「トラヴェット氏の苦悩」(1945年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

マリオ・ソルダーティ監督によるイタリアのコメディ映画。出演はカルロ・カンパニーニ、ヴェラ・カルミ、パオラ・ヴェネローニ。

 

 

<あらすじ>

 

書記として働くイグナツィオ・トラヴェット氏は、生真面目に32年間も働きながら、上司の嫌がらせによってまるで出世しなかった。家に帰ると再婚した若くて美しい妻がいたのだが、その妻も彼につらく当たり、心休まるときがない。

 

さらに別の嫌味な局長がやってきて彼に嫌がらせをするので、イグナツィオは珍しく反抗的になってしまい、シチリア行きを命じられてしまう。すると同僚は「局長に頼め」「奥さんに口利きしてもらえ」と言う。そこで彼は自分の妻が局長と浮気していることを知った。怒った彼は上司を殴りつけてしまう。彼は長年勤めた事務所を解雇されてしまった。

 

彼の家にはマリアンという美しい娘がいて、彼女にはパン屋で働く恋人がいたが、公務員を勲章さえもらう上流階級かと思っている家族により結婚を反対されていた。事務所を解雇されたイグナツィオは、パン屋で働くことを同意した。

 

妻の浮気も友人の話が曲解されただけとわかり、彼は退職金を貰いパン屋で働くことになる;。そして彼の娘の結婚に支障はなくなった。

 

<雑感>

 

フランス人の階級意識は革命が起こってからも変わりなく続いていたということだろう。こういうのを日本の官僚は羨ましがるんだよな。無能の癖に。

 

そういうところはウンザリしたが、イグナツィオの真面目さや、彼が最後に報われるところなど、ハッピーエンドで終わるのが印象を良くしている。それまではイグナツィオがイジメられているような描写が多くて辛くなるばかりなのだ。

 

☆3.6。公務員なんかよりパン屋の方が幸せな人生だよ。