、西洋ももしかしたら同じだったのではないか? 貴族文化の中で写実的な油絵を描かせる文化があったから女性の個性を描いただけで、本当に女性の個性を尊重していたとは言えないのではないか。
☆3.0。チャップリンの映画の主人公も、フランスのこの映画の主人公も、女優が同じ顔をしている。