「平和に生きる」(1947年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ルイジ・ザンパ監督によるイタリアのコメディ映画。出演はアルト・ファブリッツィ、ガー・ムーア、ミレーラ・モンティ。

 

 

<あらすじ>

 

第2次世界大戦、日々激しくなる戦闘であったが、イタリアの田舎では変わらぬ牧歌的な生活が続いていた。そこに、ドイツ軍の捕虜施設を脱走したふたりのアメリカ人兵士が逃げ込んできた。発見した村人は、彼らが敵兵だと知りながら、食料を与えた。

 

しかし、ひとりが傷ついていることから村長のティーニャは彼らを納屋に匿い、さらにレジスタンスに連絡を取って治療してもらうことになった。

 

そこに、村の監視役であり通信使であるナチスのハンスがやってくる。ティーニャはハンスにワインを振る舞い、ハンスもまた大量に飲酒をして酩酊状態になった。悪いことに、匿われていたアメリカ兵もまたワインを飲みすぎて酩酊してしまい、ハンスの前に出てきてしまった。

 

心配する村人らをよそに、ハンスとアメリカ兵は一緒に酒盛りを始めた。こうして夜は更けたが、ナチスの報復を恐れた村人たちは、何が起こるのかと心配でならなかった。

 

そのころナチスは戦況不利とみて撤退を開始しているとの噂が立った。一転してハンスの立場が怪しくなったが、ハンスは軍服を脱いで故郷に帰る決心をした。ティーニャは彼に服を与え、逃がそうとするが、そこにナチスがやってきてふたりを撃った。

 

間もなく戦争は終わったが、のどかな村が戦勝に沸くことはなかった。ふたりのアメリカ兵は、連合軍として村に戻ってきたが、ティーニャは死んでしまった。

 

<雑感>

 

実際に起こったこととされているが、本当かどうかはわからない。チョコレートくれとか煙草くれというのはイタリアでもやっていたんだな。そういう態度を情けないとする人間もいるだろうが、戦争中はとにかく甘いものがなくてみんな飢えていたそうだから仕方がないと思うぞ。

 

☆4.0。逃げたのは黒人兵と白人兵で、言葉が通じなくて笑える場面がある。笑いがあるからこそ最後のシーンで身につまされる。