「地獄の用心棒」(1955年作品)感想 | 深層昭和帯

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古川卓己監督による日本のアクション映画。出演は河津清三郎、三國連太郎、菅井一郎。

 

 

<あらすじ>

 

麻薬捜査官の北川は、かつての戦友植田が麻薬密売のブラックリストに載っていることを気にしていた。植田は組織の用心棒をしており、彼を救いたいとの気持ちもあったことから、北川は自ら潜入捜査を買って出た。

 

植田には組織を抜けられない理由があった。彼は麻薬漬けにされており、酷い中毒症状を起こすのだ。組織のボス亀田は、北川を怪しんで植田に彼を追いだすよう命令した。中毒に苦しむ植田は、戦友を慮る気持ちもあったが、北川は組織のことを警察に通報すると逃げ出そうとした。

 

裏切られたと詰め寄り植田のところに、通報を受けた警官隊が乗り込む。追い詰められた植田は、自分から逃げるように階段を上っていくが、警官の銃弾に倒れた。

 

<雑感>

 

若いころの三國連太郎は本当に男前。このころの日本の日活は、個性的で男から見てもかっこいい俳優が多かったね。演技も上手い。ちょい役で宍戸錠なんかも出演していてすごく贅沢、いやこれは当時は当たり前だったのだが、いま見れば贅沢な配役だ。

 

三國連太郎は目が大きいので、目で訴えかけるだけで麻薬中毒の狂気が伝わってくる。それがなんとも言えない緊張感を生み出している。脚本は大したことないのに、三國連太郎と河津清三郎の演技でグイグイ観客を引っ張っていく。

 

☆3.6。このころの俳優陣に現代の脚本レベルがあればと思わずにいられない。